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第61話 嘘つき女神

「エリス、キミは何者?」


サフィアがそう問いかける。

もしかしてこれはマズいのでは?

エリスの正体がバレてしまうかもしれない!

学園に女神がいたなんてことが広まったら大変な騒ぎになってしまうだろう。


「何者って言われましても〜、私はただのセレスティアさんのルームメイトですよ♪」


しかし、エリスはまるで動揺していなかった。

だがサフィアの好奇心は止まらない。


「うん。それは知ってる。この前セレスティアの部屋にいたから。でもそれ以外は知らない。興味がある。キミも『時間停止オーバークロック』が使えるの?」

「そのなんとか?ってやつ、私にはよくわからないんですよね〜♪」


こいつ、堂々と嘘つきやがったぞ!


「ミーナさんの前から消えた時のことも、私にはよくわからなかったんですよ〜。いきなり目の前の景色が変わって……セレスティアさんに抱えられてて……」


しくしくと泣きだすエリス。

どうせ嘘泣きだろうけど。

そして手で顔を隠しながら、指の隙間からチラッと俺のほうを見てきた。

はぁ……そういうことか……

仕方ないな……


「そうでしたわね。あの時は急ぎの用事でエリスが必要でしたので、わたくしが抱えて連れて行ったんですわ。このわたくしと違ってエリスは当然『時間停止オーバークロック』なんて高度な魔法は使えませんから。そうするしかなかったんですわ」

「もう!あの時はびっくりしましたよ!事前に言っておいてくださいよぉ〜」


俺はとりあえずエリスに話を合わせてあげた。

なんか共犯者になった気分だが、こうしたほうが丸く収まるだろう。


「なんだ、そういうこと。つまんない」


するとさっきまで興味津々だったサフィアが、途端に興味を失った。

どうやら誤魔化せたらしい。


「でも時間が止まってる中、セレスティアに抱えられて移動するのは興味があるかも。擬似的な瞬間移動。今度やって」

「疲れるから嫌ですわ」

「そこをなんとか」


興味を失ったと思ったのにいきなり無茶なこと言ってきたぞこのエルフ。


「サフィア様……本で読みましたけど、あの魔法は魔力の消費が激しいらしいです……オークジェネラルの時も、セレスティア様はすごく魔力を消費していました……あまり無理を言わないほうが……」


リリィが助け舟を出してくれた。

ありがたい。


「そういうことですわ。……まあ機会があればやってあげますわ。クエスト中に追い詰められたときとか……」

「やったー」


そこは喜ぶところなのか?

時間止めて逃げなきゃいけない状況って相当ヤバいだろ!

まあ別にわざと追い詰められるとかはしないだろうしいいか。


「ん?ちょっと待って!?みんなオークジェネラルと戦ったの!?」

「うん。倒した」

「倒したの!?いいな〜、オークジェネラルのお肉っておいしいんでしょ〜?」


ミーナが羨ましそうに言う。


「ならミーナも今度一緒に食べます?まだ肉を受け取っていないので、わたくしたちも食べていませんから」

「えっいいの!?」


あんだけ大きかったんだ。

俺達だけじゃ食いきれないだろうし。

するとサフィアが不服そうに言う。


「私たちの食べる分が減る」

「あなたどんだけ食べるつもりですの!?わたくしたちだけでは到底食べきれませんわよ!?」


なんてケチなんだ!

食い意地を張るにもほどがある!


「あの……私はあまり食べられないので……その分ミーナさんに食べてもらうのはどうでしょう……?」

「まあそれなら」

「やったー!ありがとうリリィちゃん!サフィアちゃんとセレスティアちゃんも!」


ミーナが大喜びしている。

ここまで喜んでくれると、なんかこっちまで嬉しくなるな。


「おまたせしましたー!」


そんな風に会話していたら頼んでいた料理が来た。

ミーナとエリスが頼んでいた未知の魚もなんかぷくぷくしてて美味しそうだ。

今度俺も食べてみよう。

サフィアは特大の肉を頼んでいて、さっきまでの会話を忘れたかのように夢中になって爆食いしている。

相変わらずだな。

こうして色々な会話をしながら、それぞれ料理を食べ、ランチタイムが過ぎていくのであった。

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