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ダンジョンで借金を返済することになった男の物語  作者: 光晴さん
チームでのダンジョン探索

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第61話 忘れていた宝箱の中身




俺たちが泊まっている宿は、シャロンさんから紹介された宿で名を『越後屋』という。もうお気づきだろう、そう、この宿のオーナーは日本人だ。


越後屋のオーナーも、探索者として、俺たちと同じようにダンジョンに来たが、借金の返済は何も魔物の魔石を換金して支払わなくてもいいのではないかと気づき、日本のホテル並みの宿を開業し一年で返済し終えた人だ。


根っからの経営者、とでも言うのか?

今では、この越後屋が最高の宿と言われ、ダンジョン町ごとに経営しているとか。



越後屋三階の大部屋301号室。

ここが俺たちパーティーの男が使っている部屋だ。もう一つの302号室は、女性たちが使っている。相談とかあるときは、俺たちの部屋の談話室とかを使っている。


大部屋の特徴は、入り口直ぐに談話室があり、トイレが付いている。また奥には、寝室のベッドが並んでいる部屋になっていてお風呂とトイレがあった。


大部屋のベッド数は、一部屋八つ。

その中で、一番入り口に近いベッドを俺が使っていた。俺の隣のベッドはリーダーの高橋健太だ。


「あ!しもうたなぁ~」


付けていた装備を外し、着替えていると隣の高橋健太が焦っていた。

見ると、高橋健太の無限鞄から、魔石回収の布袋に入った魔石に金貨の詰まった布袋、さらに手のひらサイズの赤い箱をベッドの上に並べている。


「た、高橋さん、それ何スか?!」

「オーク騒ぎで忘れとったけど、ダンジョンオオカミの戦利品や」


……そういえば、ダンジョン三階層に行って隠し通路を発見し、そこでダンジョンオオカミと戦ったんだっけ。

それで宝箱が出て、その中身が目の前の金貨と赤い箱か。


「探索者ギルドに出すの忘れとったわ……。

せっかく、この赤い箱の正体分かるかもしれへんやったけどな」


俺もすっかり忘れていた。

それだけ、オークの大群とオークジェネラルが衝撃だったんだな。


「高橋さん、この魔石は何スか?」

「これは、アンジェラはんからのSOSがはいるまでに倒した魔物の魔石や」


そうそう、思い出した。三階層には鎧ゴブリンなる重装備のゴブリンがいたな。

でも、鎧がすごいだけの見掛け倒しだったけど……。


とりあえず、今日はもう寝よう。

明日は、他の宿のジャスミンさんたちと探索者ギルドの前で合流して買い物の予定だったけど、その前にギルドで調べてもらうしかないな。


赤い箱の中身を……。




▽   ▽    ▽




次の日、俺たちは朝食を食べた後宿を出て、探索者ギルドに向かった。

すると、すでにジャスミンさんたちがギルド前で待っていた。


「おはよう、アンジェラ」

「おはよう、タクヤ」


伊藤拓也とアンジェラさんが、朝のあいさつを交わす。

この二人、オーク騒動の後ダンジョン町に戻るとき、手をつないでいたみたいだ。後ろにいた長谷川大輝が目撃していた。


とにかく俺たちも、ジャスミンさんたちと挨拶を交わし、今日の予定を話す。


「今日はまず、ギルドで昨日換金し忘れた物を換金しますので……」

「お兄ちゃん、何を換金してないの?」


妹の楓が、興味津々で聞いてくる。


「オークの大群と戦う前までに倒した魔物とかの魔石と、ダンジョンオオカミを倒した後に出た宝箱の中身だよ」

「で、その宝箱の中身って?」


さらに、楓が宝箱の中身を知りたがったので高橋健太が宝箱の中身を教える。


「宝箱の中身は、金貨の入った布の袋とこの赤い箱や。この赤い箱が開かないんで、ギルドで調べてもらおう思うてな?」


そう言うと、手のひらサイズの赤い箱を無限鞄から取り出しみんなに見せる。

すると、ジャスミンさんがその赤い箱の正体を知っていた。


「あら、その赤い箱、もしかして『精霊召喚石』の入った箱じゃなかったっけ?」

「……そうだな、これは『精霊召喚石』の入った箱だ。

しかも、これは赤い箱だから火属性の『精霊召喚石』となる」


ジャスミンさんは、エルフのナディアさんに同意を求めて、詳細を教えてもらった。


「『精霊召喚石』ですか?」

「ああ、君たちは知らないんだな。

『精霊召喚石』は、精霊を召喚し契約するときに必要となる触媒だ。しかも、どんな色の箱に入っているかで属性が決まる。

これは赤い箱だから、火属性の精霊や召喚獣などとの契約の触媒として使われるのだ」


へぇ~、精霊や召喚獣か~。

ナディアさんは、説明を続けてくれる。


「君たち、この箱を開けようとしても開かなかっただろ?」

「せやせや、どこから開けてええのか分からんかったんや」


ナディアさんの質問に、高橋健太が答える。

そう、この赤い箱の開け方が分からないんだよな……。


「この赤い箱は、開けることはできないよ。

これはこのまま触媒として使うんだ。もし箱を壊して開けてしまうと、中にある『精霊召喚石』が蒸発して無くなってしまうんだ」


箱の中にある『精霊召喚石』は、空気に触れると蒸発して消えてしまうそうで、この箱のまま触媒として使い、精霊や召喚獣を呼び出して契約するのだとか。


ただ、この『精霊召喚石』の箱はダンジョンでしか見つかっていないらしく、高値で取引されるそうだ。

それに、オークションでは箱の色で値段が変わるため、ギルドで買い取ってもらうのが無難らしい。


ということで、俺たちも探索者ギルドに買い取ってもらうこととした。







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