01 テンプレ的な始まり
「なぜこうなった.....」
と呟いたのは小林鑑(26歳)だった。
そう呟いたのは、辺りを見渡しても木しかなく、空にはプテラノドンモドキが飛んでいたからだ。
なぜそうなったかは、1時間前にさかのぼる。
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鑑はゲーム製作会社〈株式会社サクセス〉の社員であった。鑑は他の会社員が帰った後も会社に残り、残業を片付けていた。
「よっ頑張ってんな」
と声がかけられた。声の主は鑑の高校からの友達で、中上信也(25歳)であった。
鑑はふり返らずに、返事を返した。
「これだけ終わらせようと思って」
鑑は真面目ではあるが、優秀でもなく学校でも中の上位の成績だった。
「後、何分で終わりそう?」
「そうだな...1時間位かな?」
「今日はなかなか遅いな」
「もうそろそろ、本格的に他の皆がし始めるからな。時間が足りなくなりそうだから、今日少しでもしようかな、と思って」
「じゃあ俺、何か飲み物買ってくるよお前、何飲む?」
「じゃあ俺コーヒーで」
「了解っ」
と言いながら信也は部屋を出て行った。
「さてっもうひと頑張りするか」
鑑は気合いを入れ直し、PCに向かいあった。
30分が経過したころ、鑑は異変に気がついた。信也が帰ってこないのだ。鑑はさすがに遅い、と思い探しに行くことにした。
8分後・・・
鑑は信也が見つからないので、一度部屋に戻ることにした。部屋に戻ると、巨大な魔方陣が青白く光り輝いていた。そのなかには、なぜか信也が立っていた。
「信也!お前大丈夫か?」
信也からは返事は無かった。もう一度呼んでみた。
「信也!!」
二度目を呼ぶと体をビクッとさせ、信也は信じられないといった顔で放心していた。
「信也!ここは何か危険だ!逃げるぞ!」
鑑は魔方陣の中で放心している信也の手をとり、魔方陣の外に走りだした。しかし、魔方陣が光を強めていき、鑑は危険だと感じ、信也だけ魔方陣の外に出した瞬間、鑑の意識は途絶えた。