〜1章:勇者一行は魔王討伐へ旅立つ〜
〜1章:勇者一行は魔王討伐へ旅立つ〜
プロローグ
赤い月と黄色の太陽が照らす平和な国『イェワンタウン』。100年前、悪い魔王を討伐、封印した伝説の勇者一行が暮らしていた国。魔王が打ち倒されて以来魔の手によって脅かされる事もなくみんながみんな平和に暮らしていました。しかし、長年大人しかった魔物達が最近なり暴れ始め、そんな平和な国『イェワンタウン』に被害が及んでいました。そんなこともあってか国民の間ではこんな噂がたち始めていました。『もしかしたら長年封印されていた魔王が目覚めたのではないか』と…
そんなある日、イェワンタウンの王様が現代の勇者一行として名を挙げている国一の魔法使いの『クウギ・ゲン』回復魔法も使える格闘家『イズミ・カイ』そして100年前魔王を打ち倒した勇者の血を引く筋肉バカ『フィア・リオ』この3人を王様は城へ来るよう言い渡しました。そして、勇者一行がイェワン城へと赴くと王様は勇者一行にこう話し始めました。
王様「よく来てくれた勇者達!お主らも知っておるとは思うが今魔物達が凶暴化していて国民へ被害が及んでおる。きっと長年封印されていた魔王が目を覚ましたに違いない。そこでだ!お主たちには魔王を打ち倒してきて欲しいのだ!」
そう王様に言い渡された勇者リオは
リオ「えぇ…魔王討伐ですか……正直俺勇者の血は引いてますけど全然強くないんですよ。それに本当に魔王の仕業かも分からないのに魔王討伐なんてなんか魔王が可哀想じゃないですか。俺は反対です。」
勇者はそう屁理屈を並べて魔王討伐を反対しました。すると仲間の1人、魔法使いのゲンが焦った様子で
ゲン「おいバカ! 王様相手に何口走ってんだ! もうちょと言葉を慎め!」
リオ「えぇ……だって嫌なんだもん」
王様「勇者がそんなんでどうする!はぁ全く……わかった。 なら魔王討伐を無事成し遂げたなら1人1つ褒美をつかわそうではないか。 装備や道具も用意してやる。 どうだ?行く気に‐」
リオ「行きます」
王様「え? お、おお! そうか! よくぞ言った勇者リオよ。 だが最初にその元気な行きますを聞けてればワシも感激したんだがな…まぁ良いわ」
そうして勇者一行は魔王討伐を受ける事にしました。そして魔王討伐に成功した時の褒美をゲンは「医療研究施設」カイは「マイホームと道場」リオは「靴べら」を要求しました。王様から快く了承を得ることが出来た勇者一行は褒美と世界の平和と褒美と褒美を糧に魔王討伐へと旅立つのであった…
1話:勇者は決断力を求められる
魔王討伐を王様から引き受けた勇者一行は魔王討伐の為、平原を駆け抜け魔王の城へと向かっていきます。そんな中、仲間の1人の黒髪でフードに身を包んだ魔法使い、ゲンが話しかけてきました。
ゲン「なぁリオ。 お前は王様が言っていたココ最近の魔物凶暴化の件についてどう思う? 100年もの長い間大人しかった魔物達が突然暴れ出すなんてやっぱりおかしくないか? 本当に魔王が関係しているのか?」
リオ「ん〜わからん! まぁ何とかなるでしょう!」
ゲン「全く…お前は本当に呑気だな。 まぁ頼もしいと言えば頼もしいのか…?」
ゲンが呆れたように話すともう1人の仲間、綺麗な透き通るような青い短髪の少女カイが慰めるように
カイ「やっぱリオは前向きなのがいい所だからね! 細かい事は考えなくて良いのさ! 頼りにしてるよリーダー!」
そんな平和な会話をしながら平原の中を駆け抜けていると、あなたのスキル『敵サーチスキル』に反応がありました。
リオ「ストップだみんな。 敵サーチスキルに反応があった。 そこの草むら付近からしてるな」
ゲン「前まではこんな街の近くに魔物なんていなかったのにな…国民へ被害が及ぶ可能性もあるし、討伐しておくとしようか。」
カイ「そうだね。 で、敵は一体なんなのかな…?」
リオ「そっと近づいてみよう。 そうすりゃ出てくるだろう…え?」
『殺意のスライム』現れた!
いや、なんだこりゃ。いや、スライムなのは分かるんだ。でもこんな禍々しいオーラを放ったスライムなんて初めて見るんだけど……?!
ゲン「相手はスライムか。 油断さえしなければ余裕だろう。 パワービルド!」
ゲンがそう唱えると同時に俺の身体に力がみなぎる。
カイ「私も! クイックタイム!」
カイも魔法を唱えたのだろうか?俺の身体がとっても軽くなったように感じる。
ゲン「お前に攻撃力アップと素早さアップのサポート魔法をかけた。 コレで余裕なはずだ」
カイ「さ! やっちゃってよ!」
リオ「え、あ、おぉぅ…」
何コイツ、マジ怖い。俺の潜在本能がコイツには手を出すなと危険信号を出してる。本当にヤバイ、手を出したら死ぬ……ッッッ!!!!!
ゲン「……? どうしたリオ。 何かあったか?」
リオ「い、いや! 何も?! ただなんかこのスライム普通の個体とはちょっと雰囲気が違うなーって思ってさ」
カイ「確かに言われてみればなんか禍々しいような…? それにこんなにスライムって黒かったっけ?」
リオの言う通りこのスライムは異質でした。魔王の影響でしょうか?通常は水色の身体でぷよぷよしてる見た目のスライムが今勇者一行の前にいるスライムは黒く、禍々しいオーラを放ち立ち尽くしています。
大丈夫…俺はやれる…そう。俺はコレでも勇者なんだぞ?こんな所でやられるわけ…!
ゲン「おいリオ。 そろそろ攻撃しないとあのスライムからの攻撃が来るぞ!」
カイ「大丈夫だよリオ! リオならやれるよ!」
そうだ…俺には仲間がついてる。俺がやられたらみんなはどうなる。コイツは俺が…!
そうするとリオはスライムに向かって勢いよく走り始め…!
スライムの横を素通りし、仲間にかけて貰った支援魔法を頼りに爆速で逃げて行った。
ゲン「え? お、おい! リオ!!!!! どこに行くんだお前! おいカイ! 追いかけるぞ!」
カイ「うぇぇえ?! お、おぅ…」
仲間を置いて1人逃げたリオを追いかけ勇者一行は先へ進むのでした…
ゲン「はぁ…全く、逃げるなら逃げるでせめて先に言ってくれ…」
リオ「仕方ないだろ! 何故だか分からんけどスライム相手に命の危険を感じたんだよ!」
ゲン「じゃあ尚更だろ! そんな命の危険感じる相手を前に仲間残してお前一人で逃げるとか正気か?!」
カイ「まぁまぁ2人とも。 何事も無かったんだしいいじゃん! ほら、早く先進も!」
ゲン「まぁ…それもそうだな」
そうして勇者一行は先へ進む事にしました。
またしばらく進んでいくと辺りの木々が増えてきた事に気が付きました。
リオ「木々が増えてきたな…この先ってもしかして森か?」
ゲン「あぁ。この先は忍びの森。 何も知らない一般人がこの森に入ってしまうと迷ってしまったり魔物に襲われたり、入ったら二度と出ては来れない森と噂されている。 更に最近は盗賊が出るなんて言われている。 まぁ俺達なら大丈夫だとは思うがくれぐれも変な事はせず、油断しないこと…特にリオ! お前だぞ」
リオ「うぃ〜了解了解」
ゲン「全く…本当にわかってるんだろうな?」
失礼な者だ。コイツはどれだけ俺の事を信用してないの…か…?
なんだ?また敵サーチスキルの反応だ。魔物…じゃない、今までに感じたことのない気配だ…!
カイ「リオ? どうしたの?」
リオ「いや、なんか敵サーチスキルに反応が…?!?!」
き、消えた!すぐ近くまで反応が来てたのにいきたり消えた?!
ゲン「お、おいどうしたそんなに慌てて。 何かあったんだろ? 教えろ」
リオ「あ、あぁ。 今敵サーチスキルに反応があったんだが急に消えてさ…おそらくまだ近くに俺達に敵意を持った何者かがいるだろうから気をつけていこう」
ゲン「ま、マジか…全く分からなかった…やっぱり敵サーチスキルは頼りになるな。 了解した。 より一層注意して進むとしよう」
カイ「やっぱりリオは頼りになるね!」
かくして勇者一行は忍びの森へと歩みを進めていくのであった……
???「あの3人が勇者一行…そしてあの男が代々の勇者の血を引くもう1人の勇者リオ…」
???「さて、行くとするかな」
To Be Continued→2章