日常
こんにちは。お久しぶりです。そらのうみです。
今回は大学の合唱団で実際に演じた台本を小説化したものです。
原案とこのステージの実行委員長はわたしなのであしからず。
感想などいただけると幸いです。
キーンコーンカーンコーン
今日も希望が丘高等学校のチャイムが鳴り響いた。
「お前らー数学の課題、忘れるんじゃないぞー」
担任で、数学教師の中森が声をかけた。クラスメイトは口々に愚痴を言ったり、話したりしている。その中、クラスのムードメーカー的存在である、永遠が帰る準備をいそいそとしている翔に話しかけた。
「なーなー。翔。こんな話知ってる?」
「なんだよ。俺、急いでるんだけど・・・」
「まあまあ、聴けよ!・・夕方五時半にこの場所でタイムスリップしたいって言った奴がいた話なんだけどさ。」
「なんだよそれ。・・・そんな話聞いたことも・・・」
「知ってるー!「僕はタイムスリップしたいです」って願ったんだよね。」
割り込んで入ってきたのはクラスメイトの一人、子どもが大好きなテニス少女、凛音であった。
「そしたらタイムスリップしちゃったってやつですよね。」
凛音とともに話に入ってきたのは、詳しくは知らないがほにゃらら財閥的な感じのお金持ちなお坊ちゃま君、刹那であった。
「そうそう。それ!お前ら、よくわかってんじゃねーか!」
永遠は嬉しそうに凛音と刹那を見た。
「ねーよ。」
翔は信じられないというように呆れた顔をしている。
「でも、これが本当なんだよ!」
「タイムスリップして、自分の前世にあったり、未来の自分に会うことが出来るんだって!」
「へー。それはどうやって今に帰ってくるんだよ。」
「なんでも、その時代の自分に会うと帰れるらしいんです。」
「ふぅーん」
この妙に息のあった3人を見て翔はさらにあきれた。その様子を見た永遠は手をたたいてこう切り出した。教室の生徒の数はもうまばらだった。
「そこでだ!みんなで挑戦してみないか?」
「来ると思った!」
待ってました!と言わんばかりに、凛音は手を上げた。
「その話、楽しそうですもんね。ってもうすぐ五時半ですよ!!急がないと!」
刹那は自分の腕にある高そうな腕時計を見ていった。
「ちょっ・・まてって!・・・ほら!翔もするんだぞ!」
こそこそと帰ろうとしていた翔を捕まえて永遠は言った。
「えー・・・俺は・・・」
「そんなこと言わないでよぉ~か・け・るちゃ~ん♡」
「なんだよ、気持ち悪いなぁ。」
永遠がくねくねしながら翔に近づいた。翔がほかの2人期待に満ちた瞳を見てため息を一つついてからこういった。
「分かったよ!やりゃーいいんだろ!やりゃー!」
「そうこなくっちゃ!」
凛音や刹那は嬉しそうだ。
「じゃあ行くぞ!せーの」
「「「「僕はタイムスリップしたいです」」」」
永遠の掛け声とともに全員で声を上げて言った。翔の視界は真っ暗になって意識が遠くなってしまった。
誤字等ありましたら、申し訳ありません。