第59話 いつものメンバー
そして翌日。
今日は授業があるので、いつも通りエリスに起こされる。
俺が「やだ……寝かせて……」とお願いしても「だめでーす♪」と毛布を引き剥がしてきた。
怒る暇もなく、いつも通り制服に着替えさせられ、眠気に耐えながら学園に向かった。
そして午前中の退屈な座学の授業をなんとか凌ぐのだった。
「今回はここまで。お疲れさまでした」
座学の先生がそう言って授業は終わった。
やっと終わったぁ〜。
実技と比べて体感時間が鬼のように長く感じる。
もっと魔法の練習がしたいなぁ。
なんかサフィアに思考が似てきている気がするがまあいいか。
そんなことを考えながら伸びをする。
「うぅ〜疲れましたわぁ〜」
「はしたないですよ〜♪」
「別にいいでしょうこれくらい」
隣に座っているエリスとちょっとした言い合いになる。
もう片方の隣に座っていたリリィはちょっぴり気まずそうにしていた。
そんなとき一人の少女に話しかけられる。
「セレスティアちゃーん!一緒にご飯食べよー!」
ミーナだ。
相変わらず元気だなぁ。
無限に体力があるんじゃないのか?
「いいですわよ。では食堂に行きましょうか」
特に断る理由もないのでミーナと一緒にご飯を食べることにした。
「リリィとエリスも一緒にどうです?」
せっかくだから二人も誘ってみる。
「私も行きましょうかね♪」
「ぜひご一緒させてください……!」
こうして四人でランチすることになった。
経験上昼休みはさっさと移動しないと面倒なことに巻き込まれかねない。
俺は申し訳ないと思いつつも三人を急かす。
「では早く移動しましょう。食堂が混んでしまいますわ」
「レッツゴー!」
ミーナもウキウキでついてきてくれた。
やっぱり元気っ娘だ。
エリス……はいいとして、人混みの中リリィとはぐれたら大変だ。
俺は自分の能力で見つけることができるが、リリィのほうは不安だろう。
そう思い、リリィの手をぎゅっと握る。
「!?セレスティア様……なぜ手を握るのですか……?」
リリィがなぜか恥ずかしそうにしている。
「?離れないようにですわ。昼時は人混みが多いでしょう?」
「そうですね……ありがとうございます……!」
リリィがぎゅっと手を握り返してきた。
なんか少し熱くなっている気がするが気のせいだろう。
「ちょっとセレスティアちゃん?早く行くんじゃないのー?」
「ミーナさん、だめですよ。お二人の邪魔しちゃ」
「どういうことー?」
エリスたちがなんか話していたが、それはさておき。
こうしてリリィと手を繋ぎ、エリスとミーナと一緒にさっさと食堂に向かうことにした。
そして食堂――
俺たちはテーブルに座り、それぞれ注文をする。
「わたくしは肉にしますわ!」
「もうセレスティアさん、いつも肉じゃないですか。たまにはリリィさんみたいにサラダを食べたらどうです?」
「でも肉が一番パワーがつきますわ!ミーナもそう思いますわよね?」
「うん!肉はパワーの源だよ!でも毎日肉はさすがになぁ……私はお魚にしようかなー。このバブルフィッシュの丸焼きで!」
そんな……ミーナの化け物じみた体力の源は肉だけではなかったのか!
しかし魚かぁ〜。
この世界に来てから魚なんて見てないし、バブルフィッシュってなんだろう?
めっちゃ気になる!
「バブルフィッシュってなんですの?」
「えっとねぇ〜、その名の通りぷくっと膨らんでるお魚だよ!焼くと身がふわふわでおいしいんだぁ〜」
へぇ〜そんなのもいるのか。
ミーナが凄く楽しそうに語っている。
おいしそうだなぁ〜。
しかし、今日はもう肉のテンションになっちゃったからまた今度頼んでみよう。
「私もミーナさんと同じくお魚さんにしましょうかね♪」
「私は……サラダでお願いします……」
エリスはミーナに便乗し、リリィはいつも通りサラダを頼んでいた。
そして料理を待っている時間。
「ていうかこのメンバーって前と同じじゃない?」
ミーナがふと思い出したように言った。
確かに言われてみれば!
俺にとっては、初めてこの学園でランチした時と同じメンバーだ!
まあ、まだ数日しか経ってないしこういう偶然もあるよな。
「そうですわね。でも数日前の話ではないですか」
「もうセレスティアちゃんはロマンがないな〜。運命的なやつかもしれないじゃん!」
「あなた意外とロマンチストですのね……」
ミーナの知らない一面を見た気がする。
「私は……また皆さんと食事ができて嬉しいです……!」
リリィが恥ずかしそうに、しかしはっきりと意思を伝えるように言った。
「そうですね、私も嬉しいです♪セレスティアさん、運命って言葉、とても魅力的じゃないですか?これも運命ですよ♪」
「ええ……?あなたもそんな感じですの……?」
エリスは相変わらず何考えているかわからないが、とりあえず楽しそうだった。
「まあそうですわね……このメンバーで食事するのも悪くない……ですわ……」
言った途端なんか恥ずかしくなってきた。
「もうこの話やめにしません!?なんか恥ずかしくなってきましたわ!」
「あっ、珍しく照れてる〜。かわいい〜」
ミーナがからかってきた。
またしてもミーナの知らない一面を見た気がする。
「ところでセレスティアちゃんってさぁ」
そう言って急に話を変えるミーナ。
切り替えはやっ!
「めちゃくちゃ高速で移動してるときない?」
「……はぇ?」
いきなり話が変わって俺は反応するのが遅れてしまった。




