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はじめに「剣と精霊と人世界」
『経過記録』
入学を済ませてから一週間が経った。
結局のところ俺、セント=ゲルンタルスは既に絶望している。
それは、精霊と聖剣、人間の総力を組み合わせた三種の神器、つまり「聖剣技法」の総本山である王都の学び舎が、俺が危惧した以上に期待外れなものだったから。というわけではない。
とりあえず実践的な収穫は皆無に等しいが、かろうじて気安い人間関係を知れた。
それだけでも上々だといったところか。
次の聖剣祭の前には一度、家には戻るつもりでいる。
以上。