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【詩】戯言マニュアル         【シリーズ】

戯言シンガー

作者: FRIDAY

 

 駅前広場の噴水の前

 ギター片手に一人で突っ立つ


 渦巻く喧噪 地鳴らす足音

 老若男女 人の群れ


 先へ向かうだけの人々に

 構えたギターを掻き鳴らす


 生み出すそれはただの騒音

 音楽にもならないただの音


 左で弦を雑に押さえ

 右のピックで掻き散らす


 予行も練習も一切取らず

 前触れもなく喉を鳴らす


 叫ぶようなただの大声

 喚くようなギターの鳴き声


 歌にもならない声

 音楽にもならない音

 コトバにもならない言葉コトバ



 巡り巡る喧騒

 雑音ノイズ



 嘲るような視線

 迷惑そうな一瞥

 誰も聴いちゃあいない歌

 誰のために歌うのか



 それでも歌うことはやめないけれど



 舞台に代える雑踏の空白

 拍手に代える止まらない足音


 宙に散らばる音の群れ

 全く調和しない重奏


 放つ言葉に意味はない

 散らかす音に意志はない



 巡り巡る喧奏

 楽音ノイズ



 駅前広場の噴水の前

 ギター片手に一人で吼える



 誰かの為には歌わない



 

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― 新着の感想 ―
[一言] 歌うことで魂が吠えているのだ。
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