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ダンジョンで借金を返済することになった男の物語  作者: 光晴さん
チームでのダンジョン探索

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第72話 犯罪者たち




アンジェラは、みんなからの視線に緊張しながら金色の宝場を慎重に調べる。

だが、宝箱には罠もなければ鍵もかかっておらず、あっさりと開けることができた。


金色の宝箱の中身は、二つの大きな布袋と透明なケースに入った属性魔石が二つあった。大きな布袋は、おそらくお金だろうがケースに入った属性魔石は珍しい。


「……この袋の中身は、金貨で間違いないね。

その、透明なケースに入っているのは?」

「う~ん、これは属性魔石だわ。透明な赤、いや紅、かしら?

それと、こっちは透明な青、いえ水色?……よくわからないわね」


ジャスミンが、宝箱の中にあった布袋に手を入れて中身を取り出すと、その手には金貨がたくさん握られていた。

もう一つの布袋は、アンジェラが確認し金貨と分かった。


そして、透明なケースに入った魔石は、エルフのナディアが観察すると属性魔石ということが分かったが、『鑑定』スキルを持っていないため正体までは分からなかった。


「ほんなら、この宝箱の中身は探索者ギルドで調べてもらうしかあらへんな」

「……そうね、そうしましょうか」


高橋健太の提案に、ジャスミンが賛同したため金色の宝箱の中身は探索者ギルドの鑑定後に山分けということになる。

二つの布袋と、二つの属性魔石の入った透明なケースは高橋健太が預かり無限鞄へとしまい外に出ることにした。




▽   ▽    ▽




魔剣のあったドーム状の部屋に通じる扉から、隠し通路に出ると鍵の入っていた宝箱やその宝箱に絡みついていた鎖は跡形もなく消えていて、俺たち全員が扉から出ると、その扉もひとりでに閉まり地面の中へと消えていった。


「……隠し通路の中の隠し部屋ということっスかね?」

「そんな仕掛けもあるってことだろう。

それよりも、君たちは準備の方はいいのか?」


地面に消えた扉を見ていて、長谷川大輝が感想を言うと、側にいた魔法使いのクリスティーナが先へ進むための準備を促してくる。


俺たちはその意見に素直に従い、使わない魔導銃を無限鞄へとしまう。

まあ、扉の中に入る前に、嵩張る魔導銃は無限鞄にしまっておいたから改めてしまうものは少ないんだけどね。


後はいつも使っている、自動小銃型の魔導銃を点検すると準備オッケーだ。


「準備完了!」

「よっしゃ、それじゃあこの先に進むでぇ」



再びアンジェラと伊藤拓也を先頭にして、俺たちは奥へ奥へと進む。

いつの間にか、地面がむき出しの土から三階層特有の芝生へと変化したころ、行き止まりの壁へと到着。


ここに来るまで、曲道など無く真っ直ぐの道だった。


「ここが行き止まりってことは……」

「あるやろな、この先に行く隠し扉ちゅうやつが……」


行き止まりに到着したときから、アンジェラが壁を調べている。

ここは専門家に任せて、俺たちは周りを観察していた。


すると、あることに気が付いた。


「……そういえば、壁画が描いてありませんね」

「何や本田はん、気ぃついてなかったんか?

地面が芝生に変わった辺りから、壁画も無くなってたんやで?」


……気が付かなかった。

いやそれよりも、ダンジョンに壁画が関係ないって教えてもらってから興味なくなったんだよな。


周りのことにも注意を払わないと思っていると、妹の楓が話しかけてきた。


「お兄ちゃん、行き止まりの壁の向こうに光の点が四つ映っているけど、これって味方なの?」

「気配ゴーグルでも、敵味方の色は分かるだろ?赤が敵、青が味方だ」


楓に『気配ゴーグル』という魔道具を貸して、魔物がいないか探査してもらっていたのだが、どうやらこの先に何かが四ついるようだ。


「色は……青。と、いうことは味方だよね?」

「何か、変なものでも表示されたのか?」

「それが、三つの光が点滅しているんだよ。これって何かの表示なのかな?」


『気配ゴーグル』に、そんな表示の説明があったかな?

点滅ってどういうことなんだろ?


無限鞄から、気配ゴーグルの説明書を出そうとしたときアンジェラが壁の真下にある隠しスイッチを見つ押した。

すると、地響きのような音をたてながら、壁が左へとスライドする。


そして、その先の光景に俺たちは目が点になった。



「……た、助けて」


何と一人の探索者の女性が、三人の魔導銃を持った男たちに襲われていたのだ。

助けを求めた女性は、地面に押さえつけられ男二人が女性の両腕を持って押さえている。さらに、三人目の男は女性の下半身の服に手をかけているところだった。


「う、動くな!」

「お、おい!沢木!どうする?逃げるか?」

「く、くそ!もう少しだったの……に?」


女性から飛び退き、魔導銃を構える男三人。

全員、自動小銃型の魔導銃を構えたことから日本人で間違いないだろう。

しかも、押さえつけられていた女性は麻痺しているのかすぐに起き上がれない。


「おい、お前ら日本人か?」


魔導銃を俺たちに向ける、金髪の男が質問してくる。

姿形から日本人であることに間違いないだろう。

また、他の二人も同じような姿をしていた。


「……俺に聞いてるんか?」

「ああ、一番手前のお前に聞いてる」

「答える必要あるんか?」


そう高橋健太が答えると、ニヤリと笑い三人は少しずつ後ろへ下がっていく。

もしかして、同じ日本人だから見逃すとか思っているのか?


「なあ、俺たちと組まないか?」

「はぁ?」

「俺たちと組めば、そこにいる女キャラの様にどうすれば動けなくできるか教えてやるぞ?」


男たちの提案に、高橋健太はあきれていた。

もしかしてこいつら、ここがゲームの世界とでも思っているのか?


「どうするよ?俺たちと組めば、お前の後ろにいる女キャラたちは俺たちのものだぜ?」


じりじりと、通路のある方へ後づ去っていく男たち三人。

今も、魔導銃は俺たちに向けて構えたままだ。

しかし、俺は素早く左側腰にある自動拳銃型の魔導銃を抜くと、男たちが逃げようとしている通路の入り口付近に撃ち込み、いくつもの氷の壁を出現させた。


「今や!」

「殺さずに捕らえろっ!」


通路への入り口が氷の壁でふさがれたことが合図となり、高橋健太が号令を出し、エルフのナディアが殺さずに捕らえるように命令する。


一斉に襲いかかるジャスミン、パメラ、ノエル。

さらに、高橋健太に伊藤拓也、長谷川大輝に大塚詩織。


「「「うわあああああああ」」」


魔導銃を乱射するものの、すべて致命傷にはならず男たち三人は取り押さえられた……。







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