第21話:ミリア、照準を定めて
中ボス《影の主グラーデ》を倒した悠斗とミリアは、通路の奥へと進んでいた。
第三層《魔灯の回廊》を突破した先には、次の階層へ向かう“転送の灯台”が浮かんでいる。
その灯台の周囲には、白い光の粒が舞っていて、戦いの疲れを少しだけ癒してくれるようだった。
「……ふぅ、無事に終わってよかった」
ミリアは腰に手を当てて、ほっと息をついた。
「本当に、よくやったな……助かったよ」
悠斗はそう言って、そっとミリアに手を伸ばした。
彼女も笑ってその手を握り返す。
その瞬間、灯台の光が揺れ、何かが出現した。
【クリア報酬を授与します】
■スキルカード:弱点看破
■装備:魔銃《フェイリス=スパーク》
「……スキルカードと……これは、銃?」
ミリアが近づくと、それは白銀に光る小型の銃――まるで魔導具と銃火器が融合したような、美しい武器だった。
銃口には淡い魔力の残滓が漂い、トリガーには“言葉の刻印”が浮かんでいる。
悠斗は鑑定スキルを起動する。
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【鑑定変換 Lv.3】
名称:魔銃《フェイリス=スパーク》
分類:魔導銃/魔力射出型
効果:属性弾を撃ち出す。初期属性:雷
補足:発射精度高/連射不可/言霊を装填すると効果変化
【スキルカード:弱点看破】
分類:知覚補助スキル
効果:敵を見た際、弱点部位が淡く発光して視認可能になる
持続:常時/ミリア専用/習得時自動適応
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「……これは、ミリア用の遠距離装備だな」
「うわぁ……かっこいい……!」
ミリアはその魔銃を両手でそっと持ち上げ、宝物のように見つめた。
その表情には、少女のような喜びと、戦士のような決意が混じっていた。
悠斗がカードを渡すと、ミリアは小さく頷いて、スキルカードを握りしめた。
光が彼女の額に吸い込まれると、目が一瞬だけ金色に輝いた。
「見える……悠斗、敵の“薄いところ”が……透けて見えるようになった……!」
「それが“弱点看破”か。凄いじゃないか」
「これなら、わたしにも……“後ろから支える役目”ができるかもしれない!」
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階層移動の転送装置が起動し、ふたりの身体を淡い光が包んだ。
新たな世界――第四層《結晶の渓谷》へと転送される。
そこは、空気そのものがきらきらと輝く、まるで宝石の洞窟のような場所だった。
壁や地面には無数の結晶が生えており、踏みしめるたびに光が揺れる。
「きれい……でも、油断しないでね」
ミリアが魔銃を構えて歩き出す。
彼女の背には、確かな自信が芽生えはじめていた。




