13 残念なお父様
本当に今書く時間無い...
入ってみると中も立派なだった。入って直ぐに広間があり、少し奥には階段がある。その階段は、二階まで続いていて、半分位まで行くと二つに別れている式だ。ゴージャスな屋敷なら必ずあるだろう、シャンデリアも中央にぶら下がっていた。
「これは、また、凄いですね......」
俺はさっきから驚いてばっかりだ。
「こっちですわ」
二階に向かうエマさん。俺はついて行くことにした。二階に行って直ぐ近くの部屋に行った。エマさんはコンコンとノックした。
「入りたまえ」
威厳があるような声が聞こえてきた。
「失礼します」
「君がアキラくんか、まあ入りたまえ」
遠慮せずに入ることにした。
「アキラくんは私の娘のことを、どう思っているのかね?」
「お、お父様!!い、いきなりなんてことを聞きますの!?」
顔を赤らめて恥ずかしそうにしながらも、若干聞きたそうな感じの顔をしてる。本当のところは聞きたいのだろう。
「お前は黙ってなさい」
いきなりめんどくさいな。こういうのは嫌いなんだ。何せあんな事があったからな......でもこういうのは、無難に答えておくべきだろう。
「いい娘さん、だと思います」
これがエマさんのお父様を刺激しない答え、だと思う。
「エマ、少し出てなさい」
えぇー、選択ミス!?
「お父様、アキラさまはそんな話をしに来てくださった訳では無いですのよ」
「む、そうだったな。その話は、また今度」
一生、その話はしねーよ。確かにエマさんは美人だけど、俺は俺なりの理由があって、誰とも付き合わないと決めたんだ。
「要件を言おう。要件は二つある。一つめはアキラくんは娘を助けた、それで間違いないか?」
「ええ、盗賊に襲われてましたから、助けました」
「娘を助けてくれてありがとう。それで、だ。君に何かあげたいと思っているのだが、何か欲しい物は無いか?」
俺は少し悩んだ。お金を貰ってもいいのだが、働かなくなって自宅警備員......自宅無いから、完全なるNEETになるのは嫌だからな。
「それでは後ろ盾になってください」
少し考えたが、俺は貴族の対応とか何も知らないから、面倒事に巻き込まれると困るからな。
エマさんのお父様は少し驚いていた。おそらく、お金など金品を要求する、と思っていたのだろう。流石は貴族と言わんばかりの速度で、表情を戻し、直ぐに返事を返してきた。
「良いだろう。困ったら家へ来るがいい。それで、二つめの要件だが、君の力を見込んで、王都の迷宮に行って欲しい。勿論報酬はだそう」
「迷宮のことを全く知らないのですが、教えてくれませんか」
「迷宮を知らないのか?変わったやつだな」
それから迷宮のことを教えてもらった。まとめると......
・迷宮とは、神々が造ったとされている試練
・迷宮は世界に5つある
・全部50階まであり、10階ごとにフロアボスがいる
・フロアボスは倒しても、何度でも復活する
・フロアボスを倒すと、アイテムがドロップする。迷宮前にある、報告の石碑というアーティファクトに名前が載る
・迷宮内では魔物を倒すと、直ぐに魔石だけ残り、残りは地面に溶け込む
と言うことらしい。まだ誰も50階まで、たどり着いてないらしい。
「なぜ、エマさんを迷宮に連れて行きたいのですか」
「貴族は、報告の石碑に名前が載ると、発言権が強くなったりするのだ」
つまり箔が付くらしい。エマさんには世話になったし、受けることにする。
「分かりました。受けましょう」
読んでいただきありがとうございます。