08 テンプレ的な冒険者になった訳
あれから数日たち、俺のランクは銅になっていた。金に上がるには進級試験がいるそうだ。今回は〈ワイバーンの討伐〉だそうだ。今回と言うのは、毎回試験内容がかわるからだそうだ。それで、今からそれを受けるところだ。
「すみません、進級試験お願いします」
「進級試験ですね。少しお待ちください」
そう言って、受付の人奥のほうへと行ってしまった。
少し待っていると、厳ついおじさんがでてきた。
「お前さんが今回、進級試験を受けるのか?」
「そうです」
「そうか、お前が......俺はランク金のサガラだ。今日はお前の試験官になる」
「それでは今日はお願いします」
自己紹介が終わったので、受付嬢に説明してもらう。
「今日の試験の内容を改めて、話させて貰いますね。試験内容はフギ峠に生息している〈ワイバーンの討伐〉です。気をつけて行ってきてくださいね」
受付嬢に見送られながら、俺らはフギ峠に向かった。
~その道中~
「どうして、サガラさんは冒険者になったんですか?」
「俺か?俺はな、とある出来事がおきてな、それから強くなりたくてなったんだよ。つまり、冒険者に憧れてたんだよくあるはなしだろ」
「とある出来事とは?」
「昔、俺はよくある村のごく普通の村人でな、ある日トロールが村に入ってきたんだよ」
「でもトロールだったら、村人でも何人かで挑めば勝てるはずですけど?」
トロールのステータスを見たことのある俺は、村人が何人か集まれば倒せるのを知っていた。
「それがな、トロールの集団が入ってきたんだ。十数ほどのな。それで俺はまだ11の時だったが、村の皆はトロールに挑んださ、でも直ぐに勝てないと悟った。そして逃げようとしたんだ。でも村はトロールに囲まれていた、皆絶望したよ。絶対絶命だった。でも、その時トロールがいきなり倒れたんだ。皆はそれを見たんだ、一撃でトロールを倒している冒険者を。俺もあんな強くて皆を助けれる人に、冒険者になりたいと思ったんだ。それが始まりだよ、よくある話だろ?」
「そうですね、よくある話です。でも良いと思います。夢があって、素敵じゃないですか」
「そうか......夢がある...か......」
「村はどうなったんですか?」
「村はその冒険者に救われて、今では特産品まで出来て、賑わっているよ」
「それはよかったですね。」
「おっ、もうそろそろでフギ峠につくぞ。気合い入れろ」
「はいっ」
俺も皆を助けれる人になりたい...か......今頃信也どうしてるのかな......
今回も読んでいただきありがとうございます。
軽い気持ちで書き初めて読まれないだろうと思ってたけど評価されなくても読まれてるだけで正直結構嬉しいですね。
これからも頑張って投稿しますので宜しくお願いします。