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ダンジョンで借金を返済することになった男の物語  作者: 光晴さん
パーティでのダンジョン探索

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第47話 不思議な赤い箱




「交換は済んだか?」

「交換完了」

「よしっ、ゆっくりみんなと合流するで」


俺の側で、ダンジョンオオカミをけん制している高橋健太と、長谷川大輝がゆっくりとダンジョンオオカミを睨みながら移動する。


『グルルルル……』


ダンジョンオオカミは油断せず、俺たちをじっと睨みながら唸っている。

緊迫した空気が、辺りを包み込んでいた……。




「伊藤さん、ポーションを飲んで!」

「クッ、あ、ありがとう……」


田辺美咲から手渡されたポーションの瓶を口に付け、一気に飲み込む。

すると、伊藤拓也の左肩にできたダンジョンオオカミの爪痕の傷がみるみると回復し、治癒していく。


「……お、おお、すごいなポーション。もう動かせる!」

「よかったぁ~」


伊藤拓也の回復に安堵の表情を見せた田辺美咲、そして、側にいた小西葵も同じだ。

だが、それがダンジョンオオカミには隙と見えたのだろう。


『ガァアア!!』


一瞬の跳躍で、一気に小西葵へと距離を詰める。

一瞬の行動の遅れが、生死を分けるとはこのことだろう。ダンジョンオオカミの爪が小西葵に届くか届かないかの所で、真横から攻撃を受けた。


何十発という『フリーズアロー』をまともに食らい、ダンジョンオオカミは、光の粒子から魔石へとその姿を変えた。


「……はぁ、はぁ、はぁ」

「間に合った……」


息を整える小西葵に、俺の安堵の言葉が耳に入る。

俺のを見る小西葵に、俺は笑顔で答えた。

そこへ、高橋健太と長谷川大輝が近づいてきた。


「大丈夫か?」

「大丈夫っスか?」


心配して声をかける二人に、小西葵は頷くことしかできなかった。

あんな経験をしたんだ、無理もない。


「伊藤さん、ありがとうございました!」

「いや、無事でよかった」


俺たちの後ろでは、伊藤拓也に助けられた杉本麻美がお礼を言っていた。

同じように、娘の杉本美月も頭を下げてお礼をしている。


しかし、今回はダンジョンオオカミという初めての魔物だった。

しかも素早く、最後の一匹は火属性が効きにくいというおまけ付きだ。ダンジョン探索を続けていくたびに、こうして強い魔物と対峙していかないといけないのだろう。


今回は大丈夫だったが、次回はどうなるか……。


俺は周りを見渡し、安全を確認したうえでダンジョンオオカミの魔石を回収していく。そして、俺の出した土壁が崩れると宝箱が現れた。




「宝箱が現れたっちゅうことは、アレやな」


宝箱の周りに集まった俺たちを見渡しながら、高橋健太は確認する。

そう、コボルトやオークの時と同じ宝箱なんだろうと。


「でしょうね、あんな強い魔物がいたんだもの」

「なら、この中身は大金の入った布袋っすか……」


田辺美咲が答え、長谷川大輝が宝箱の中身を予想する。

その場にいる全員が息をのみ、高橋健太が宝箱をゆっくりと開ける。


ギギギと錆びた音をたてながら蓋が開くと、中には大きな布袋と赤い箱が一つ入っていた。その中身に、全員で顔を見渡しまずは布袋を取り出す。


「ずっしりと入っとるでぇ。中身は……金貨やな。

なんぼ入っとるんやろか?」


とりあえず枚数の確認は後回しにして、次に赤い箱を取り出す。

赤い箱はそんなに大きいものではなく、手のひらサイズのものだ。大きさからして、中に何が入っているのか分からない。


とにかく中を確認しようと開けるために、箱をあちこち確認するが開けるところが分からない。


「……これ、どうすれば開くんや?」

「無理に開けようとしないで、ギルドに任せてみるのは?」

「……せやな、そうするか」


というわけで、赤い箱も金貨の入った布袋も高橋健太の無限鞄にしまい、俺たちはダンジョン探索を続けることにした。



「とりあえず、この通路の先へ行ってみましょうか」


中川明日香の提案で、俺たちは隠し通路の先へ進む。

もうダンジョンオオカミのような魔物が出ないことを願いながら進んでいくと、丁字路へ出た。


「う~ん、どっちへ進むっスか?

ちなみに、右には魔物の反応は無いっスけど、左には六体の魔物の反応があるっス」


六体の魔物か……。

ダンジョンオオカミみたいな魔物が、六体も出てきたら厄介だしここは右かな。

そう考え、高橋健太を見ると、右を指さした。


「まずは、安全と思える方に向かうで」

「「「は~い」」」


高橋健太の提案で、安全と思われる右の道へ進むことに。

それに笑顔で返事をしたのが、田辺美咲に小西葵、それと杉本美月だ。


この三人は、歳が近いからか、同じ大学生だからか分からないがとにかく仲がいい。

友達っていいよな……。



とにかく、魔物のいない右の道をまっすぐ進む。

すると、行き止まりになっている壁に到着する。確かに魔物はいなかったが、行き止まりとは……。


「待つっス、この壁の向こうに人の反応があるっス。

何人も反応があるっスから、休憩場所になっているんじゃないっスかね?」

「……て、ことは……あった。芝生の影に突起物や」


高橋健太は、長谷川大輝の気配察知の結果を聞き、これも隠し扉と判断して壁の下を捜索。案の定、突起物を発見しそれを踏む。


すると、ゴゴゴゴという音とともに壁が上に上がって、俺たちを凝視する探索者たちが現れた。

いや、向こうからすればいきなり現れたのは俺たちってことかな?








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