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ダンジョンで借金を返済することになった男の物語  作者: 光晴さん
パーティでのダンジョン探索

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第53話 オークの大群 上




伊藤拓也の先導で、俺たちは走る。


ステータスデバイスには、登録した人物が今どこにいるのかわかる位置情報表示機能がある。もちろん、相手から非表示にすることもできるがそれをする人は多くない。

なぜなら、ダンジョン内では同階層にいなければ表示されないからだ。


ステータスデバイス片手に、先頭を走っている伊藤拓也は焦っていた。

なぜなら、気配ゴーグルに表示される魔物の反応がアンジェラに近づけば近づくほどどんどん増えているからだ。


「クソッ!数がめちゃくちゃだ!!」

「高橋さん、相手はオークっスよね?今の俺たちの武器で、大丈夫っスか?」

「たぶん大丈夫や、本田はんの散弾銃がある。

アレの威力は、みんな見たはずや。あの威力でなら、オークをだいぶ削れるはずや」


伊藤拓也は表示される魔物の数に愚痴をこぼす。

長谷川大輝の疑問に、高橋健太は、俺の武器の威力を引き合いに出す。


……俺の散弾銃型の魔導銃の威力か。

確かに範囲魔法だから、かなりの数を削れると思う。だけど……。


「……何や本田はん、自信がないんか?」

「いや、たぶんだいぶ削れると思うけど、問題はどの属性の範囲魔法を撃つか」


高橋健太が、俺が考えながら走っていることに気づいた。

だが、問題は攻撃属性を何にするかだ。


散弾銃型の魔導銃には、『バースト系統の魔法陣』が刻まれているからどの属性で撃つかによって威力が変わる気がするんだ。

ならば、今回のオークの大群にどの属性で挑むのか……。



「それなら、雷属性はどうなの?

威力もあるし、麻痺効果も付くと思うけど……」


俺の後ろを走っていた、田辺美咲が答えをくれた。

俺と高橋健太は、お互い驚いて田辺美咲を見てしまった。


「な、何よ」

「せや、雷属性ならいけるかもしれへん!本田はん!残弾はいくつや?」

「まだ一発しか使ってないから、あと二十九発残ってる!」


光明が見えてきた。これで、かなり戦いやすくなるはずだ。

みんなの残弾もまだ大丈夫だと思うし……。


「見えた!アンジェラだ!まだ無事だ!!」


大声で、百メートル先の女性の後ろ姿でアンジェラだと分かったらしい。

ということは、その周りにいる女性たちはアンジェラのパーティーメンバーか。


通路いっぱいに埋め尽くされたオークの大群を相手に、少しずつ後ろに下がりながら相手をしていた。




▽   ▽    ▽




モンスターハウスを開けてしまい、つい通路へ逃げてしまった。

しかし、私たちのパーティーでモンスターハウス内で戦うのは無理だ。今、私たちを追い詰めているオークの大群は、部屋になっている空間の天井から出現した。


しかも、何がきっかけかもわからない状況での出現に驚いた。

通常、ダンジョンの罠は何かを踏むとか触るとかあるものだが、今回のモンスターハウスは分からなかった。


「リーダー、盾がもうもたないよ~!」

「クッ!これ以上は、支えきれない!」


今前衛で、オークを抑えてくれているのが二人の剣士。一人はフルアーマーを着こみ、大盾でオークの攻撃を防ぎながら短槍で攻撃している、力自慢の女性パメラ。

もう一人は、二つの大盾を自身の前に魔法で浮かべて剣で戦っている魔法剣士のノエル。


二人ともうちのパーティーの攻撃と防御の要だ。

この二人が、支えきれないなんて……。


『ブギイイィ!』


ガシャーン!と大きな音が響く。ノエルの浮かべていた大盾の一つが割れてしまった音だ。


「きゃああぁぁ!」


割れた大盾の破片が飛び散り、アンジェラがケガをしてしまった。


「アンジェラ!大丈夫?!」

「だ、大丈夫、リーダー。肩をかすめただけだから……」


大丈夫じゃないじゃない!肩を抑えている手の隙間から血が流れている。

もう私たちに攻撃方法は残っていない。弓も魔法も魔導銃も使えなくなっている。


「タクヤが来てくれるはず……」


アンジェラが少し前に、ステータスデバイスで呼んだ探索者。

この階層にいて、かなりの威力を持った魔導銃を使っていたらしい。パーティー仲間の桜子が興味を持っているようだったけど、来てくれるかどうか……。


その時、私たちの後ろから声が聞こえる。


「見えた!アンジェラだ!まだ無事だ!!」


振り向けば、大勢の人たちがこちらに走ってくる姿を確認できた。

私たちは、助かったのかもしれない……。




▽   ▽    ▽




「アンジェラ!そのケガはどうしたんだ?!」

「タクヤ、来てくれてありがとう……」

「そんなことより、そのケガを治さないと!」


肩から血を流す獣人のアンジェラに近づき、無限鞄をひっくり返してポーションを探す伊藤拓也。

その姿はまるで、どこかの青いロボット狸だ。


他にも、ボロボロの女性たちが通路いっぱいに広がったオークの大群を相手に、防御をしながら下がるしかなかったようだ。


「みんな、戦闘準備や!伊藤はんは、その女性のケガを治したら加わるんやで!」

「了解!」


返事は伊藤拓也だけで、俺たちは魔導銃を一斉に構える。

俺は、散弾銃型の魔導銃を折り、中に装填していた属性魔石を取り出し、火の属性魔石から雷の属性魔石へと交換する。


一分もかからず交換を終え、散弾銃型の魔導銃を元に戻しオークに向けて構える。


「狙うは、オークの大群の上空一メートルや!」

「了解!」


高橋健太の指示通りに、一メートル上空を狙う。そして、引き金を引いた!!








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