55話 仮面種のウザさ。
55話 仮面種のウザさ。
ツラツラと仕事をこなす彼女。
栄えあるゼノリカの天下、
隠密機関『百済』を染める闇人形の一人、
コードネーム『インフラレッド003(IR3)』。
彼女の存在値は『1京1785兆6300億3998万1006』。
『存在値1000ちょっとの雑魚』では、どうあがいても太刀打ちできない雲の上のスナイパー。
「……『尊きセン様が守ってくれたこの世界』を『穢す可能性がある者』は……誰であろうと、なんであろうと許さない」
静かな声音で、ボソっとそうつぶやく。
かつて、IR3も、センエースに救われたことがある。
センエースのためなら、いつでも命を捨てる……それが彼女の覚悟。
「……ん?」
そこで、『IR3』は気づく。
先ほど木っ端みじんに吹っ飛ばしたユズの肉体が、再生し始めているコトに。
「……ちっ」
小さく舌打ちしてから、IR3は、『完全に再生する前に吹っ飛ばそう』と、
「闇王散弾ランク3000」
引き金を引くと同時、散弾型の凶悪魔法が炸裂。
再生しかけていたユズの肉体がまた跡形もなく吹っ飛んだ。
……が、すぐにまた……
「ちっ……まさか、『適切な手順で殺さないと無限に復活するタイプ』か。……仮面種モンスターらしい、鬱陶しい特質じゃないかっ」
IR3は、仮面種モンスターの特性に関してシッカリと勉強したことがある。
それに、長年の経験から、この手の厄介事には慣れている。
だから、『何が何だか分からずに困惑する』ということはなく、即時、
「要請。エマージェンシー。上層部の支援を請う。対象Pの存在値はあくまでも現世レベルだが、『仮面種モンスター特有の異常性』を『明確な脅威』と断定。『自身を生贄に上位タイプを召喚する可能性』も踏まえ、対象Pの危険度は『Bマイナス』と判定。繰り返す。エマージェンシー。上層部の支援を請う――」
要請を出しつつ、アイテムボックスに『スナイパータイプの銃』をしまい込み、マシンガンタイプを二丁取り出し、両手に構えると、そのまま、
「闇連双弾ランク7000」
ババババババババ、と二丁のマシンガンで連射して、ユズの復活を邪魔していく。
ユズの肉体は、『なんとか復活しよう』と、ずっとうごめいている。
が、IR3の連射が凄すぎて、まったく再生が追い付かない。
……と、そこで、IR3は気づく。
「ん? なんだ? っ?! 存在値が上がっている?! ――報告! 対象Pの現・存在値1900! ほんの数秒で、300近く上昇! 異常事態! ――推測! ゴッドポイントを獲得している可能性あり! 神種は芽吹いていないはずだが……状況不明! 特異なスペシャルによる超強化の可能性大! 危険度修正……『SSSプラス』と判定。装備を変更する」




