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俺の休日は今日もつぶれる

「これは・・・夢なのか・・・・」

 俺の隣には黒髪ミディアムヘアの女の子が寝そべっている。

 ゆっくりと手を伸ばし、その子の髪に触れる。

「これは・・・夢じゃない!!」

「・・・。キャアアアーーー!!」



 時をさかのぼって数時間前。午前9時。

「おにいちゃ~ん、先輩たち来たよ~」

 まだ意識がはっきりしない朝、千代がそんなことを言っていたのが聞こえた。

「う~~ん、入れといて・・・」

 はっきりとは覚えていないが、そんな風に答えた気がする。

「りょうか~い」

 スタスタと玄関に向かう千代。

 俺が覚えているのはそこまでだ。

 次に起きたときにはなぜか、板谷が俺の隣で寝ていたのだ。




 俺は赤く染まった頬をさすりながらリビングの椅子に座り、尾朝に聞いた。

「それで、俺は板谷に何をしたんだ」

 テーブルをはさんで向こう側には尾朝と木村、板谷とよこななが座っている。

「それはもう大胆なことを」

 尾朝がそこまで言ったところで、板谷が尾朝を睨みつけた。

「あー、いや、そこまで変なことはなかったぞ」

 尾朝はどうやら圧力がかかっているらしい。

「まあ簡単に説明すると」

 そこでよこななが話を割って説明を始めた。



 よこなな一行は今日、料理大会をする予定だった。

 その会場としてなぜかうちが選ばれたわけだが、俺はそのことをすっかり忘れていた。

 それでまだ夢の中にいる間に、千代がみんなを家に通したわけだが。

「あれー、日向君まだ寝てるの?」

「そうなんですよ~、今起こしますから」

「あー大丈夫だよ千代ちゃん。日向君も疲れてるだろうし」

「そうですか?」

 そういってみんなはリビングの椅子に座った。

「全く私の上司はー。私に朝から書類整理をおしつけておいて」

 板谷は荷物を椅子において、俺が寝ているベッドに近づいた。

「そういえば、だには日向のとこでバイト始めたんだよな」

 板谷は尾朝や木村に、いただにの語尾をとって「だに」と呼ばれている。

「そだよー。面倒な仕事押し付けられるし、今朝だってめちゃ早起きさせられたし」

 板谷は大きくあくびをした。

「でも給料そこそこくれるし満足満足」

 俺の隣に座り込んだ板谷は、布団を少しめくって俺の顔を布団からだし、ぺしぺしと顔をたたいている。

「起きろー社長!」

「厄介な部下だな」

 木村がスーパーの袋の中身をテーブルに出しながら言った。

 料理大会をするだけあって、テーブルの上にはみんなが来る途中で買った食材が次々と置かれている。

「う~~ん」

「え? なんか言った」

 板谷は俺の口元に耳を近づけた。

 次の瞬間、板谷は俺に手をつかまれ、そのまま体を倒した。

「きゃあ!」

 寝ぼけている俺につかまり、そのまま布団の中に引きずり込まれる板谷。

「た、助けて!だれか!」

「だにと日向がまたイチャついてる」

「ほんとだ」

「お兄ちゃん、板谷先輩のこと好きなんですね」

「違うーーー!!」

 板谷の声は届かず、そのまま抱き枕にされている。

「ちょっと日向君起きて! あ、こら、そんなとこ触らないで!」

「お兄ちゃん寝相悪いですからね~」

「千代ちゃんそんなところで見てないで助けて~」

「そうですね。そろそろかわいそうですし」

 千代は俺の鼻をつまみ、力強く握った。

 そこからは冒頭の通りだ。



「結局俺は板谷に何をしたんだ!」

 みんなはそろって目をそらし、

「さあ、料理大会始めるか~」

 と言い出し、各々動き出した。


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