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第2話 幼女天使ニャルエル

 俺が馬車に乗り込むとすぐに動き始めた。目的地であるシャーレックという町にケリーという美少女がいるみたいだ。これはちょっと楽しみだぞ。


 ニャルの可笑しな発想で変なものが混じっているかもしれないけど、一応ファンタジーの世界だから、ケリーという美少女と冒険が出来るかもしれないな。



「なんかいい感じになってきた。じゃあ、魔法もその内使えるようになるのか?」

「ふっふっふー、もちろん。しかも、剣も扱えるようににゃるぞ」


「おおー! いいぞ! そうこなくては!」

「期待しておるがいい。ニャルのオリジナルじゃからの」

「げっ、そうなの?」

「げって言うにゃー! ちゃんと戦えるようにしておるわい!」



 せっかく、いい感じになってきたのに、電車みたいなことにならないだろうな?

 もう普通でいいから、変にオリジナルとか出さないで欲しいね。



「ちなみにケリーという子は、NPCだよね?」

「そうじゃ、町にいる住人も大体NPCじゃ」


「プレイヤーはいないの?」

「まだあんまりいないのう。じゃが、エルフのプレイヤーにゃら一人おるぞ」

「おおー! エルフということは異世界人か!?」



 流石天界のゲーム。異世界人と交流が出来るかもしれないな。なんなら、エルフさんのいる世界に転移して、神様からチート能力を貰って、冒険でもいいんだが。



「龍二より、一足先に行っておるから、会えるかもしれんぞ」

「よし、急いで行こう! ん? ということは、ニャルが俺と同じように案内したのか?」


「いいや。それがじゃあ、本来にゃら、ニャルのアバターが出て、案内するんじゃがのう。にゃぜか、龍二だけエラーが出るんじゃよ。だから、こうしてプレイヤーみたいに登場したわけじゃ」


「あのナビか? 確かにエラーが出ていたな」

「安心せい。今後は時々じゃが、ニャルが直々にニャビしてあげよう」



 うーん、なんか心配だけど、ケリーという子も楽しみだし、エルフさんと交流するのも面白いかもしれない。

  


「そろそろ、着きそうじゃなの」

「結構早いなー」

「そうじゃろ、ニャルみたいにゃ可愛い女の子が一緒じゃと、そう感じるじゃろ」

「ロリコンの趣味はない」

「ロリコン言うにゃー!」



 どうやらここが、シャーレックの町みたいだが、うん、ちゃんとファンタジーしているな。よしよし。


 ここから見る限りでは電車みたいなことは無さそうだ。やっぱり、あれはただのニャルの趣味だけだったのかな?



「なぁ、このゲームはニャルだけで作ったのか?」

「そんにゃわけあるかー、天使は他にもおるわい。その内、他の天使からのテストの依頼も来るかもしれんじゃろ」


「そうなのか」

「楽しみにしておるがいい。まぁ、ニャルのが一番じゃろうが。にゃーはっはっはー!」



 もし、ニャルが一番だったら、伝説のクソゲーになるだろう。そして、クソゲー過ぎてプレ値になるんじゃないか? 



「ニャルの案内は一旦ここまでじゃ。ニャルは忙しいからのう。あとケリーに任せておけば、いい感じに話が進むじゃろ」


「分かった。確か、バーに行って赤い服を着た子だな」

「そうじゃ、カウンターに座っているはずじゃ。では、この『カルディア』を楽しむがよい」


「タイトル『カルディア』だったのか」



 馬車を降りると、ニャルは消えた。

 よし、バーに行ってケリーちゃんに会いに行こう。

 

 町並みも中世の田舎町という感じで、なかなか良さそうだ。今は夜だから、人々も仕事を終えたのか、少し浮かれてる感じがする。

 これがNPCなんだから凄い完成度だ。普通の人間にしか見えない。


  

 ここがバーかな? そんなに大きくない町だし、バーはここだけしか無さそうだ。


 早く、ケリーちゃんに会いたい。どんなタイプの美少女かな?

 NPCと分かっていても、少し緊張するな。


 よし、ドアを開けて……。


 そして、入らずにドアを閉める……。


 あれ? 俺なんか聞き間違えたかな? 

 カウンターに赤い服を着たゴリラ男が居たんだけど……。


 おいおいおいおい、ケリーって男かよ! しかも、ゴリラみたいな大男だったぞ。

 一応、念の為にもう一回見てみるか。


 うん、やっぱり、カウンターに座っているのはゴリラ男だ。それに隣に青い服を着たゴリラ男もいるぞ。一応、他の席も確認したが、美少女は居なかった。


 最初に出会うのは美少女が相場だろ!?

 バーだったら、チンピラに絡まれて俺が助けるみたいなイベントがあってもいいぐらいだ。


 これはあれだな。別に無理にパーティーを組む必要は無いよな?

 一応、このゲームは行動次第で展開が変わるから、ここでならなくてもまた別のキャラが出てくるかもしれない。


 俺はテストプレイヤーだから、あらゆる方法を試さないといけない。

 

 よし、バーを出よう。先にこの村を出たらエルフのプレイヤーさんに追いつくかもしれない。エルフさんを探そう!

お読み頂き、ありがとうございます。


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