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ダンジョンで借金を返済することになった男の物語  作者: 光晴さん
パーティでのダンジョン探索

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第39話 二人の名前




ギルドマスターが、会議室を出て行ったあと残った二人の女性が自己紹介を始める。


「す、杉本麻美と言います。隣にいるのは、私の娘で杉本美月です。

娘ともども、これからよろしくお願いします」


そして、座ったまま頭を下げる。

二人が頭を上げた後、俺たちの自己紹介をしてお互いの名前を知る。


その後は、質問タイムとなった。

まずは、田辺美咲が、どうしても知りたかったことを質問した。


「杉本さん。あ、お母さんの方ね。

娘さんの方は名前で呼ぶけど、いいかな?」

「あ、はい、大丈夫です……」


「うん。それで、まずは最初にこの世界に来た時のメンバー事を教えてくれる?」


杉本麻美は、少し困惑しながらも教えてくれる。

本人にとっては思い出したくないのだろうけど、知っておきたいんだよね。


「えっと、講習会を受けたときのメンバーの事ですね?

……私と娘以外の人たちは、全員同じ大学の学生だそうです。

お互いが、様々な事情で借金を抱えていたことに驚いたものの、すぐに返済に向けて頑張ろうと意気投合したようでした。

ただ、私たちのことは、いえ、私のことは避けていたようです」


「お母さん……」

「ううん、大丈夫。おそらく私だけおばさんだし、借金の金額が多かったみたいだからね。それで敬遠されていたんだと思う。

美月は、色々と話しかけられていたけど……」


そう杉本麻美が、娘の杉本美月に話しかけると嫌な表情になりあからさまに嫌悪しているようだ。


「あんな連中と一緒になんて、死んでも嫌!

とくにあのサングラスの二人、私の体に触ろうと近づいてきたのよ!気持ち悪い!」


そう吐き捨てると、腕を組みフルフルと震えていた。

どうやら、悪寒が走ったらしい。よほどなエロ目線を送っていたんだな……。


震える娘の杉本美月を抱き、母親である杉本麻美は話を続ける。


「……あの人たちは、大学で『サバゲ―』仲間だったそうです。

サバイバルゲームというやつで、森とかいろいろな確か決められた場所で、モデルガンを使って撃ち合うところをテレビで見たことがありましたが……」


サバゲ―仲間か。

もしかして、サークルでそんなことをしていたのかな?


「ならそいつら、講習会でめっちゃ興奮してたろ?」

「はい、そうです!

講師のグングニルさんが、魔導銃を使って弾倉を込めたりしたところなどは特に!

それに、着替えを選んだ時も、全員迷彩服という同じものを着ていましたし……」


迷彩服って……。

ここは、戦場じゃない。ダンジョンの中だ。

迷彩服に意味なんてあるのか?


「その後、講習会を終えてダンジョン町を目指すとき、私たちは何もしないようにと言われました。戦闘は、任せてほしいとだけ」

「なるほど、部外者は引っ込んでろってことっスね……」


魔導銃とはいえ、地球にある自動小銃と同じ形をしているんだ。

使ってみたい撃ってみたいって、興奮していたんだろうな……。


「ダンジョン町にたどり着くまでに、魔物との戦闘はあったんですか?」

「いいえ、無かったわ。

だからあいつら、すぐにダンジョンの下層を目指したのよ。

それでお母さんが止めて、色々することがあるだろうって注意したら、パーティーを追い出されたのよ」


理不尽な追い出しに、中川明日香と田辺美咲に小西葵が怒っている。

注意したぐらいで、パーティーを追い出すなんてって。


「それで、探索者ギルドに相談したわけか」

「はい、講習会ではパーティーでの行動を推奨されていましたし、私たちは初心者。

戦ったこともダンジョンも経験したことありませんから」


……なるほど、ギルドに相談し他のパーティーを探したってことか。

しかし、ギルドも困っただろうな。ダンジョン初心者を受け入れてくれる、しかも魔力固定の地球人を仲間にする探索者はな。


それで、地球人は地球人同士ということで、お願いしたと。

でも、五組もいて五組とも断られるっていうのはな……。



「なあ、ギルドで紹介された五組の地球人のパーティーってどんなパーティーだったんだ?」

「五組とも普通のパーティーでしたよ。

人数は、四組が九人で最後の一組が十人でした。ギルドが紹介してくれるパーティーですから、最初は歓迎されるんです」


「最初は?」


何か問題があるようだ。

それも、ギルドが紹介したパーティーではなく杉本さん親子の方に……。


「ギルドの紹介してくれた五組のパーティーのそれぞれのリーダーの人に、この会議室で会っていろいろ話していたんです。

ある質問に答えたところで、全員がパーティー加入を断りました」


「それはなんや?」

「……返済金の額です。

娘は二百万円、そして私が……五千三百万円あります、と……」


なるほど、それで断ったのか。

ダンジョンで得られた報酬の分配に、返済金額の多さ。さらに、どこまで一緒のパーティーで活動するかとか考えたら、すべて返済するまでは無理だと。


五組の中には、何人かがすでに返済を終えているメンバーもいるだろうしな。


「私たちなら心配いらないわ。

私の返済額も、三千万円ほどあるしみんなで頑張りましょう」

「中川さん……」


中川明日香と杉本麻美は、気が合いそうだな。同じ主婦のようだし。

娘の杉本美月は、田辺美咲と小西葵と話し始めて同じ大学生だと意気投合したようだ。



「ほんなら明日、このメンバーでダンジョンの二階層に行って探索してみるで。

それで、何が足りないのとか確認や」


杉本麻美と杉本美月が加入して、合計十人。

……そういえば、パーティー名を決めとけとか言っていたな。








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