52話 詳細は概要欄でチェック。
52話 詳細は概要欄でチェック。
「――なるほど……だいたい理解した。ようするに、ここは異世界ってことね」
(ユズ。貴様が復讐を果たさんとするのであれば、この世界を滅ぼしたあとで、転移する術を身につけなければいけない)
「それってどうやるの?」
(いくつか方法はあるが……どれも、『力と技術』が必要だ。今の貴様の存在値は、私の力を媒体にしているから900を超えている。だが、現状では、ただ数値が膨らんでいるだけで、魔力やオーラをうまく操ることはできないだろう)
「パワーはあるけど、テクニックが無いって感じ? ふぅん、なるほどね。了解。じゃあ、訓練しようか」
(話が早くて助かる)
「アタシ、バカじゃないから。ていうか、かなり賢い方だし」
(ただ、技術を会得するには時間がかかりそうだ。貴様は、なぜか、心と体のバランスが悪い……見たところ、『体』は『完全に再構築されている』が、『心』の方は、『つい最近まで、誰かの心に根付いていた』ようだ)
「? どういう意味?」
(私に聞かれても知らん)
※ユズは、日本で蝉原に殺されたあと、『心』だけ異世界に転生し、そこでも無残に死んで怨霊となった。怨霊となったユズは、『自分を助けてくれなかったセンエースの心』に憑りつき、以降、ずっと、センエースの心を苦しめ続けた。
バチャルの能力のおかげで、極めて完璧な『死ぬ前の肉体』を得ているが、心は、ずっと、センエースに憑りついていたため、現状、まったくバランスが取れていない。
★
「――こんな感じ?」
ユズは、バチャルの指導に従い、魔力を扱う術を学んでいた。
(素晴らしいぞ、ユズ。なかなかの才覚だ。おまけに、心と肉体が、凄まじい勢いで一致してきている。よし。では、そろそろ、本格的に魔法を使ってみ――)
と、そこで、
「そこのデスサイズを持った女! ここで何をしている!!」
本日の『霊廟見回り担当』に見つかって、怒鳴られるユズ。
ユズは、イラっとした顔で、『自分を怒鳴りつけてきた者』を睨んだ。
「私は、『栄えあるゼノリカを支える剣、愚連のS級武士デイガ・ヘルファイア』である! 抵抗は無駄だ! 大人しくその場から動くな! 刃物はアイテムボックスにしまえ!」
デイガは、S級3位の超実力者で、筋骨隆々の成人男性。
「神聖なる霊廟に、申請書も出さずに無断で入り込むとは……言語道断! 屯所にきてもらうぞ!! このバカめ!」
威圧的なその態度に、ユズはピキピキっときて、
「たかが存在値260程度の雑魚が……アタシにナメた口を利くなよ……死ね」




