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ダンジョンで借金を返済することになった男の物語  作者: 光晴さん
チームでのダンジョン探索

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第70話 謎はいろんなものがある




「杉本さん、あの時フレイムドッグのどこを撃ったんですか?」


俺は、杉本麻美がフレイムドッグに打ち込んだ一撃の正体が知りたくて質問してみた。あの一撃を受けたフレイムドッグは、あきらかに弱体化したのだ。


見習い魔法使いの側にいた杉本麻美は、笑顔で答えてくれた。


「あれは、フレイムドッグの鼻の穴を狙ったんですよ」

「鼻の穴やてぇ?!」

「マジっスか……」


衝撃の言葉に、みんな驚いている。

もちろん、俺も驚いたが狙えるものなのか?


「あの時私は、アイリスちゃんと一番後方にいたんです。前に出ても、攻撃してもダメージを与えられないと思ったから……。

でも、アイリスちゃんがヒントをくれたんです」


「ヒント?」


魔法使いのクリスティーナが首を傾げながら、弟子のアイリスを見る。

それと同時に、他のみんなもアイリスを一斉に見た。


「あ、あの、あ、あの」

「落ち着いて?……ね?」


みんなに見られた緊張からか、言葉に詰まると杉本麻美がアイリスの両肩に背後から手を置き、笑顔で落ち着かせる。


「……私言いました。フレイムドッグを気絶させれば倒せるのにって」

「それを聞いてピンと来たんです。

そういえば犬の弱点って、眉間って聞いたことあるな、てね?

でも、素直に眉間を攻撃しても気絶するか分からない。そこで鼻の穴の中を狙えば、ダメージが通ると考えたんです。

後は、この魔導銃の属性魔石を雷に変えて、フレイムドッグの鼻の穴を狙いました」


杉本麻美の手にある狙撃銃型の魔導銃を胸のところまで上げて見せると、説明を終える。


「その魔導銃は、『アロー系魔法』が出るんか?」

「いいえ、これは『バースト系魔法』が出るそうです」


……つまり、フレイムドッグは『サンダーバースト』を鼻の穴の中で食らったというわけか。それは、気絶間違いないな。

いや、かなりのダメージを負った可能性もあるか。


「……お母さん、いつの間にそんな魔導銃を?」

「私、目が良いでしょ?だから、店員さんに勧められちゃったのよ~。

安全な後方から、みんなの救世主になれますよってね?」


確かに、今回は杉本麻美は救世主だったな。

それにしても、狙撃銃型の魔導銃を購入するとは……。

スコープ付きで、しかも折り畳み式の二脚までついているし……。


「明日香さん、美咲ちゃん、葵ちゃん、私たちも町に戻ったら、真剣に考えませんか?魔導銃について」

「うん、そうだね。私も、今度ばかりはちゃんと考えないとね……」


杉本美月は、母親の魔導銃に感化されたのか、今回活躍できなかった中川明日香たちと新しい魔導銃について話し合っている。

特に小西葵が、今回のことを後悔しているようだ。


そんな光景の側で、杉本麻美はボルト操作を行い弾丸型の魔力タンクを交換する。その仕草を見ていたのだが、不覚にも俺はそれがカッコよく見えてしまった。

女性がボルトアクション方式の狙撃銃型の魔導銃で、弾丸を手動で装填する。


「……何ですか?じっと見つめて」

「あ、いや、カッコいいなと思ってしまって……」

「フフフ、女性にカッコいいはどうなんでしょうかね?」


笑顔で大人の対応をされてしまった。

俺も三十は越えているんだが、杉本麻美には、大人の余裕というやつが感じられるんだよな……。


俺が、ドギマギしているところへ前方から声が聞こえた。


「宝箱発見!!」


今の声は、伊藤拓也の声だ。

斥候のアンジェラと一緒に、この隠し通路の先へ進んで発見したんだろうか?

俺たちは全員で、先に進んで行く。




▽   ▽    ▽




三十メートルぐらい進んだところで、伊藤拓也とアンジェラの二人がしゃがみ込んでいる光景を目にした。

そして、二人がしゃがみ込んでいる先にあったのが、金色の鎖が絡みついた銀色の宝箱だ。


「確かに宝箱だが、この鎖は何だい?」

「触らないほうが良いよパメラ、罠の可能性もあるから」

「おっと……」


剣士のパメラが、絡みついている金色の鎖に手をかけそうになった時、アンジェラが真剣に忠告する。

その言葉と真剣な表情を見て、パメラは宝箱から離れた。


「アンジェラ、その鎖外せそう?」

「……たぶん、大丈夫だと思う」

「無理しないでね」

「分かった……」


ジャスミンとアンジェラの会話で、俺たちはかなりの難易度が高いことを確認した。罠解除はアンジェラしかできない。

彼女が無理なら、この宝箱はあきらめるしかないのだ……。


「本田はん、この壁見てみ?壁画になってるで」

「……ホントだ」


高橋健太に言われて、初めて気が付いた。

俺たちの周りの壁には、たくさんの壁画が描かれていたのだ。

俺たちは、金色の鎖をアンジェラに任せて、周りの壁画を調べることにした。



「……これ、所々焦げているのはフレイムドッグのせいですかねぇ」

「たぶんそうでしょうね。

でも、描かれているのは、神様とかじゃないみたい……」

「分かるんですか?クリスティーナさん」


「クリスでいいわ、みんなもそう呼ぶし。

で、この絵だけど……これ見て、これ、月だと思う。三つあるし……」


壁画の、絵の上の方に書かれている三つの丸は月か。

にしても、ダンジョンの外の世界には、月が三つもあるのか?

潮の満ち引きとか、どうなっているんだろ……。気になるな。


「う~ん、ダンジョン探索に何か関係あるんスかね?」

「……たぶんないわね。

でも、ギルドには報告しておいた方がいいわ」


長谷川大輝が、肝心なことを聞くが、ジャスミンさんはバッサリと切った。

まあ、ダンジョン探索には関係なくても、何かしら重要なものなのかもな……。


ダンジョンの外の世界で……。






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