病院
ガララ―――。
「失礼します。」
凛音に案内されて病室のドアを開けた翔の心臓はバクバク言っていた。病室には2人きりである。
「やあ。よく来てくれたね。ありがとう。あの3人に聞いたんだろ?」
「病気って・・・。」
「もってあと一週間。いやぁあまいったまいった。」
「なんで・・・なんでそんな笑っていられるんだよ!」
翔の今までためていた何かが爆発した。
「・・・。」
「死ぬんだろ?怖くないのかよ!?」
「過去のオレの言うとおりだ。・・・でもな。今まで楽しかったんだ。すごく。」
「どういうことだ?」
「そりゃ何度も何度も嫌な事、傷ついたこと後悔したことたくさんあった。」
「・・・」
「・・・でも、永遠、刹那、凛音あの3人がいたから乗り越えてこれた。。」
「あいつらが」
「そう。あいつらのおかげで楽しかった。・・・あいつらのおかげで、今の自分があるんだ。」
「・・・・」
「自分に言うのもなんだけど、お前意外と強いんだからさ。何も知らずに帰れよ。オレはちゃんと幸せだったさ。」
「・・・本当だな。」
「ああ。」
「うそじゃないよな。」
「俺がうそを言うと思うか?」
その言葉に翔は少し笑った。
「・・・思わない。」
「だろ。お前は安心して帰れ。そして今の自分を精いっぱい生きろ。それがオレの一番伝えたかったことだ。」
誤字等ありましたら、申し訳ありません。