21 お転婆お嬢様
エマさんの家に着きました。相変わらず門番が立っていて立派な門があり遠くからでも豪邸が建っているのが分かる。
「おい止まれ。」
門番に止められた。前と同じ人だが一応だろう。きた要件を言おう。
「あの~エマさんにちょっとお話がありまして。」
「分かったまあ一応確認だから少し待っとけ。」
もう一人の門番に声をかけてから門を少し開けて中に入っていった。その間暇だったのでもう一人の人と話すことにした。
「ここの門番やって何年たってるんですか?」
「ここは5年位だな。」
「そんなに!?」
そんなに門番だけやってるなんて驚きだ。門番じたいそんな長く続かなさそうなのに、<ここは>って言ったから他でも門番をやっていると言うことだろう。
「失礼ですけど今年でおいくつですか?」
「36だ。」
まあ大体思った通りだ。
「どうしてここで勤めてるんですか?」
「それはここの人は皆態度も偉そうではなく親切だったからだな。」
「まあここの人は変わった人が多いけどいい人が多いですからね。」
しまった結構失礼な事を口走ってしまった。
「失礼だぞ、まあ正直俺もそう思ってたがな。初めてに来ようと思ったのはあれ(給料)がよかったから来たんだけどな。」
「あれ(変わった人)がよかったからですか?」
この人も相当変わった人だな。類は友を呼ぶとはよく言ったもんだ。
「今ではすっかり慣れてここも楽しいもんさ。」
話していると門番の人が帰って来た。
「ここに来るから少し待って下さいって言ってたぞ。」
「分かりました。」
この人も変わってるのかな?変な勘違いをしている鑑であった。
すぐにエマさんが走ってきた。ドレス姿で。
「エマさんそんな格好で走ると転けますよ。」
そう言った瞬間にエマさんは豪快に転けた。前に倒れ込むようにスライディングし手を前に出し足を曲げながら顔から地面に突っ込んだ。
「大丈夫ですかエマさん!?」
「大丈夫じゃ、ない、で、す。」
エマさんはそのまま力尽きた。がすぐに復活した。顔をガバッとあげ鑑をみた。
「鑑さま話とはなんですの?」
「それよりその格好はなんなの?」
「これはその~鑑さまが来たと聞いて...それより話とはなんですの?」
「話は王都に行くと言う話のことだよ。」
「えっそれってまさか来てくれませんの?」
「違う違う今度白金ランクの進級試験を受けたいから行くのが遅れてもいいか聞きに来たんだよ。」
「そんなことですの、勿論いいですわ。はあ一瞬本当に焦りましたわ。」
「ありがとうございます。今日はこれだけ伝えに来ただけですので帰りますね。」
「折角ですからいっしょにコウチャでもいかがですか?」
「いや遠慮しとくよ。」
「そうですか...それは残念です。ではまた今度お願いしますわ。」
「分かった、また今度ね。」
それから俺はギルドに進級試験を受けにいった。