48話 可決!!
48話 可決!!
全身から血が噴き出るんじゃないかってぐらいの圧力。
あと2秒味わったら廃人になる……と、心がレッドシグナルを鳴らしたところで、
「ぶはぁ!! ……はぁ! ……はぁ!」
センが呪いを回収したので、大事には至らなかった。
ミカンは、狂人を見る目で、センを見て、
「はぁ、はぁ……こ、これが……ひゃ、100分の1……?」
「あ、いや、うそ。盛った。実は10分の1」
慌てて、そう言いながら、心の中では、
(本当は、100億分の1ぐらいだけど……うん、黙っておこう)
そこで、パメラノが、極めて冷静なトーンで、
「ミカンよ。今、ぬしが感じた苦しみ……その10倍以上の重荷を、セン様は、我々を守るために背負ってくださり、その上で2垓年の時を積んでくださったのじゃ」
「……はぁ……はぁ……」
センを見る目が、
『狂人を見る目』から、
『宇宙的恐怖に怯える目』に変わる。
センは、そこで、苦笑いを浮かべ、
「いや、だから……違うんだよ。そういう言い方をすると、また誤解が生まれるだろ。さっき言ったように俺は――」
と弁明を開始しようとするセンを無視して、パメラノは、ミカンに、
「まだ、何か言いたいことがあるか? 再連323班のミカンよ」
「……い……いえ……もうしわけ……ありませんでした……」
「謝る必要なんてないぞ、ミカン! お前は正しい!」
「……」
★
――諸々を経て、結果、
賛成多数、『反対1(センエース票)』という、
セン的には見るも無残な結末に到る。
「ミカン?! なんで、賛成に入れた?!」
「……ぃや……だって……」
ミカンは目をそらし、脂汗を浮かべながら、心の中で、
(もう……わからない……怖い……っ)
神法改正は余裕で可決。
その後の臣民投票でも賛成派が92,1552%に達した。
こうして、『センエースを信仰しない自由』は完全になくなってしまった。
「ちょ、ちょっと待て! さすがに、これはダメだ! マジで、ちょっと俺にも歩み寄ってくれ! 分かった! 死ぬほどゆずって、『俺を信仰した方がいい』という流れにすることは許可する! けど、『信仰しない自由』は残せ! そうじゃないなら、自殺するぞ! 俺を殺すぞ! お前らの王がどうなってもいいのか! マジでこのブサイクを殺すぞ!」
可哀そうになるぐらい、支離滅裂をブン回し、ギャーギャーわめいた結果、
どうにか、神法は、以下の通りに書き換えられるだけで落ち着いた。
――『センエースを信仰するか否かは個人の自由だが、センエースを信じない者は、いくつかの公的サービスで制限を受ける。無閃論者の権利は認めるが、他者に無閃論を広めようとする行為には厳重な罰則が科される』――




