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ダンジョンで借金を返済することになった男の物語  作者: 光晴さん
パーティでのダンジョン探索

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第42話 鍵の行方




隠し通路に入り、そこにいたオーク二体を何とか倒した俺たちの前に、宝箱が出現する。俺たちは宝箱の周りに集まり、中身が何か想像する。


「さて、開ける前に気づいたことがあるんや」

「気づいたことっスか?」


俺たちのパーティーのリーダーをしている高橋健太が、いつになく真剣な表情で話す。


「前回は、罠を発動させてコボルトやった。

今回は、罠、かどうかは怪しいが発動させてオークや。

コボルトの時の宝箱から出てきたもんを考えると、もしかするともしかするでぇ」


……そういえば、コボルトの時は宝箱から金貨六百五十二枚だったな。

普通ダンジョンの魔物を倒しても、魔石だけで宝箱は出ない。

ということは、魔物を倒して宝箱が出るってことはボスモンスターを倒しているってことなのか?


でも、そう考えるなら今回の宝箱の中には……。


「ほんなら、開けるで……」


高橋健太がそう言い、全員の顔を見渡してからゆっくりと宝箱を開ける。

宝箱特有の変な音とともに蓋が開いていき、中身が見えた。


「……布袋、やな」

「前回と同じっスね……」

「ということは……」


高橋健太と長谷川大輝が、中を確認して感想をもらす。

そして、確信したのか中川明日香が手を伸ばし布袋の口を開いた。


「!金貨!!」

「だけやない!奥に何か黒いもんが見えるで!」


高橋健太は、袋の口に手を突っ込みその黒いものを取り出した。

それは、黒い鍵だ。


「……鍵?これどこの鍵?」

「……これ、鍵の先端に凸凹が無いわよ」

「ホント、出来損ないかしら?」


通常、鍵と言えば先端に凹凸がありそれが錠の中のシリンダーを動かし、開けたり閉めたりできるものだ。

でも凹凸がないということは、もしかして魔力を使う、のか?


田辺美咲と小西葵に杉本美月の三人が、不思議がっている鍵を持った高橋健太に俺は確かめるためにお願いしてみる。


「高橋さん、それに魔力を流してくれるか?」

「魔力か?ええでぇ」


高橋健太は、持っていた黒い鍵に魔力を流す。

俺たち地球人の魔力は微々たるものだが、あるにはあるからな。そうでないと、魔道具や魔導銃を使うことができないし……。


魔力を流した鍵は、ぼんやりとブレード部分に刻まれた魔法陣が青い光を放った。


「光った!」

「……ここが魔法陣ってことは、これ『魔法のカギ』ってことかな?」


これで、魔力を使うカギってことが分かったけど、どこに使うものなんだ?

めずらしい、地球ではまず存在しない鍵を前に考える。


すると、誰かが俺の右手を引っ張った。

引っ張られた方に顔を向けると、そこには顔を青くした杉本麻美がいた。

そして、光の届かない先を指さす。


「杉本さん?何かあり……」


暗闇に浮かぶ青い光。

人魂か!?と見間違えたが、よく見ると鍵穴が青く光っていた。


「……か、鍵穴ですよ、杉本さん」

「へ?……よ、よかった。暗闇に青い光でしたから、人魂かと思いました……」


杉本麻美は、胸をなでおろすようにホッとした表情を見せる。

確かに、ライトの魔道具で照らしきれない場所に鍵穴はあった。

暗闇に青い光は、日本人なら勘弁してほしい光り方だな。



宝箱の中にある布袋を、中川明日香の無限鞄にしまい、鍵を持つ高橋健太が先頭で俺たちは鍵穴近くへと移動する。

鍵穴があった場所が、ライトの魔道具で照らされるとそこに扉があることが分かった。


「年期もんの扉やな、これ……」

「しかも鍵穴以外、取っ手やノブすら無いっスよ」


これを扉と言っていいのかどうか分からないが、ここだけ他の壁と違うのだ。

ということは、扉以外ないだろう。


「入れるで?」


高橋健太が、後ろにいる俺たちに確認するように聞いてきたので全員で頷く。

カギを鍵穴に差し込む。


……何か起こるのかと、キョロキョロと周りを見るも何も起こらなかった。

高橋健太が、のどを鳴らしカギを捻る。


すると、鍵穴から放射状に青い光が走ったかと思うと大きな音をたてて扉がゆっくりと開き始めた。


ゆっくりゆっくりと外開きに開いていく扉。

そして、扉の先が視界に入る。


「見て!奥の部屋の中央に何かある!」


扉が開ききって、部屋の中へ入っていく俺たち。その部屋は六畳ぐらいの狭い部屋で、中央に大きな大剣が飾ってあった。

鞘に東洋の竜が描かれていて、めちゃくちゃ強そうというより高そうな大剣だった。


近くで眺めていると、あちこちに宝石か魔石か分からない物が散りばめられている。

これって、儀式用の宝剣か何かか?


「……ダメ、この部屋に出口みたいなものは無いわ」

「そう、となると元来た道を戻るしかないわね……」


杉本親子は、宝剣に目もくれずこの部屋の中を調べていたらしい。

宝剣に目を奪われていた俺たちは、そのことに気づくと少し顔を赤くしながら飾ってあった宝剣を手に取り、高橋健太の無限鞄へとしまった。


「その大剣、どうするんスか?

パーティーの誰かが使うとかっスか?」

「この大剣は、ギルドに買い取ってもらうんや」


高橋健太の答えを聞いて、長谷川大輝と仲間の何人かが驚いている。

いやいや、装備できないものを取っておいても宝の持ち腐れだろう?

こういうものは、使える人に使ってもらうのがこの大剣のためでもあるんだ。


それに、俺たちが装備する魔導銃は、ダンジョンからは出ないんだよな……。







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