04 テンプレ的な街
しばらく歩いていると、街の城壁がみえてきた。あの城壁の大きさ的に大きな街だな、と思っていると、エマさんが話かけてきた。
「あれが“フゥーレン”の街です」
「変なこと聞くけど、入るのに証明書か何かいる?」
「要りますよ...もしかして、証明書無くしました?」
「そ、そうなんだよ。森で無くしちゃって」
「そうですか。でも大丈夫ですよ、私が一緒ですし、中に入れば“冒険者ギルド”で登録すれば“冒険者カード”がもらえますからね」
「なら大丈夫だね」
冒険者ギルドはやっぱあるのか、そう思って歩いていると、またエマさんが話かけてきた。
「中に入ったら、アキラさんはどうするんですか?」
ちなみに、二人とも下の名前にさんを付けることになっていた。
「うーん、そうだな、取り敢えず冒険者ギルドへ行って、登録してから考えるよ」
「よかったら、うちに来ませんか?」
「誘いは嬉しいけど、ずっとここにいる訳じゃないし、お断りするよ」
「そう、ですか......」
明らかに残念そうな顔をするエマさん。なぜか悪いことをした感じになる鑑。何か空気が重くなってくる。
「た、たまには家に遊びに行くから」
パアッと明るくなるエマさんは、凄い勢いで迫ってきた。
「絶対ですよ」
「あ、ああ絶対行くよ」
「止まれ。証明書か冒険者カードを見せろ」
話しながら歩いていると、警備の人に止められた。エマは証明書を見せ、警備の人は一瞬驚いたが、詮索してはいけないと思ったのか、何も言わずに証明書を返すと俺の方に来た。
「スミマセン、森の中で証明書無くしたので、仮登録お願いします。」
「わかった。だが簡単な審査は受けて貰う。なに水晶に手を置くだけだから。ついてこい。」
「分かりました。」
ついていくと部屋の真ん中に、透明な水晶が置いてあった。
「じゃあ手を置いてくれ。」
俺は素直に手を置いた。水晶に変化は無かった。
「犯罪履歴もないし大丈夫だな。」
そう言うと、さっきエマが持っていた証明書に似たカードを渡してきた。
「これは仮証明書だ。2週間で効果はきれる。効果がきれると街の外にでれなくなるから、その前に証明書か冒険者カードを作ってこい。」
証明書モドキを貰い街の中に入った。そこには、ヨーロッパ風の街並みに凄い人で賑わっていた。
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