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ダンジョンで借金を返済することになった男の物語  作者: 光晴さん
チームでのダンジョン探索

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第67話 炎の魔物 上




ダンジョンの三階層に隠し通路を見つけた俺たちは、その中へ入っていく。

『魔導ガンナーズ』と『戦乙女の盾』の全員が入ると、ゴゴゴという音とともに開いていた壁が閉じていく。


隠し通路の中は、通常の通路と変わらない明るさがあり二十メートルの範囲は見えている。


「……何だろう、何か違和感を感じる」

「アンジェもか?俺も今、それを考えていたんだ。

この隠し通路は、何かが違う気がするんだよな……」


この隠し通路を見つけたアンジェラと伊藤拓也が、何か違和感のようなものを感じるとかで隠し通路の壁や天井を見上げながら観察している。


「……あの本田さん、ここの地面、土がむき出しなんですが……」

「あ、ほんとだ。詩織ちゃん、よく気が付いたねぇ~。

私は上ばっかり見てたから、気が付かなかったよ~」


そういえば、ダンジョンの三階層の床は芝生の様になっていたな。

それなのに、ここの床は土がむき出し……何かあるのか?


俺が靴で、床の土を弄っているといきなり大声で誰かが叫んだ!


「伏せろっ!!」


俺はとっさに、楓と大塚詩織に飛びついて床に伏せる。

すると、すぐに今まで俺の上半身があったところを炎の塊が通過した。そして、後方の壁に衝突し霧散する。


「お、お兄ちゃん、今の……」

「ほ、本田さん……」

「おそらく敵の攻撃だ、誰かがとっさに叫んでくれなかったら危なかった」


俺はゆっくり起き上がると、低い唸り声とともに何かが近づいてくる足音がする。かなりの大きさなのだろう、近づいてくる足音が重い。


「本田さん、大丈夫っスか?」

「何とかね。それより、魔導銃の属性魔石を交換しておいた方がいいぞ」

「やっぱり、火属性の魔物っスか?」

「あれが攻撃だったならな……」


俺はすぐに、無限鞄の中にある属性魔石の箱を取り出すと、自分の魔導銃の属性魔石を交換し始めた。

そばにいる長谷川大輝も同じように、属性魔石を交換する。


「お、お兄ちゃん、私たちはどうすればいいの?」

「楓も、魔導銃の属性魔石を交換しろ。

今の攻撃から、相手の魔物は火属性だ。だから、水属性か氷属性の魔石をな」


いまだ姿が見えない魔物、だが確実に近づいてきているの足音で分かる。

姿を確認してから行動しては遅い。だから今、できることをしておくのだ……。


「私、属性魔石の交換したことないんだけど……」

「すみません、私も……」


楓と大塚詩織が、申し訳なさそうに俺に申告する。

……今、俺と長谷川大輝が交換中なんですが、見ていて分かりませんか?


「今回は俺がするけど、次からは自分でするんだぞ?」

「ありがとう、お兄ちゃん」

「まずは、この自動小銃型の魔導銃ならこの持つ所の上にあるココのお尻に、小さな出っ張りが左右にあるだろ?」


一つ一つ説明し、属性魔石の交換を教えていく。

楓の隣で、大塚詩織も真剣に聞いている。


「ここに指を引っ掛けて、手前に引くんだ。すると、ほら、見えるだろ?

これが今入っている、属性魔石だ」

「へぇ~、この色は火属性だね?」


「そうだ。で、この属性魔石を取り出したら、今度はここに水属性の魔石を入れてやる。この属性魔石な?

そして、後はコレを押し込んで固定しカチッとはまったら終わりだ」


一通り説明すると、今度は自分でしてみるように促す。

最初は少しもたついたが、楓も大塚詩織もちゃんと属性魔石の交換ができた。

武器屋で属性魔石を買っておいてよかった……。


「気をつけろっ!」


また誰かの叫び声が聞こえる。しかし、今度の叫びは伊藤拓也のものだ。

俺たちはその叫びで、伊藤拓也たちの方を見るとその伊藤拓也たちの前方に、何かから噴き出す炎が見えた。


「……何だ?」


その炎に気を取られていたため、その攻撃への対処が間に合わなかった。

炎が一瞬上に移動したかと思うと、すぐに下へ下がり炎が一気に噴き出して周りに広がった。


「『ファイアーブレス』だっ!」

「まずいっ!」


俺はすぐに、左の腰に装着してある自動拳銃型の魔導銃をホルスターから抜くと、仲間たちの前方に乱射する。

すると、そこに出現するのはいつのもの土の壁ではなく水の壁だ。


あたりに広がる炎が、水の壁に当たったところだけ弱まったが、無くなったわけではない。炎は弱いながらも、仲間たちを襲った。


「あっち!」

「熱いよ!お兄ちゃん!!」

「っつ!」


俺は顔を逸らし、後ろを向いて楓と大塚詩織をかばった。

それでも楓と大塚詩織に炎は届いていたようで、一瞬だけだったが暑さを感じたようだ。


俺の横にいた長谷川大輝は、自分の服をはたきながら俺に話しかける。


「本田さん、これは水より氷っスね……」

「ああ、今交換している。

しかし、今の攻撃ができる魔物って何なんだ?」


自動拳銃型の魔導銃の属性魔石を交換し、弾倉型の魔力タンクも交換しておく。これで、いつでも氷の壁を作り出すことができる。

……まあ、厚さは十センチ程度だけど。



『グォオオオオォォ!!』


その時、大きな咆哮が辺りに響いた。

そして、姿を現す炎を吐く魔物……。

その大きさは、ざっと見た限り三メートルはある。


「デカい!」

「あれはフレイムドッグ!何でこんな階層にいるのよ……」

「!全員戦闘準備っ!!」


伊藤拓也の驚きの声と、エルフのナディアの声が続けざまに聞こえる。

そして、焦るように叫んだジャスミンさんの声も……。


だが、その叫びより、フレイムドックの赤熱する爪の攻撃が一瞬早く襲いかかった!







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