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第7話 使いやすい装備品




「グングニルさん、もう少しわかりやすく説明した方がいいんじゃないっスか?」


俺の隣に座る長谷川大輝が、呆然としている女性たちを見るに見かねてグングニルに声をかける。

そこでようやく、中川明日香と田辺美咲、小西葵の三名の理解が追いついていないことに気づいた。


「あ~、そこの三人。この魔導銃の使い方は理解できたか?」


グングニルが聞くと、一斉に首を横に振る。

それを見て、どう説明したものかとグングニルが悩み始める。


でもこればっかりは、使用してわかってもらうしかないのかな。

俺が、高橋健太や伊藤拓也、長谷川大輝を順番に見ると、この三人もグングニルと同じように説明に悩んでいるようだ。


「……仕方ない、こればかりは使って理解してもらうしかないな。

壁に飾ってある魔導銃の二種類は、お前たちの専用のものだ。

ここを出ていくとき、忘れずに持っていくように。

後、弾倉の魔力タンクは一人につき二十本ずつだ。これからは渡す鞄に、それぞれ必ず入れておけよ?


それじゃあ、右の更衣室にお前たちの装備を用意してある。

中の注意書きをよく読んで、それぞれ着替えて出てきてくれ」


注意書き?


「注意書きっスか?」

「更衣室の中には、必ず持っていってほしいものが用意してある。

それを忘れて、困った者たちが出てな。お前たちが、そいつらと一緒にならないための注意書きだ」


もしかしたら、これから先必要になる物があるのに、荷物になるからと持っていかなくて後々困った事態になったとかか?


……何だろう。

今思いつくのは無いけど……。


「とにかく、お前ら着替えて来い。忘れ物の無いようにな!」


グングニルに促され、俺たちは立ち上がり更衣室へ入っていく。

もちろん、男女別々の更衣室に、だ。




男性専用更衣室に入ると、50センチ×50センチの机が四つ用意してあり、その上に俺たちの名前が書かれた張り紙があった。

たぶん、これを使って着替えや準備しろということなのだろう。


高さも1メートルほどあるし、良さそうだ。


「これサイズ別にあるみたいっスね!」

「……これ登山靴か?でも、鉄板入っているから登山靴風安全靴ってことか?」

「う~ん、ブリーフかトランクスか。

いや、俺はボクサータイプやからな……」


他の三人は、すでに更衣室の壁に並べられている服やズボン、靴に下着を選び始めている。とりあえず、俺は入り口から入って右側から順番に選んでいくか。


この更衣室は、更衣室なのにロッカーが設置されてない。

つまり、俺たちがここに着てきた服などは置いていくことが出来ないということ。

それは、ここに戻ってくることが無いということでもある。



入口入って右側に並んでいるのが『ズボン』だ。

自分のサイズのものを探し、一応穿いてみる。

……太ったかな?

少しきついため、もう一つ上のサイズを穿いてみる。

……今度はちょうどいいサイズだ。

このサイズのズボンを、予備も含めて三つほど机の上に置く。


次は上半身。

というように、服を選び、下着を選び、靴下を選び、靴を選ぶ。

もちろんそれぞれ予備も含めて、下着以外は三着ずつ。下着は上下五着を選んだ。


ではこれを持って、と振り返ると入り口のドアに注意書きがあった。


「グングニルはんの言っていた注意書きはこれか?」

「……着替えて全部の荷物を持って出て来い!ってあるっスね」

「……着替えろってことなら着替えますか」


俺たちは、自分の机に荷物を置き着替え始めた。

着てきた服を脱ぎ、選んだ服に着替えていく。

……下着はさすがにそのままだが、最後に登山靴風安全靴の靴紐を結ぶときに気づいた。机の下の床ある注意書きに。


「ここにも注意書きがあるっス!」

「えっと、靴は二足用意しろ!か。

……もしかしてダンジョンの町には靴が売ってないのか?」


よくわからないが、注意書きにそって俺たちは予備の靴も持っていくことにする。

これで、服や下着に加え、今まで履いていた靴に予備の靴が加わり荷物が増えた。

何か袋はないかと周りを見渡すと、入り口左に布袋が置いてある。


手に取り広げれば結構な大きさが確認できたので、それぞれの荷物を中に入れ更衣室を出ることに。




「女性たちより遅いとは、何かあったか?」


会議室の教壇の前で、グングニルがニヤニヤしながら聞いてくる。

中川明日香たち三人は、すでに着替えて席についていた。


「いえ、いろいろ手間取りまして……」


伊藤拓也がそう答えて、俺たちはそそくさと自分の席に座った。

座って気づいたんだが、自分たちの机に上に皮でできた鞄が置かれていた。

色はグレーで、肩から掛けるショルダーバッグでシンプルなデザインをしている。


鞄を持ち上げると、その下からさらにベルトポーチが三つ出てきた。

ショルダーバックも合わせて、大小四つの鞄が用意していたようだ。


「全員、机の上の鞄に気が付いたな。

これからその鞄の使用方法を教える。よく聞いて、すぐに取り付けるようにな。

まず、小さい鞄のベルトポーチというらしいが、それは、今お前たちがしているベルトに通して装着するものだ。


付ける場所は三か所、正面の左右と左腰の所だ。

まず、正面右に装着するポーチには『スマフォ』『所持金』『属性魔石』などを入れておくと便利だ。


次に正面左のポーチは、空になった弾倉を入れる。

『魔導銃』の弾倉こと魔力タンクは使い捨てじゃないぞ?

魔力を補充することで繰り返し使える。が、消耗品であることには変わりはないからな。注意して繰り返し使うように。


次に、左腰のポーチは魔力を充填しておいた弾倉を入れておく場所だ。

ここが俺は一番取り出しやすいと思ったから決めたが、それぞれで取り出しやすい位置を考えてみてくれ。


最後に肩掛けのショルダーバッグは、無限鞄となっている。

アイテムボックスなどのスキルの無いお前たちには、有難いものとなるだろう。

……まあダンジョン探索者のほとんどがもつアイテムボックスを、地球人たちだけがないのもかわいそうだったからな。

この『無限鞄』の開発のために資金を出した、先輩地球人に感謝して使えよ?」


……地球人の先輩たちが、開発したわけじゃないのが少し悲しいな。


俺は鞄を手に取り、先輩の地球人に感謝する。

先輩たちのおかげで、俺たちは安心してダンジョン探査ができるのだろうから……。








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