顔文字
一先ずは書き出しだけ。
後は色々出来てから投稿を始めます。一体どれくらいかかるやら……
真っ白だ。
声に出すこともなく心の中で呟いた。一切合切が白く塗りつぶされた視界に、彼――秋吉顎はふと、ため息をつこうとしてそれが出来ないことに気付く。
「!?」
驚いて自分の体の状態を確認しようにも両手両足どころか全身の感覚が無いことにも気付き、更に困惑を深める。
一体何がどうなって……いや、そもそも自分は何故こんな訳の分からないところにいるのか。体の感覚は無くとも思考は生きているようで、現状に至るまでの過程を思い出そうとして――
(^-^*)/
視界の端に何かが映っていることを認識する。
体は動かない。首を動かしたり、目を向けることは出来ない。それなのに目に何かが映り込んでいるという奇妙な感覚に眩暈を覚えながらも、視界に入る何かから逃れようと目を瞑ろうとして、瞼も動かせないことに思い当たる。
(・3・)
無視することが出来ないと諦めて一旦これまでの思索を破棄し、目の前にある何かと向き合う。
顔文字だ。
最初に見たときとは変わっていて、若干イラっとする表現になってはいるが、彼が日常生活の中で目にすることのあった顔文字そのものが宙に浮いている。一体これは何なのかと見ていると――
(ノ´▽`)ノ
m9(≧∀≦)
_(:3」∠)_
目まぐるしく変わっていくが、まるで訳が分からない。次第に慣れてきたのか、彼は視界の端で乱舞する多彩な顔文字を無視しながら元の思考に戻っていく。
自分が今、どうしてこのような状況に置かれているかを把握するために。