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ダンジョンで借金を返済することになった男の物語  作者: 光晴さん
チームでのダンジョン探索

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第84話 再利用




「これは懐かしい!ゴーレムトロッコとは……」


俺が無限布袋の中から取り出した物を見て、エルフのナディアが声を上げた。

鞄サイズの四輪駆動部に、トロッコのような金属でできたカゴが付いている。おそらく、荷物などを運ぶためだと思うが……。


「懐かしいの?ナディア」

「ああ、今はもう使っている者はいないじゃろうからな。

昔は、無限鞄など高くて買えなかった時代じゃから、ダンジョンやクエストに出る際には荷物持ちが付いていたんじゃ。

じゃが、無限鞄も荷物持ちも金がかかる。

そこで、ギルドが貸し出していたのがこのゴーレムトロッコじゃ」


ナディアの説明では、昔の探索者や冒険者は戦利品の運搬に苦労していたらしい。ベテランで稼げているものならば、その頃は高額で高嶺の花だった『無限鞄』を購入し、さらに金のあるやつはポーターという荷物持ち専用の人を雇っていたとか。


ただの荷物持ちというなかれ、その頃の荷物持ちは戦闘もでき自分の身は自分で守れたそうだ。

そんな人を雇うのだから、相当な金額がかかったのだろう。


そして、金のない新人は自分が持って帰れるだけの戦利品しか手に入らなかった。だから、新人というのは貧乏な奴が多く、すぐに探索者を辞めたがったそうだ。

そこで探索者ギルドが始めたのが、『ゴーレムトロッコ』という荷物を入れる箱の貸し出しだ。


実はこのゴーレムトロッコ、自身で身を守るためのシールド発生装置が付いているため壊されることはなかった。

しかも、必要とされていたのは『無限鞄』や『アイテムボックス』の魔法を覚えるまでの期間だから高レベルの魔法は必要ないため、安く造れたのだとか。


このゴーレムトロッコ導入後、探索者たちの戦利品回収率は上がり、探索者になりたい人が急増し探索者ギルドはしばらく潤ったとか……。



「懐かしいのう。今では『無限鞄』も安く購入できるようになったから、見なくなって久しかったがこうして再び目にする機会があるとは……」


エルフのナディアが、こんなにも懐かしがるということは今はもう世間には出回っていないということか。

たぶん、買取価格もかなり低そうだし……。


「でもそうだとすると、探索者ギルドで買い取っては……」

「くれんじゃろうな。

それどころか、廃棄料とか言って逆にお金を請求されるかもな」


「「「うぇ~」」」


ナディアの話を聞いていた妹の楓が、ギルドでの買い取り金額の心配をするが逆にお金を取られると分かると、田辺美咲と杉本美月と一緒に変な顔になった。


どうしたものかと、俺が考えていると伊藤拓也がある提案を高橋健太にする。


「高橋さん、これバラシて改造ってできませんかね?」

「改造か?何を作りたいんや?」

「この駆動部分、自動車やバイクのエンジン部分として使えないかなって」


どうやら、伊藤拓也はこのゴーレムトロッコを人が乗れる自動車やバイクにしたいらしい。でも、そうなると一台だけじゃ力が足りないんじゃないかな?


「ナディアさん、ゴーレムトロッコの限界積載量ってわかりますか?」

「限界積載量?……ああ、どれだけの物が運べるかか。

確か、オーガを三体運んでも動いていたからな……」


オーが三体って、どんな状況だったんだ?

でも、確かオーガって一体の重さが一トン近くあったような……。


「オーガって、どれぐらいの重さなんですか?」


たとえが分かりにくかったのか、伊藤拓也がさらに質問する。


「オーガか?確か、一体の重さが約七百キロだったはずだ。

前、ギルドの体力検査で同じ重さを持ち上げたことがあるからな!」


そう言うと、自慢げに力こぶを見せつける剣士のパメラ。

もちろん『身体強化』の魔法を使っての話だと、訂正がすぐに同じ剣士のノエルから入ったが……。


でも、約七百キロなら三体で約二トンちょい。

ゴーレムトロッコ一台で、かなりの人を運べそうだ。


「……いけるんじゃないか?高橋さん」

「せやな、町に戻ったらギルドで聞いてみようか。

このゴーレムトロッコを、人が乗れる物に改造できへんかどうか……」


うまくいけば、疲れた人を運べたり………そうだ!あれ、いけるんじゃないか?

よく映画なんかで、トラックの荷台に取り付けてある重機関銃。

確か、魔導銃の中にもガトリングガンタイプのものがあったはず。


それを取り付けて、戦力大幅アップだな……。



「とりあえず、ゴーレムトロッコは俺たちが引き取るわ。

ギルドに持っていっても、そう高くはならんやろうからな」

「私たちは、それで構わないわ」


俺が妄想に浸っていると、いつの間にかゴーレムトロッコの交渉は終わり、俺たち『魔導ガンナーズ』が引き取ることになっていた。

さらに、金貨は山分け、本はギルドに任せることに。


そして、二本の槍はギルドに提出後オークションにかけることになるらしい。


「オークションっていえば、前に出した奴はどうなったの?」

「そういやぁ、出したな。

確か、ジェネラルシールドと純正魔石の炎と氷だったか」


そういえば、探索者ギルドの方でオークションに出しておくって言っていたけど、買い手はついたのかな?


「それなら、まだオークションに出ていないわね」

「へ?」

「オークション開催は半年に一回だからね。

次は三日後に開催されるはずだから、受け取れるのは六日後ってところね……」


中川明日香が、オークションに出した品物のことを思い出して、高橋健太がどんな品物かさらに思い出した。

そして、それがどうなったかをジャスミンさんが教えてくれた。


そうか、お金が受け取れるのは六日後か……。








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