ペンギン三兄弟 〜 48話 守ろうよソーシャルディスタンス の巻
ペンギン三兄弟
チャン・・・性格は几帳面。声がいいが顔がデカい。
サングラスをかけている。つぶあんが大好き。
ドン・・・体はちっちゃいが、器用に何でもこなす。
収集癖あり。
ゴン・・・ド天然。普通のことが超不器用。
日々体を鍛えてる。ゴジラが大好き。
ペンギン三兄弟、チャン、ドン、ゴン。
今日も仲良く暮らしています。
3羽はリビングでテレビを見ていました。
チャン「ちまたでは、ソーシャルディスタンスってよく言ってるけど、オレたちもディスタンス取ったほうがいいんじゃない?」
ドン「そうだね、出来るだけ自分の部屋にいることにする?」
ゴン「いいけど、話したいときどうする?」
チャン「フフフ、そんなこともあろうかと、いいもの作ったんだ」
ドン「え、いいもの?なになに?」
チャン「じゃーん、いとでんわ〜」
チャンは、糸でつないだ紙コップを取り出しました。
ゴン「そんなドラえもん風に言っちゃって、ただのいとでんわかよ」
チャン「何をおっしゃる、これなかなか便利だよ。遠く離れてても話ができちゃうんだから」
ゴン「しょうがないなあ、じゃあちょっと試して見るか」
チャンとゴンは、それぞれの部屋に入って、いとでんわの紙コップを耳にあてました。
ドン「両方とも耳につけてちゃダメだよ、どっちかが話さないと」
チャン「あ、そっか。おーいゴン、聞こえるか?」
ゴン「おーい、チャン、聞こえるか?」
ドン「あはは、今度は両方でしゃべってる」
ゴン「ダメでしょ、これ、使いにくいよ。ずっとひっぱってなきゃならないし」
チャン「ダメかあ、いいと思ったんだけどなあ」
ドン「そもそもボクとゴンはスマホがあるから、話できるんだよね」
ゴン「チャンとどうコミュニケーション取るかが問題だなあ」
チャン「・・・」
ドン「じゃあ手紙は?」
ゴン「同じ家にいて手紙でやり取りするの?」
チャン「それいいね、情緒があっていいじゃん」
ドン「手紙を紙ひこうきにしてさ、チャンの部屋に飛ばすのってどう?」
ゴン「ああ、いいね、おもしろそう」
早速、ドンとゴンは、紙ひこうきをチャンの部屋めがけて投げ始めました。
チャンは次々に飛んでくる紙ひこうきを広げて、手紙を見てみました。
「チャン、なにか飲み物買ってきて」
「チャン、肩もんで」
「チャン、お風呂掃除しといて」
「チャン、これなんと読む?『母音』」
ろくなことが書いてありません。
チャン「おいおい、もう飛ばすのやめて。手紙いらないから」
3羽は、しばらくそれぞれの部屋で過ごしました。
チャン「ひまだから、リビングでテレビ見よ」
チャンがリビングに行くと、
テレビの前には、ドンとゴンがいて
お笑い番組を見て、笑い転げていました。
チャン「あ、ドンもゴンもズルイよ、ずっとテレビ見てたの?」
ドン「だってひまなんだもん」
ゴン「テレビここしかないしな」
チャン「じゃあ、誘ってくれればいいのに」
ドン「もう手紙いらないって言ってたじゃん」
チャン「そこは声かけてくれればいいでしょう」
ゴン「ねえ、さっきの手紙でクイズ出したんだけど、あれ何て読む?」
チャン「ああ、ハハにオトと書いて、ぼおん」
ゴン「あははは、やっぱまちがえた〜」
ドンとゴンは笑いころげ、チャンは頬を赤くしました。
3羽の間で、ソーシャルディスタンスを取るのは
ちょっとむずかしいようですね