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三馬鹿は選択を迫られる 〜4章: 勇者一行は不思議な運命へと誘われる〜 13話:リオとフィーニス親子

13話:リオとフィーニス親子


ヨルマ「おっ、奇遇だな御三方! 随分と疲れた様子であるな」

姫乃「ヨルマ……!? 何故ここに?」

リオ「何でここにヨルマがいるんだ?」

ダンジョンの外へ出てくると大きい袋を抱えたヨルマがいた。

ヨルマ「我は明日の薬草やポーションの材料を仕入れにこの奥にある洞窟に収集しに行っていてな。 その帰りってところだ」

アリス「へぇ〜。 ヨルマの店の商品ってって洞窟とかで材料採集してたんだ」

ヨルマ「うむ。 自給自足ってヤツだな」

リオ「お前は本当に何でも出来るんだな」

俺がヨルマに感心していると姫乃がヨルマの前へとやってくる。

姫乃「ヨルマ。 悪いね色々と助けて貰っちゃって。 助かったよ」

ヨルマ「なぁに気にするでない。 貴殿には世話になっているからな。 そのお返しだ」

アリス「私からもお礼を言わなきゃね。 ありがとうございますヨルマ。 コレで父を救うことが出来ます」

アリスはそう言うとヨルマに頭を下げる。

ヨルマ「気にするなと言ってるだろう? それにまだ効くかもわからんのだろ? 早く戻った方がいいのではないか?」

アリス「そ、そうだった! 2人共! 早くフィーニス城に戻ろう!」

リオ「おう、そうだな。 戻るとするか」

そうして俺達はフィーニス城へと……

ヨルマ「ちょっと待て貴様ら」

リオ「んぇ? どうしたヨルマ?」

俺はヨルマの呼び掛けに答え、後ろを振り返る。

ヨルマ「我は今ちょうど帰る所でな。 我は移動スキルが使えるからフィーニス城ならついでに連れて行ってやっても良いぞ」

リオ「マジで! お願いします!」

アリス「え!? いいの! やったぁ!」

姫乃「それは助かるよ! 頼む」

俺達はヨルマのそんな良心的な提案に甘え、フィーニス城へと連れてってもらうことにした。

ヨルマ「では、我に掴まっておくんだぞ? いいな?」

ヨルマはそう言うと手を突き上げこう叫ぶ。

ヨルマ「『空間転移』!」

その叫び声が聞こえると共に視覚がグニャっと歪み、目の前が白く……

ヨルマ「着いたぞ」

リオ「……えっ?」

目を開けるとそこには先程の木々が生い茂っている景色とは一変。 1時間前に見たフィーニス城がたたずんでいた。

アリス「ありがとうヨルマ! 助かったよ!」

姫乃「助かったよヨルマ。 今度また商品買いに行くよ」

ヨルマ「ふははは! 良いってことよ! じゃあ我はコレで失礼させてもらうぞ」

リオ「あっ、ちょっと…」

俺が言い切るよりも先にヨルマは再び空間転移を使いいなくなる。

アリス「どうかしたのリオ? まだヨルマに用でもあったの?」

リオ「いや、さっきの空間転移がどういう技なのか意味不明過ぎてさ。 聞こうと思ったんだけど……」

俺がそう呟くと姫乃が解説をし始める

姫乃「空間転移は移動スキルの中でも最上位スキルで習得難易度がとても高いんですよ。 他の移動スキルである『浮遊』や『テレポート』とは違い、知っている場所であればどこへだろうと行けちゃうスキルです。 あのスキルが使える人は今までヨルマ以外に見た事はないですね」

リオ「へぇ〜。 ちなみにテレポートってやつはどういうスキルなの?」

アリス「テレポートは1度行ったことのある場所を登録する事によってそこへ移動できるスキルだね。 空間転移とは違って登録できる場所が3つまでっていう制約があるんだよね」

リオ「なるほど……本当にヨルマは何でもありだな」

アリス「あの人は昔から何でもありだったから私達はもう今更驚くことは無くなったけどね。 ほら、早くフィーニス城に行くよ」

立ち尽くす俺にアリスは声をかけフィーニス城へと走っていく。

リオ「わかったわかった。 ……本当は丑三つ時っていつか聞こうと思ったんだけどな……」

姫乃「ん? 何か言いましたかリオ様?」

リオ「いや、何でもない。 早くアリスを追おうぜ」

首を傾げる姫乃を引連れ俺もアリスの後を追った。


アリス「いい?ここからは静かに頼むよ。 今はもう夜中の1時、みんな寝てる時間。 こんな時間にリオと姫乃が王室にいるなんてバレたら大問題…絶対騒がないでね。 ……特にリオ」

リオ「分かってるって。 しつこいなぁ」

エントランスホールでアリスから口酸っぱく注意を受けると、アリスは目の前にある階段をあがらずに何故か横の壁へと歩き始める

リオ「おいアリス、どこに行くんだ? そっちは壁だぞ?」

アリス「えーっと確かこれをこうして……ここを…えい!」

アリスが壁の窪みを順番に押していくと壁が動き、奥へと続く階段が出現する

アリス「ここを進んでいけばお父様のいる王室へと行けるはずだよ。 さ、行こう」

そう言うとアリスはそそくさと階段を上がっていく。

リオ「……さっきから男心をくすぐられるような仕掛けばっかりテンション爆上がりなんですけど」

姫乃「リオ様は本当こういうの好きですね…ほら、時間が無いんですから行きますよ」

そわそわする俺を姫乃が引っ張り、階段の奥へと進む。

階段をのぼると明かりが全くない真っ暗な通路へと出る

アリス「ほら姫乃、私に捕まって。 何も見えないでしょ?」

アリスは暗闇でおぼつかない足取りな姫乃に手を差し伸べる。

姫乃「ありがとうございますアリス様……ほら、リオ様も捕まって」

リオ「え? 何で? 姫乃の手の感触味わっていいって事?」

姫乃「何気持ちの悪いこと言ってるんですか……いい加減にしないとそろそろ本気で怒りますよ。 暗闇で前が見えないだろうから『暗視』スキルを持ってるアリス様が先導してくれるから捕まってくださいって言ってるんです」

リオ「いや、俺も暗視スキル持ってるから問題ないよ」

アリス・姫乃「「え?」」

リオ「え?」

アリスと姫乃の反応にオウム返しで困惑する俺に対し、アリスが驚いた表情をしながら俺に質問をしてくる。

アリス「暗視スキルは盗賊職限定のスキル……勇者であるリオには覚えられないはずなんだけど……」

リオ「……使えてますけど」

姫乃「……使えてますね」

アリス「……何で?」

「「「……」」」

暗闇の中、3人は沈黙にも包まれる。

アリス「ま、まぁリオは色々なスキル持ってるしなんか特別なんだよ! きっと!」

姫乃「そ、そうですね! なんかこの短時間で色々と不思議な事を目の当たりにしたせいで驚くにも驚けませんし、そういう事にしておきましょう!」

リオ「お、おぉぅ……じゃあさっさと行こうぜ。 お前のお父さんも待ってるだろうし」

アリス「そうだね。 まぁ諸々の話は後日みんなでするとしようか」

かくして俺達はアリスの案内の元 フィーニス国王、アリスの父親の所へと向かった。


アリス「着いた。 ここだよ、ここの扉を開けたら私のお父様がいる……いい? 静かにだよリオ」

リオ「分かってるって。 俺だってそれくらいの礼儀作法は分かってるっての」

アリス「今迄の言動と行動を見てるとそうとは微塵も思えないんだけど……まぁ信じるとするよ。 じゃあ入るよ」

疑いの目を浴びながらもアリスはそう言って他の扉にはついていない太陽のマークが描かれた扉を開ける。

リオ「……ッ!」

部屋に入るとそこには顔が真っ青でまるで死んでるかのようにベットで寝込んでいる人がいた。

リオ「この人が…アリスのお父さん……?」

アリス「うん……。 また一段と顔色が悪くなってる…きっと腐敗の呪いが進行してるんだ」

姫乃「国王様……」

近くで見ると顔はやつれて体は痩せ細っており、呼吸がとても浅い

リオ「おいアリス…これ本格的にやばいんじゃないか? 早くした方がいいんじゃ?」

アリス「そう…だね……姫乃、神代の器を」

姫乃「かしこまりました」

すると姫乃は大事に持っていた神代の器をアリスへと差し出す。

アリス「そのまま持っててね……リオ、はいコレ。 星のペンダント」

リオ「え? アリスがやるんじゃないの?」

アリス「前に言ったでしょ? そもそも神器の効果を無条件で受けられるのは神器に選ばれた勇者の血を引く者だけだって。 だからリオがやらなきゃ効果が発動しないの」

リオ「あー、そういえばそんなこと言ってたな。 よし、任せろ!」

俺はアリスから星のペンダントを受け取り、手の上にペンダントを乗せて神代の器へと向ける。

リオ「……」

アリス・姫乃「「……」」

リオ「……あの、どうすれば神代の器に効果を移せるんですか?」

アリス「……あっ」

姫乃「……確かに」

誰も知らねぇのかよ!

アリス「ちょ、ちょっと姫乃! なんで知らないの!? 予め聞いてたんじゃないの!?」

姫乃「え、えぇっと……盲点でした。 てっきり勇者様が星のペンダントを使えばその効果が勝手に神代の器に移るのかと……」

アリス「私もそう思ってたけど! ちょっとリオ! なんか勇者の力でどうにか出来ないの?」

リオ「無茶言うなよ…俺が名だけの勇者だってのはお前ら2人がよく分かってるだろ?」

アリス「うっ…何も言い返せない……」

姫乃「リオ様…私が言うのも何ですがそれで納得されて悔しくないんですか……?」

リオ「そうは言われてもなぁ……さっきのソルベとの戦いだって俺言っちゃえばトドメだけ貰った良いとこ取りみたいになってるし……」

そんなこんなで騒いでいると、ベットで寝ていたアリスのお父さんが目を覚まし……

フィーニス国王「……そこにいるのは…アリスか……?」

アリス「ッッッ!!! お父様!!!」

フィーニス国王「ゴホッゴホッ! ……すまないな迷惑をかけてしまって……私が不甲斐ないばかりに……」

アリス「そんな事ない! お父様に私達はどれだけ救われてきたか…! それにお父様! 私達お父様を救えるかもしれないんだよ!」

アリスはそう言って親父さんの手を取る。

すると俺を指さしアリスは……

アリス「ここにいるのがイェワンタウンから来た勇者リオ! 神器の1つの星のペンダントを持っててお父様の呪いをきっと払ってくれるから!」

リオ「えっ」

フィーニス国王「イェワンタウンの……勇者リオ…か……。 君の事はゲン君から聞いているよ。 そうか…君が星のペンダントの後継者なんだね……ゴホッゴホッ…すまないねこんなみすぼらしい姿で……」

リオ「いや、そんな事は……」

フィーニス国王「星のペンダントの効果を他者へ…分け与えるのは大変難しい技術が必要だ…だがリオ君……君ならできるはずだ……そして可能ならば私に星のペンダントの加護を…分け与えてくれはしないか……」

アリスのお父さんはそう言うと再び眠りについてしまった。

アリス「お父様……」

そう言いアリスがとても悲しそうな顔を……

リオ「……あーもう! やってやるよ! 見てろよ2人共!」

俺はそう叫ぶと星のペンダントを両手で包み込み、祈りを捧げる。

リオ(確か前にゲンが「星のペンダントは神器だから祈祷魔法と同じく祈りを捧げれば効果が発動する」とか言っていたはず…! 祈祷なんて使ったことないけど…俺なら……!)

姫乃「…! り、リオ様! 星のペンダントと神代の器が……!」

リオ「え?」

姫乃の声に反応し目を開けると、俺の手にある星のペンダントと姫乃の持っている神代の器から黄色い光が輝いていた。

リオ「な、なんだこれ?」

俺が唖然としていると神代の器の容器の中に突如水が注がれる。

姫乃「神代の器の中に水が…!? ど、どこから!?」

アリス「姫乃見て! 水がお父様の方に!」

神代の器に突如注がれた水が水球となってアリスのお父さんを包み込み、黄色の光がこの部屋を覆い尽くす。

リオ「眩しっ! な、何が起こってるんだ!?」

姫乃「目が…なんかずっと光に目やられてるような……」

アリス「……なんかごめんなさい」

そんな話をしていると光が収まり、そこには…

フィーニス国王「か、身体が軽い……! な、治ったのか……!?」

さっきの青白さはどこにいったんだと思うほど血色のいいフィーニス国王がそこに……

アリス「お父様ぁ〜!!!!!」

フィーニス国王「ごふぅっ!」

泣きそうな顔をしたアリスがフィーニス国王の胸元へと抱きつく。

アリス「良かった…! 本当に良かった……! 私もしお父様が治らなかったらどうしようかと……!」

フィーニス国王「心配をかけてすまなかったなアリス……だがもう大丈夫だ。 このとおり、元気いっぱい……げ、元気…いっぱい……」

アリス「……? お父様?」

アリスにもう心配をかけないようフィーニス国王が布団から起き上がろうとするが、再び布団へと倒れ込む。

フィーニス国王「か、身体が……また重くなって……」

アリス「えぇ!? もう体調良さそうだったのになんで……。 まさかまだ腐敗の呪いが…!」

リオ「ん〜……聖職者じゃない俺が言うのもなんだが多分もう呪いはかかってないと思うぞ。 もしまだ腐敗の呪いが残っているなら血色が悪くなるはずだからな」

アリス「じゃあなんで……」

姫乃「アリス様。 呪いは解けても今まで国王様は呪いに蝕まれていて体力を削られているんです。 きっと身体が重いのはその疲れが来ただけですよ」

アリス「なるほど! 確かにそうだよね……呪いは解けても今までの疲れが溜まってるもんね。 お父様、今日はひとまずゆっくり休んでよ」

フィーニス国王「あ、あぁそうだな。 そうするよ……」

アリスがそう言うとフィーニス国王は再び眠りにつく

アリス「すぐ寝ちゃった…やっぱりすごい疲れてたんだね」

姫乃「……アリス様。 今日はひとまずもう寝ましょう。 明日になれば国王様も元気になられていますよ」

アリス「うん…そうだね。 ひとまず今日はもう休もう。 みんなも疲れただろうし」

リオ「そうだな。 気づけばもう夜中の1時半だし早く戻って寝ようぜ」

姫乃の提案に賛同した俺達はそうして王室を後にした。


アリス「よし、戻ってきたね。 じゃあ明日になったら改めて集まろう。 場所とか時間は明日伝えるよ」

リオ「おっけー! じゃ、お疲れ様」

エントランスホールに戻ってきた俺達はアリスの言葉を聞き、解散し……

姫乃「リオ様。 ちょっと待って下さい」

リオ「え? 何?」

戻ろうとした所を姫乃に引き止められる。

アリス「……? どうしたの姫乃? まだ何かあった?」

姫乃「いえ、アリス様は大丈夫です。 あとはお部屋に戻られてごゆっくりお休みになられてください」

アリス「あ、え? わ、私は大丈夫なの?」

姫乃「はい。 大丈夫です。 リオ様だけで」

アリス「あ…そう……。 お、おやすみ……」

姫乃「おやすみなさいませ。 アリス様」

必要ないと言われたアリスは、少ししょぼくれた様子で階段をあがって行った。

リオ「……で? 何の用だ? 俺もう疲れたし寝たいんだけど……」

姫乃「リオ様、何か忘れちゃいませんか?」

リオ「……?」

俺が首を傾げていると姫乃は俺を手招きして歩いていく

リオ「お、おい! どこに行くんだよ!」

姫乃「はぁ全く…貴方のお仲間さん……ゲン様とカイ様がソルベを牢屋に連れて行ってくれてるの忘れたんですか?」

リオ「……あっ、そういやそうだったな」

姫乃「……はぁ」

リオ「そんなため息するなよ。 美容に悪いぞ?」

姫乃「誰のせいだと思ってるんですか! そもそも貴方のお仲間でしょう? 忘れないでくださいよ」

リオ「いやぁ〜悪ぃ悪ぃ」

姫乃「はぁ……ほら、さっさと行きますよ」

呆れた様子でスタスタと歩いていく姫乃の後を俺はついて行った。


To Be Continued→4章 14話

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