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ダンジョンで借金を返済することになった男の物語  作者: 光晴さん
パーティでのダンジョン探索

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52/201

第52話 緊急通信




「し、知らなかった……」


遠藤たちは、俺たちの話を聞きショックを受けているようだ。

俺たち地球人が、講習会で手に入れダンジョンの町で売っている魔導銃は、地球人の先駆者が同じ地球人のために作りだした魔導銃なのだ。


そのため、ダンジョン産の魔導銃とは違い魔力を外部から供給するように作られている。これは、地球人が魔力を固定されているためにダンジョン産の魔導銃を使用することができなかったため、考えられた仕組みなのだ。


……本当に、この武器や周辺の魔道具を考えたやつ天才だよな。


「で、自分らこれからどうすんの?」


ショックを受けている遠藤たちに、リーダーの高橋健太が聞く。

俺としては、このままダンジョン町まで戻って、武器やポーションなどを準備してほしい。杉本親子にした仕打ちを考えても許せないが、死んでほしくないからな。


「俺たちは……」


―――――ピロロロッ♪


遠藤たちの返事を聞こうとしたとき、伊藤拓也のステータスデバイスが鳴る。

ステータスデバイスには、通信機能もあるため登録した人から通信が入ることもあるのだが……。


「え~と、はい、伊藤です」


早速ステータスデバイスを起動し、返答する伊藤拓也。

この男のステータスデバイスに登録されている人物は、俺たちパーティーメンバー以外では、先ほどナンパしていた獣人の彼女だけだろう。


……そういえば、名前は何て言うのか聞いてなかったな。


「え?なんだって?雑音がひどくて、もう一度お願い!」


焦りだす伊藤拓也、どうやら何かあったらしい。

ステータスデバイスを耳に当て、少しでも状況を知ろうと聞いているが向こうはそれどころではない様子だ。


「……切れた。高橋さん、アンジェラのパーティーがモンスターハウスにかかってしまったって!すぐに、助けてほしいって!」

「落ち着きぃ、伊藤はん!みんなはどないする?」


ナンパしていた相手のアンジェラさんという獣人の女性の所属しているパーティーが、モンスターハウスの罠にかかり大変だと。

すぐにでも助けに行きたい、力を貸してくれってところか。


俺は、理解するとすぐに自分の魔導銃の残魔力を確認。

少ないと分かるものは、満タンの弾倉に交換する。俺がそんな行動をとったためか、他のパーティーメンバーも弾倉を確認し助けに行くってことをアピールした。


「……自分らはどないする?」


ポーションによって全員治療が終わっていた遠藤たちだが、今もなおその場にしゃがみ込んでいた。

その遠藤たちに、魔導銃の残弾を確認しながら高橋健太は確認のための質問をした。


「お、俺たちは………」


言いよどみ、田上達仲間の方を見る遠藤。

どうやら、自分では何も決めることができないらしい。それでよくリーダーをやっていたものだ……。


「俺たちはすぐに向かうんや!早よ、決めっ!」

「……俺たちは……行かない」

「……そうか、なら町まで気ぃつけて帰りや。

俺たちは助けに行くで!伊藤はん、案内頼むで!」


高橋健太が気合を入れて出発の合図をすると、俺たちパーティーの十人は伊藤拓也を先頭にして出発する。

『気配ゴーグル』を伊藤拓也が付け、アンジェラという獣人の女性の元へ急ぐ。


走って助けに向かう俺たちを、遠藤たちは黙って見送っていた。




▽   ▽    ▽




「……はぁ、俺たち何してんだろ」


俯いたまま、無精ひげの久保という男がつぶやく。

俺たちは、借金を返すためにこのダンジョンに来たはずだった。しかし、いつの間にか魔導銃とはいえ銃が使える状況に喜び、サバイバルゲーム感覚で戦っていたらしい。


俺の手にある自動小銃型の魔導銃が、初期型だったとは……。

どうりでこの階層に来てから、魔物が倒しにくくなっていたわけだ。


「俺、レベルさえ上げれば強くなれるものとばかり……」

「だが実際は、強くなんかなっていなかったわけだ。

この魔導銃も、買い替えないといけないものだとはな……」


長い金髪の松尾という男と、短髪の小島という男が反省している。

俺たちって、講習会の話をちゃんと聞いてなかったんだな。しかも、探索者ギルドでもらった冊子さえも読んでなかった。


「それより遠藤、助けに行かなくてよかったのか?」

「そうだよ、俺たちが有名になるチャンスだったかもしれないだろ?」


田上と東条は何も分かっていない!


「お前らなぁ、俺たちの今の状況で助けに行けるわけねぇだろ」


そう、俺たちの今の姿を見て助けに行けるわけがない。

みんなのケガは、ポーションで治療できたかもしれないがボロボロの服に、弾切れ寸前の魔導銃。


予備も心もとない状況だ。

ダンジョン町まで戻るだけで、精いっぱいの状況なのに他人を助けに行ってる場合か!俺たちは、やり直さなければならないんだ。


「……とにかく町まで戻ろう。そこで一から準備しなおしだ」


まずは町まで戻る、話はそれからだ。

俺たちのレベルは百を超えているが、戦力はあのパーティーにも劣る。今まで宿や食事にしか金は使ってなかったが、これからは違う。


……俺たちは、もっと強くなる。







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