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ダンジョンで借金を返済することになった男の物語  作者: 光晴さん
チームでのダンジョン探索

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第85話 分配金




残りの弾倉などの不安から、俺たちはいったんダンジョン町へ戻った。

魔石などの換金や、戦利品などの分配のため探索者ギルドに行き会議室を借りる。


そして、ギルド職員とともに戦利品の分配をした。


まず、魔物を倒して手に入れた魔石は、いつものように換金後みんなで分配する。ただ、今回は数がかなり多い。

何せ、モンスターハウスの魔物たちと二回戦ったような数だ。


換金のために魔石の数をチェックする、ギルド職員の引きつる顔が目に浮かぶようだ……。


今回の魔物、ダンジョンアケロンの魔石は、一つ銀貨十枚となっているそうだ。どのくらいの数になるかは分からないが、相当数あるだろう。

また、ジャイアントダンジョンアケロンとなると金貨二十二枚という値段になった。


「ダンジョンアケロンは、ダンジョンにしかいない魔物で素早く風魔法を使ってくるので厄介なんですよ。

それが、モンスターハウスで出てくるなんて……」


そう言って、ギルド職員の女性も怖がっていた。

でも、戦った俺たちから言わせれば、あの数で向かってこられると素早さが死んでいたような戦いだったな。

だからこそ、あんなに簡単に勝てたのかもしれないな……。



その他の戦利品については、まず金貨の入っていた二つの袋はギルド職員の人が計算して魔石のお金とともに分けて持って来てくれるそうだ。

あの数は面倒くさかったから助かった……。


次に、三袋目に出てきた『ウィングブーツ』は、魔法剣士のノエルに渡された。


まあ、ただ単に履きたい人がノエル以外いなかったってだけの話だ。

俺たち日本人は、魔力固定のため飛ぶのに魔力を使うブーツは意味がないし、『戦乙女の盾』の他のメンバーは、飛ぶことにこだわっていなかった。

それで、欲しがっていたノエルへということだ……。


『完全治癒魔法の魔導書』は、探索者ギルド預かりとなった。


「あなたたち!とんでもないものを見つけてきたわね!」


と、怒鳴りながら会議室へ飛び込んできたギルドマスターにはちょっと驚かされたが、ある程度予想できていたことなので、ギルドに任せることにした。


ギルドマスターのオフィリアさん曰く、教会に知らせてきちんと話し合っておかないと面倒くさいことになるそうだ。

その後、教会が買い取る形となるだろうとも予想していた。


それと予想通り、魔槍『オーロン』と聖槍『コンロン』はオークションにかけることになった。

この二つがどれだけの値が付くのかは、探索者ギルドでも分からないとのこと。


「……何だろう、あなたたちのパーティーには強運の持ち主でもいるの?」


と、ギルドマスターに呆れられたのは不本意だ。

でも、確かに強運の持ち主でもいなければあり得ない戦利品だよな……。



最後に、『ゴーレムトロッコ』は俺たち『魔導ガンナーズ』が引き取ることにした。リーダーの高橋健太や長谷川大輝に伊藤拓也とも話し合ったのだが、ゴーレムトロッコは改造して使うことになった。


話し合いの中で、ゴーレムトロッコの駆動系を使って『四輪バギー』のようなものは作れないかとの意見があった。

また、ガトリングガンタイプや重機関銃型の魔導銃の設置も考えてみることに。


「『ゴーレムトロッコ』が宝箱から出ると珍しい。

何件か前例はあるみたいだから、出現することは出現するけど珍しいことに変わりはないわね」


と、ギルドマスターが珍しがっていたのが印象に残る。

また、ギルドとしても買い取りは拒否するそうで、もし売るとしたら他のダンジョンへもっていけと勧められた。


使い道はもう決まっているので、ギルドには俺たちの構想を話し適切な改造をしてくれる人を紹介してもらおう。




「お待たせしました」


ギルドマスターが会議室を出て、十分ぐらいして換金の計算が終わり十九の袋に入った分配金を持ってギルド職員の女性が入ってきた。


「えっと、ダンジョンアケロンの魔石が全部で九百九十六個。

ジャイアントダンジョンアケロンの魔石と合わせて、全部で金貨百二十一枚と銀貨六十枚になりました。

布袋二袋分の金貨と合わせまして、全部で金貨四千百十一枚と銀貨六十枚。

これをパーティーメンバーの十九人で分けまして、一人頭二百十六枚と銀貨四十枚となります。

……よろしいでしょうか?」


手に握られたメモを見ながら、ギルド職員の女性が説明してくれる。

……相変わらず、結構な金額だ。

しかも、オークションに出した品物は除いてこの金額だからな。


しかし、これでダンジョン探索は儲かるとか勘違いをされると困るよな。

この報酬に見合うだけの危険は、体験させられているのだし……。


「は、はい、それでお願いします」

「では、こちらをお受け取りください」


ジャスミンさんが代表で返事をし、ギルド職員の女性が俺たち一人一人の座る席のテーブルへ分配されたお金の入っている布袋を置いていく。


そして、全員へ配り終えると、小さく礼をして会議室を出ていった。

俺はすぐに、袋の中身を確認した後自分の無限鞄の中へしまった。


「それじゃあ、この後だけど私たちは買い物に行くのだけど……」

「あ、それなら、私たちもご一緒していいですか?」


ジャスミンさんが、パーティーメンバーで買い物に行くことを言うと、中川明日香が一緒について行きたいとお願いする。

断る理由もないジャスミンさんたちは、それを了承。


「お兄ちゃんは、この後どうするの?」

「俺は、高橋さんたちとギルドで人を紹介してもらおうと思ってな」

「紹介?」


「ああ、このゴーレムトロッコの改造をお願いできる人をな。

今後のことを考えると、これは必要事項だ」

「そうなんだ……」


妹の楓に、俺のこの後のことを聞かれたので高橋健太たちとギルドで人を紹介してもらおうとしていると答える。

少し、寂しそうだったのは一緒に買い物に来てほしかったのだろうか?


とりあえず、俺は楓の頭を撫でておいた……。







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