巨人ブラフの物語
昔、山のように大きな巨人がいた。
巨人は海の向こうへ渡ろうとしたがその体は重く水底へと沈んでしまう。
巨人は海の水を全て飲み干そうとしてみたが土台無理な話だった。
巨人は少ない頭で考えた。
この体がより大きくなれば海の水を飲み干せるのではないかと。
巨人は森を食い、土を食い、岩や火を食って川の水を飲み干した。
そうして山よりも大きくなった巨人は今度こそ海の向こうへ渡ろうと海の水を飲み干そうとした。
それでも海の水を飲み干すことはできなかった。
巨人は海の水の塩気に当てられて渇きを訴えたが既に川の水は飲み干した後だった。
巨人は飲み水を求めて彷徨い失意のままこの世を去った。
巨人の足跡に雨が降り、溜まった水が塩湖となった。
これがが巨人ブラフの物語である。