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ダンジョンで借金を返済することになった男の物語  作者: 光晴さん
出会いと別れのダンジョン探索

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第91話 元の世界へ




グレネードランチャー型の魔導銃の購入を悩んでから二日後、『戦乙女の盾』を含む『ニベランチェ』の住民救助のための参加者たちが出立式を行い、このダンジョンを出ていった。


『戦乙女の盾』のみんなを見送りに行った俺たちは、そこで日本人で参加したガンナーを見ることになる。

杉本親子を追い出した男子大学生たちの他にも参加していているみたいだ。


たぶんこの参加した地球人の中には、打算から参加した人や自身の正義から参加した人もいるのだろうな、と俺は出立していく人たちを見ていた。



見送りが終われば、今度は探索者ギルドで中川明日香の返済終了の手続きだ。

この返済終了手続きを負えれば、彼女は日本へ帰ることができる。


この世界に来た時と同じように、手続きを行った日本にある店舗に戻るわけだ。

その後は、その店舗で手続きを行いこっちで稼いだお金を日本円に変換、振り込みか現金かでもらって自分の家に帰るというわけだ。


そして、再び借金を負わない限りこの世界にやってくることはないらしい。


「明日香さん、娘さんを大切にね?」

「はい、ありがとうございます麻美さん……」


中川明日香と杉本麻美が抱き合い、別れを惜しんでいる。

その周りには、田辺美咲や小西葵、そして杉本美月が別れを惜しんで泣いていた。


「にしても、日本とこっちは自由に行き来できんかったんやな……」

「高橋さん、知らなかったんスか?」

「おう、分からんかったわ」


……まあ、こっちに来てから余裕なんてなかったからな。

借金返済のために、ダンジョンで戦うしかなかったし……。


「明日香さん、おめでとうございます。

日本に帰ったら、思いっきり娘さんを抱きしめてあげてくださいね!」

「うん、ありがとう楓ちゃん」


妹の楓も大塚詩織さんも、中川明日香との別れを惜しんでいる。

そりゃあ、一緒に戦った仲間でもあるし思い出もあるか……。


中川明日香が、女性たちとの別れを済ませると俺たち男性陣の方へ近づいてくる。

そして、一人一人握手をしてお礼と別れの挨拶を済ませた。


「本田さん、今日までありがとう」

「それは俺のセリフですよ、中川さん、ありがとうございました」


俺たちは、お互いにお礼を言って笑顔で別れた。

そして、最後に女性たち全員で抱き合い涙を流す。


「……では中川さん、この扉の端にあるココに、あなたの『ステータスデバイス』を差し込んでください」

「はい……」


ギルド職員の薄い青色の髪の女性が、扉の上部にある端の所の差込口を指さしてやり方を説明する。

中川明日香は、そのやり方に沿って『ステータスデバイス』を差し込んだ。


すると、その差込口から一気に扉の色が変わったのだ。


「おお!」

「うわ!」

「すごい……」


驚きの声が上がる中、ギルド職員の女性は淡々と次の説明に移る。


「では、中に入ったらこの世界で手に入れた荷物すべてを置いて、最初の時の服装で待っていてください。

すぐに、向こうから中川さんをこの世界へと送り出した受付の者が訪ねてきますので、後はその者の指示に従ってください」

「分かりました」


そう言うと、中川明日香は扉を開け、俺たちの方へ向くと一礼して扉の奥へと消えた。俺たちは閉まった扉を、少しの間じっと見ていた……。




「さて、これで送り出しは終了です。何か質問はございますか?」


ぼーっと扉を見ていた俺たちを、現実に戻してくれたのはギルド職員の女性の声だ。とりあえず、この扉について聞いてみるか。


「ほんなら、ええか?

この扉って何なん?『ステータスデバイス』を差し込んだら色が変わったし……」


「この扉は、『異空間コンテナ』といいます。

この差込口に、皆様が持っているそれぞれの『ステータスデバイス』を差し込むことで専用の倉庫に変わるというものです。

しかも、その『ステータスデバイス』が鍵の代わりとなり、『ステータスデバイス』の持ち主以外が開けることはほぼ不可能なのです」


ん?ステータスデバイスがあれば開けれるのなら、本人が使わなくても開けれるんじゃないのか?

例えば、高橋健太のデバイスを俺が使っても……。


高橋健太も俺と同じ考えだったようで、職員の女性に質問する。


「『ステータスデバイス』に最初に触れたとき、手で画面を触れませんでしたか?

あれは、みなさまの魔力を登録されたのです。

ですから、『ステータスデバイス』の持ち主以外の方ではそもそも起動しませんし使えないんですよ」


なるほど、それで『ステータスデバイス』を鍵に使っているわけか。

確かに、これだとセキュリティーは完璧かもしれない……。


「はい、この扉を開けたら中川さんに会いに行けるの?」


楓が、手を上げて質問する。

そういえば、この扉の先ってどうなっているのか分からないんだよな。


「いいえ、会いに行けません。

この『異空間コンテナ』は、この世界と皆様の世界の間に存在しているのです。ですから、この扉を開けて中へ入ったとしても、中川明日香さんの倉庫の中に出るだけで会うことはできません。

中川さんに会うためには、さらに向こうの日本のお店からこの倉庫の中への扉を開けてもらわないと」


つまり、二重ロックになっているというわけか。

……そうか!!最初の講習会の場所って、こういう倉庫の中で行われていたんだ!


日本から異世界へ行く仕組み、こういうことだったのか……。







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