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ダンジョンで借金を返済することになった男の物語  作者: 光晴さん
出会いと別れのダンジョン探索

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第94話 助けてほしい




この世界の奴隷制度は、買いではなく雇いとなっている。

つまり、時間給が発生する。

ただし、このルールが適応されるのは借金奴隷のみで、他の犯罪奴隷や違法奴隷にはこれが当てはまらない。


また、奴隷には買いと雇いで夜の相手ができるかどうか決まる。

買いの奴隷は夜の相手ができるが、雇いの奴隷は夜の相手ができないとなっていて、もし夜の相手を強要すると主人である雇い主の方が奴隷落ちになることもある。


基本、雇いの奴隷は月に金貨一枚で契約されるが、主人である雇い主の裁量で増やすこともできる。

また、ダンジョンなどで発生するお宝の分配は主人である雇い主の裁量に任されていた。



「そっちの壁、怪しくないっスか?」

「う~ん、どうだろうな……」


今日は、臨時とはいえ新しく加わったメンバーの力量を見るということで、ダンジョンの二階層をあちこち探索している。

会議室で解散した後、奴隷たち三人の装備は通常の物を購入した。


何か特別な、魔剣だの盾だのは購入していない。

スザンヌ、ルーシー、シリアのそれぞれのレベルや実力を考えての購入だから、戦いにくいということはないはずだ。


「高橋殿、いつもこのような探索をしているのですか?」

「ああ、俺たちは通路の怪しいところを探索しとるよ。

こんなことして、結構、儲けとるしな」


新しく加わった魔法使いのジョゼフさんは、いつもの仲間とのダンジョン探索との違いにリーダーの高橋健太に質問している。

こんなことをしていて、儲けが出ていることにも驚きのようだが……。


「こんなところを調べるより、もっと下層へ行った方がいいのに……」

「シャーロットさん、ここは違うパーティーなんですから……」

「分かっているわよ。でも、こんな探索に意味なんて……」


同じく新しく加わった魔法使いのシャーロットとドロシーも、『魔導ガンナーズ』のダンジョン探索に驚いている。

そして、カレンだけは頷きながら笑顔で俺たちのやり方を見守っていた。


どうやら、カレンは俺たちのダンジョン探索を肯定してくれているようだ。


「あった、これだ!

……シリア、ちょっと来てくれ」


俺が壁のくぼみで見つけたのは、何かの文字が書かれたパネルだ。

そのパネルは、くぼみというより壁に埋め込まれていて何が書かれているのかわからなかった。

そこで、斥候のシリアに任せてみようというわけだ。


「これは……ちょっと待ってください」


そう言うと、シリアは懐から『ステータスデバイス』を取り出すとパネルへかがしてみる。すると、大きな何かがはまる音が聞こえたと思ったら壁が左へとスライドし始めた。


「な、な、何?!」

「シャーロットさん!壁が、壁が開いていく!!」


気配ゴーグルで調べると、ここには魔物の反応はなかった。

ならば、中には何があるのだろうか……。


「一応戦闘準備や!スザンヌ、ルーシー、前衛を頼む!支援魔法は今のうちや!他はそれぞれで配置につきや!」

「お任せください!」

「が、がんばります!」


高橋健太の指示が飛び、魔法剣士のスザンヌと重剣士のルーシーが先頭を行く。

そこへ、ジョゼフさんの支援魔法が飛び、俺たちは自動小銃型の魔導銃を構えて中へと入っていった。




俺たちが入ってきた所は、人二人分ぐらいの入り口だったのに中はちょっとした神殿並みだ。

横幅だけで、おそらく五十メートルぐらいある。

そして、その左右の壁に中世の甲冑が槍を持って飾られてあった。


「……これ、中身は無いっスね。ただの飾りのようっスよ」

「この通路、横幅もすごいけど天井高いね~」


飾られていた甲冑を調べた長谷川大輝が、ただの甲冑と確信すると、妹の楓が上を見上げて驚いていた。


「とりあえず、先へ行ってみんか?何かあるかもしれへんで?」

「そうですね……」


高橋健太が促し、杉本麻美が賛同して全員が前へ進んで行く。

もちろん、油断などするはずもなく、いつでも何かあった時のために戦闘態勢は崩していない。



そして、しばらく進んだところで六角柱の台に置かれた宝箱を見つける。

高さは一メートルぐらいの六角柱だ。その上に宝箱だから、何かの罠か?とシリアに調べてもらった。


「……罠はありません。ただ、ここの台座に何か書かれています」

「台座に?なんだろう……」


シリアに指摘され、俺は台座に書かれている文字を読み解く。


「えっと、この先にさまよう者たちを助けてくれないだろうか?

ある魔物にとらわれ、逃げることができないのだ。

報酬はこちらで用意する。もし受けてくれるなら、この宝箱を開けてくれ、だって」


「さまよう者?その者たちを助ける?どういうことでしょうか?」

「う~ん、さっぱりわからへんな~」


俺が読んだ文字に、杉本麻美が考え、高橋健太には理解できなかった。

でも、こういう場合さまよう者はゴースト系がお約束だ。

ということは、この文字を記した人?ではこの先に捕らわれているゴーストを救うことはできなかったと。

で、捕らえているある魔物が強く、誰かに頼らないといけないためこうしてお願いしていると……。


「ここに台座と宝箱があるのは、警告の意味もあるのだろうな。

この先の魔物と、何も知らないまま対峙しないように……」


ジョゼフさんは、この文字の意味が分かったようだ。

なるほど、確かにココにこれがあるのは警告の意味もあるんだろうな……。


「どうします?高橋さん。

これ、あきらかにココを通る者への依頼ですよ」

「フム……。宝箱の中身は分かったんか?」


宝箱を開けて、中身を確認していたシリアに声をかける。


「中身は、聖属性の魔石が二十個。

それと、何かの液体が入った瓶が二十個ありました」

「聖属性の魔石があったっちゅうことは、瓶の中身は『聖水』で決まりやろな……」


……ここまで用意してくれていたのなら、受けるしかないか?

それとも……。

俺たちは、リーダーである高橋健太の決断を待った。








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