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ダンジョンで借金を返済することになった男の物語  作者: 光晴さん
出会いと別れのダンジョン探索

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第97話 仕切り直し




「支援魔法『消臭』!」


俺たちの周り半径十メートルの範囲の臭いが消えた。

これで、何とか戦える。


ネクロマンサーのエメロアとの戦いは苦戦していた。

エメロアの死霊魔術によって生み出されるゾンビやアンデッド、さらに骸骨や骸骨の剣士など数も多ければ質も高かった。


そして何より、生み出されたゾンビやアンデッドの臭いが最大の敵だった。


確かに、ゾンビやアンデッドは生物が腐ったものだ。

悪臭も相当なもの、ジョゼフさんの支援魔法に『消臭』が無かったらと思うとゾッとする。


また、数による攻めに苦戦していたのも事実だ。

実は、こちらには聖属性の範囲攻撃ができるものが俺以外にいなかった。


もちろん、聖属性を使える魔法使いはいる。

それは、ドロシーとカレンだ。だが、彼女たちの聖属性魔法に範囲攻撃できるものはなかった。


また、妹の楓と大塚詩織の攻撃に上空から柱のような杭を落とす攻撃があったが、これを聖属性魔石に変えて行っても聖なる杭が上空から落ちてくるだけで、範囲攻撃にはならなかった。


まあ、ダンジョンの罠の落ちてくる杭を攻撃に利用したものだからしょうがないのだろうが。

でも、聖なる杭を打ち込むことでうれしい誤算もあった。

それは、エメロアの死霊魔術で呼び出せるゾンビやアンデッドなどの死霊の数が激減したのだ。


これはおそらく、聖属性の物がこの場所に増えたため死霊魔術の力が弱くなったためだろう。


『ホホホ、なかなかやるではないか?

でも次はどうするの?私の研鑽してきた死霊魔術は、無敵なのよ?!』


そう言うと、再び両手を広げ素早く詠唱をすると死霊魔術を発動させた。

すると、二つの魔法陣がエメロアの両側の地面に出現し、そこから悪魔が出現した。姿は蝙蝠のような羽が生え、尻尾がある典型的な悪魔そのもの。


『死霊魔術を研鑽していく過程で、悪魔との契約ができるようになってね?

ついつい契約をしてしまいました♪さあ、行きなさい!』


軽い口調で、ついつい契約したなんて言うな!

悪魔二体は、翼を広げ上へ飛び立ち、上空で待機する。

そして、みんなが戦っている戦場の全体を見渡すとニヤリと笑い、詠唱を始めた。


「あの悪魔、あそこから魔法を?!」

「私に任せてください!」


そう言ったのは、狙撃銃型の魔導銃を構えている杉本麻美だ。

魔導銃に取り付けたスコープを見ながら、引き金を引く。すると、乾いた音が響いたと思ったら上空で詠唱していた悪魔の頭が吹き飛んだ!


杉本麻美はすぐに、ボルトを操作し次の魔力タンクの薬莢を装填後、すぐにまだ詠唱を続ける悪魔に向けて引き金を引いた。


再び響く乾いた音とともに、残りのもう一体の悪魔の頭が吹き飛び悪魔二体は消えていった。透き通った緑色の魔石を地面に残して……。


「す、すごいっス……」

「お母さん、あの魔導銃を使いこなしてるじゃない……」


次々と生み出されるゾンビやアンデッドや骸骨を相手に戦っていた、長谷川大輝と杉本美月が杉本麻美の狙撃の腕に驚いていた。


「次はあなたです!伊藤さん!!」

「待ってました!『ホーリードリルロード』!」


再びボルトを操作し次弾を装填した杉本麻美が、前方に向けて構えをとると伊藤拓也に合図を出した。

その合図を受けて、伊藤拓也はドリル魔法の散弾銃型の魔導銃を構え杉本麻美の前方にいる邪魔なアンデッドなどに向けて発射!


聖属性のドリルは、邪魔なアンデッドやゾンビ、骸骨などを蹴散らしてエメロアまでの道を切り開いた。

そして、聖属性のドリルはエメロアに当たるとガラスが砕け散るような音をたてて、エメロアに施されていたシールドを撃ち砕いた。


『残念、シールドに阻まれっっ!!!』


エメロアは最後までセリフを言うことができずに、頭を撃ち抜かれた。

杉本麻美の聖属性ショットは、エメロアの額の真ん中に命中し後頭部を吹き飛ばした。


驚きの表情のまま仰け反るエメロア、しかし、まだ魔石に変わっていない。

そう、まともに頭を吹き飛ばしたのにもかかわらず、エメロアは死んでいない……。



『……フ、フフフ、アハハハ!!

これが、死ぬという感覚なのですね……素晴らしいわ……』


顔を降ろしたエメロアの表情は、興奮しているようで頬が少し赤くなっていて笑顔だった。そして、俺たちが唖然としている中、すぐに詠唱を終えると治癒魔法が発動しエメロアの後頭部や額の弾痕が元に戻った。


「彼女は不死身か?!」

「違うわ!伝承ではネクロマンサーは複数の命を持っているよ!

だから、あんな復活ができるのよ!」


伊藤拓也が絶望の叫びをあげると、すぐにシャーロットがネクロマンサーの秘密を教えてくれる。

しかし、複数の命があるならやることは一つ。


「なら、その命尽きるまで、殺したるで!」

「その前に、スザンヌとルーシーに聖水をお願い!

押し寄せてくるゾンビたちを、止めれなくなっているわ!」


気合を入れ直す高橋健太と違い、鈴木桜子は前衛で壁役を果たしてくれているスザンヌとルーシーの心配をしていた。

先ほどから、押され気味になっていたのだ。


「私が聖水を……」


そう言って、前に出ていこうとした小西葵を止めたのは俺だ。


「小西さん、待って!」


そう言って止めると、俺は素早く左の腰の自動拳銃型の魔導銃を抜くと、スザンヌとルーシーの前方に向けて撃った。

すると、スザンヌとルーシーの目の前に聖壁が出現しゾンビたちを止めることができた。


「小西さん、一分ともたないからすぐに聖水を!」

「は、はい!」


しかし、次から次へと押し寄せるゾンビたちを長く止めることはできず、俺の言ったとおり一分ともたずに聖壁は砕け散った。


が、小西葵の聖水は間に合った。

再び力を取り戻し、スザンヌとルーシーは壁役を続ける。



『さぁ、仕切り直しよ!!』


そこへ、両手を広げたエメロアが叫んだ……。







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