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第6話 全年齢指定の混浴温泉

 ニャルが装備を設定する為に、一回ログアウトした。一応、当分魔物は出てこないって言っていたが、大丈夫か?


 でも、クソゲーだから警戒はしておいた方がいいだろう。


 さっきゴブリンを倒したけど、ステータスとかアイテムとか増えたりしないのかな?


 えーと、ウィンドウを開けて……。

 うーん、レベルも1のままで、変化なしか。

 

 序盤だから、一体倒したらレベルアップしてもいいのに。



「あっ、虫が顔に」



 ペシッ



 こういうところは無駄にリアルなんだよなぁ。



(レベルが2にアップしました)


「どこで上がっているんだよ!!」



 虫でもレベルが上がるのかよ! 

 だったら、ニャルが来るまで虫倒してレベル上げまくるか?


 いや、途中で馬鹿馬鹿しくなりそうだからやめておこう。




 それにしても、遅い……。

 あれは? 馬車か? やっと来たか?

 多分、数十分ぐらいは経っているだろう。確か数分って言って無かったか?



「待たせたにゃ。でも、馬車を用意したから、アルテス村には早く着けるじゃろう」

「遅いわ! ゴブリンの時だったら、確実にゲームオーバーだぞ」

「エレンのこともあるからしょうがにゃいじゃろ」



 まぁ、確かに展開が変わったから仕方がないかもしれないが、このゲームってマルチ展開するって謳ってなかったか?

 それから、ニャルの数分は数十分ぐらいの場合があるということを覚えておいた方がいいだろう。



 こうして、しばらく馬車に揺られ、アルテス村に到着した。

 村と言うから、家屋やお店、畑なんかがあると思ったら、二階建ての建物が一軒しかない。

 


「これ村なのか?」

「まだ完成しておらん。そもそも村にする必要もにゃいからのう」

「この建物は宿か?」

「にゃーはっはっはー、違うぞ。ここは4部屋あってにゃ、ルームシェア出来るんじゃ」



 ルームシェア? いや、普通に宿でいいだろ! 



「じゃあ、温泉というのは……」

「ここじゃ。この建物は暮らしていける設備が整っておるぞ」

「ここで暮らすのか!?」

「しばらくここを拠点とするがよい」



 まぁ、拠点を持つのは悪くはないな。それにルームシェアが出来るならエレンさんと一緒に……。



「エレンさんも呼んでもいいのか?」

「好きにするがよい。ニャルも時々休ませてもらうからのう」

「休む?」

「このゲームは魂とリンクしておるからのう。ここで休めば魂も休めることににゃるんじゃ。魂は身体と精神に通じておるからのう」



 ゲームで休めるのは新鮮でいいんだけど、逆に言えばここで無理をすると魂通じて身体と精神に影響が出るかもしれないということにならないか?

 何となく、このゲームで死んではいけない理由が分かったような気がするぞ。



「それより龍二、さっさとにゃかに入って温泉に浸かるぞ」

「ニャルも入るのか?」

「混浴と言ったではにゃいか」



 ということは、エレンさんとルームシェア出来たら、一緒にお風呂に入れるということになるよな?


 これは楽しみだぞ。



「にゃーはっはっはー、にゃにを照れておるんじゃ。ニャルの裸でも想像したかのう」


「いや、エレンさんのを想像してしまった」

「にゃっ、りゅうーーじーー!!」

「やめろ! 叩くな!」



 何だよ! 妄想して欲しかったのかよ!



「早くにゃかに入るぞ、龍二」

「お、おう」



 ニャルに引っ張れるようにして、俺は中に入った。



「おおー!! 結構広い! これはログハウスだな」

「どうじゃ! 凄いじゃろ! 1階は共有で2階が各自の部屋ににゃるぞ」



 これはいいぞ! この大きなテーブルでパーティーのメンバーでご飯食べたり、くつろいだり出来たら楽しそうだ。

 

 それに木の家は癒される。



「4人ぐらいは住めるじゃろ。温泉で疲れを癒すのじゃ」

「おおー!! つい、クソゲーというのを忘れてしまいそうだ」

「クソゲー言うにゃー! 早く入るぞ」


 

 部屋の奥に進んで行くと、脱衣所があった。この脱衣所の奥に温泉があると思うが、脱衣所が一部屋しかない。



「ニャル、この脱衣所は男なのか女なのか、どっちだ?」

「言ったじゃろうが、混浴だと」

「脱衣所もか!?」

「そうじゃ。混浴じゃからのう」

「いやいやいや、それは違うだろ!」



 着替える時、まる見えになるじゃないか! 



「心配しなくても大丈夫じゃ。このゲームは制限が入っているからのう。性描写は全年齢指定ににゃっておるんじゃ」


「そんな設定だったらどうなるんだよ」

「まぁ、着替えたら分かるにゃ」



 そう言うとニャルは淡々と服を脱ぎ始めた。



「おい! こらー! 急に脱ぐな!」

「にゃーはっはっはー! 心配はいらにゃいぞ」

「おい!」



 ニャルが服を脱ぐと、どこからともなく光線が差し込み、ニャルの身体を守っている。多分、黒色の下着を履いているのかな? 分かりにくい。



「にゃーはっはっはー! どうじゃあ、凄いじゃろ!?」



 いやー、どういう意味で言ったんだろう? 

 下着を自慢しているのか? あんまり見えないけど。



「ちゃんと、見えにゃくなっておるじゃろう。だから、安心して脱ぐがよい」



 後者のほうだったな。ちゃんと、言った方がいいのかな?

 でも、ニャルはお構いなく下着を脱ぎ始めた。


 するとどうだ、ニャルの身体は脱いだ瞬間、濃い湯気みたいなものがかかり、身体は守られているようだ。

 これがもしかして、全年齢指定なんだろうか。



「おい、真っ白じゃないか」

「悪いことは出来にゃいぞ」



 でも、規制で見えないからといっても、幼女の前で全裸になるのは抵抗あるな。

 しかも、ニャルも白くて見えないが全裸だと思うと……。



「早く脱げー! 龍二! にゃにを恥ずかしがっておる」

「分かったよ」



 脱いだけど、ちゃんとニャルから見れば、白い光は入っているんだろうな?



「ニャルが、せにゃかをにゃがしてやるぞ」

「お、おう」



 ちょっと、緊張するなぁ……。



「にゃーーあ!」

「痛てーーー!! こらー!! 爪を立てるな!!」

「にゃーはっはっはー! これで痒みもにゃいじゃろ!」

「痛いわー!」



 絶対、背中に爪痕が残っているだろう。

 そして、身体を洗った後、ニャルと一緒に温泉に浸かった。



「どうじゃあ、気持ちいいじゃろ?」

「背中が痛いです」

「にゃーはっはっはー! この湯に浸かれば痛みもにゃくにゃるわい。それより、明日は魔法を伝授してやるからのぅ。よく休んでおくんじゃあ」


「お! いよいよ魔法を取得して、迷宮のダンジョンに行くわけだな。楽しみになってきた」


「そうじゃろ。ニャルオリジナルの魔法じゃからのぅ、楽しみにしておれ。にゃーはっはっはー!」



 やっぱり、不安だ。

お読み頂き、ありがとうございます。


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