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ダンジョンで借金を返済することになった男の物語  作者: 光晴さん
パーティでのダンジョン探索

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第38話 ギルドからのお願い




俺たちがこの『クレスバールのダンジョン』で探索を始めて、二週間が経過した。

その間、俺と伊藤拓也と長谷川大輝の借金が完済され、他のメンバーも完済はできていないが、だいぶ返済することができた。


毎日のように、ダンジョンに探索に出かけるものだから、それぞれのレベルがかなり上がり戦闘がかなり楽になった。


そんなある日の夕方、第二階層に続く坂道を登ってくるとパーティーメンバー全員の『ステータスデバイス』が鳴った。


「……この音って、探索者ギルドからのお知らせ、か?」

「普段全く使わん機能なんよな……」


伊藤拓也と高橋健太が、自分の『ステータスデバイス』を取り出し中を確認する。


これは、探索者ギルドに登録したときに追加された機能で、要はお知らせメールがギルドから『ステータスデバイス』に届いたというわけだ。


「……何や、俺たちに話があるそうやで」

「ギルドからの話って、なんか怖いっスね……」


長谷川大輝が、何やら怖がっているが俺は何かポカしたかな?と心配していた。




探索者ギルドに入ると、すぐに受付嬢に会議室へ行くように促される。

そこで、大事な話があるそうだ……。


これは、ポカどころの雰囲気ではないなとドキドキしながらパーティーメンバー全員で会議室に入った。

するとその会議室にいたのは、三人の女性だ。


一人は、このダンジョン町の探索者ギルドのギルドマスターで、俺たちと一緒にゴブリンの集落を討伐に向かった、オフィリア・モーネスだ。


この人、三十代だっていうのに見た目は二十代前半にしか見えないんだよな。

で、そのギルドマスターと一緒にいる二人の女性は、格好から地球の、しかも日本人の女性たちだと分かった。


「よく来てくれたな、こっちに座ってくれ。大事な話があるんだ……」


ギルドマスターは、自分たちの座っている向かい側の席を進めてくる。

俺たちは、それに素直に従い、向かい側の席へ座った。


「失礼します」


俺たちが椅子に座るとすぐに、受付嬢の一人が俺たち用のお茶を出してくれる。

探索者ギルドで出てくるお茶は、ほぼ紅茶だ。

……俺、苦手なんだよな。紅茶って。



「……では、私たちを呼び出した話を聞かせてもらえますか?

まあ、そちらのお二人の事ではないかと薄々気づきましたが……」


こういう真面目は場合の交渉は、中川明日香に任せることにしている。

普段なら、リーダーである高橋健太でいいのだが、関西弁がどうもなれなれしいみたいだとパーティーメンバーからクレームが入った。


そこで、まじめな場合を除き高橋健太が対応し、まじめな真剣な話の時は、中川明日香が対応することがパーティー内会議で決定した。


「うん、実はな、彼女たちを君たちのパーティーで面倒見てはくれないかと思ってな?」


彼女たち。ギルドマスターの隣に座っている二人の女性は、俯いたままこちらを見ていない。どこか諦めている感じがあるけど……。


「マスターはん、俺たちで何人目や?」


そう高橋健太が質問したとき、二人の女性が強張った。

……なるほど、俺たちの前にも断られていたのか……。


「五組目だ。

……君たちのような、地球からのパーティーにお願いして全員断られている」

「そんな……」


小西葵が、同情的な目で二人の女性を見る。

しかし、何故、今までのパーティーは断っているのか……。


「なぜ、断られ続けたんですか?」

「……他のパーティーは、戦闘での連携が取れないとか、初心者はちょっととか言っていたが、本当のところはこちらの女性の年齢だろうな」


田辺美咲の質問に、ギルドマスターは答えてくれる。

なるほど、確かに俺から見て左の女性は年齢がいっている感じはするが、たぶん本音は違う。だから俺は、確かめることにした。


「あの、お二人の返済額を教えてもらえますか?」


すると、俺の質問に二人の女性が一層強張った表情をした。

どうやら、当たりだ。


「そ、それは……」


左の女性が初めて声を聞かせてくれたが、返済額は言いづらいようだ。


「ああ、言いづらいなら言わなくてもいいですよ。

すみません、答えにくいことを聞いてしまって……」

「い、いえ……」


そう言うと、再び二人の女性は俯いてしまう。

そんな状況を考えて、中川明日香はリーダーの高橋健太に提案した。


「高橋さん、彼女たちを受け入れませんか?

人手は多い方がいいと思いますし、何より私たちもまだ初心者の部類ですし……」


「……せやな、八人パーティーが十人パーティーになるだけやしな。

分かりましたで、ギルドマスターはん。そのお願い、引き受けまっせ」


少しだけ考え、高橋健太は彼女たち二人を受け入れることにした。

俺たちも、このダンジョンで探索を始めてまだ一か月も経っていないんだ。

新しく、初心者の二人が入ってきても大丈夫だろう。


「お母さん……」

「……ええ、みなさん、よろしくお願いします」


二人の女性は立ち上がり、深々と頭を下げた。

そして、その隣ではギルドマスターが深々と息を吐いて安心している。


「よかった……。それじゃあ、お願いするよ」


そう言うと、立ち上がり会議室を出ていこうとするが、入り口のドアの前で何かを思い出したように立ち止まった。


「そうだ、君たちのパーティー名を考えてパーティーリーダーとともに登録しておきなよ。そうすれば、パーティー用の貯金もできるし、パーティー用の武器や防具、それに魔道具も購入することができるようになるからね」


パーティー用の武器や防具に魔道具が購入可能に、か。

どんなものがあるのか楽しみになってきたな……。


「マスター、それってここの町でも売っているの?」


田辺美咲が、目をキラキラさせながらギルドマスターに聞く。

この町にもあれば、購入を検討する気か?

……でも、世の中、そううまくはいかないんだよね。


「残念ながら、この町には売ってないよ。

もっと下の階層のダンジョン探索で需要があるものだからね、購入するならもっと下のダンジョン町へ行かないと」


「残念……」


田辺美咲だけじゃなくて、小西葵と長谷川大輝もすごく残念な表情だ。

そんなに、購入したかったのか?


まあ、とにかく二人の女性がパーティーに入ったんだ。

これからも、ダンジョン探索をしっかりとやっていこう!







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[気になる点] 皆の台詞が高橋・伊藤・長谷川・本田・田辺・小西・中川の7人のはずなのに度々8人と言ってるのが気になる
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