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ダンジョンで借金を返済することになった男の物語  作者: 光晴さん
ダンジョン探索

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第37話 油断




魔道具屋での買い物はその後、折り畳みのいすや机を購入し追加のポーションを購入して終わった。

結局、魔導銃専門の武器屋には寄らず装備はそのままだ。



次の日、パーティー全員が『気配ゴーグル』を装備しダンジョン第二階層へ進む。

変化は、第二階層へ入った瞬間から起きていた。


「おお。これはすごいっス!」

「……確かに、魔物の位置が手に取るようにわかる」


長谷川大輝と伊藤拓也が、『気配ゴーグル』の性能に驚いていた。

確かに、半径何メートル内の魔物の気配が分かる、ではなく、この階層の魔物の気配が分かる代物だったからだ。


「この階層すべてって、チートすぎるやろ!」


高橋健太が、その性能にツッコミを入れる。

とにかく、ゴーグルの示す魔物表示の場所へ『ステータスデバイス』の地図を合わせながら進むことにした。







「次の角から、ゴブリンが二匹やな」

「……準備完了!」


角から飛び出してくるゴブリンを、物陰から攻撃し討伐。

自動小銃型の魔導銃が連射し、ゴブリンを文字通りハチの巣にして魔石へ変えていた。


「……魔物の気配が分かるだけで、ここまで戦いやすくなるんやな」

「それだけじゃないです、魔導銃の弾の節約にも一役買っていますよ」


高橋健太と中川明日香は、改めてその性能に驚いていた。

だが、俺たちはこの時忘れていたのだ。

このチート便利グッズが、魔道具だということを。読んでいたはずの、使用上の注意を。



お昼の休憩をはさみ、第二階層の探索を再開しようとしたときそれは起こった。

なんと、『気配ゴーグル』に映し出されていたすべての表示が消えたのだ。


「あれ?ゴーグルの表示が消えたっスよ?」

「こっちも消えたわ、壊れたのかしら?」

「美咲ちゃん、どこにもぶつけてないし壊れたわけじゃないと思うよ」


装着しているゴーグルを、指でカチカチとつつきながら長谷川大輝や田辺美咲が故障を疑う。

小西葵は、どこにも激しくぶつけてないし故障ではないことを今までの戦闘から思い出す。


「……これってまさか!」

「あかん、すっかり忘れとったわ……」


伊藤拓也と高橋健太は、その答えにたどりつた。


「本田さん、もしかしてこれって……」

「……魔力切れだな。

このゴーグルが魔道具だってこと、すっかり忘れてたな……」


そうなのだ、魔道具は魔力が無ければ動かない。

この『気配ゴーグル』も、魔道具の一つである以上、魔力が切れれば動かなくなる。

所謂、電池切れというわけだ。


朝九時ごろからこの第二階層に潜り、探索に探索を繰り返して今の時刻は、午後二時だ。

ここまでぶっ通しで使っていたのだ。それは魔力もなくなるというもの。


全員のゴーグルが使えなくなったため、魔物の気配が分からない。

ここは、第二階層でもかなり奥の方に来ている。

ここから、第一階層の町に戻るには一時間はかかるだろう。


「どうする?自分ら、引き返すか?」

「魔力切れとなれば、引き返した方がいい。

今日の魔石は十分確保したし、俺は引き返すに賛成だ」

「私も、引き返すに賛成」


高橋健太の問いに、俺と中川明日香が引き返すに賛成する。

それから、伊藤拓也や田辺美咲が引き返すに賛成し、小西葵が賛成に回ると多数決が成立。俺たちは、このままダンジョン町へ引き返すことにした。



探索中は、ゴーグルの気配察知で魔物の居場所が手に取るようにわかったが、ゴーグルが使えない今は引き返すのも一苦労だ。


「周りの警戒を怠らないように……」


伊藤拓也が、デバイスの地図を見ながら慎重に歩みを進める。

だが、ダンジョン内を進んでいるのは変わらないので魔物にも遭遇するのだ。

しかも、探索中とは違いいきなり出現する。


丁字路の見えない左側から、二匹のゴブリンが出現。

訳の分からない鳴き声で、こちらを発見し笑っている。


その笑い声で、俺たちは反応し魔導銃を構えるものの一歩遅く、必ずゴブリンにメンバーの誰かが一撃貰っていた。


「あぐっ!」


今回一撃をもらったのは、俺だったようだ。

鈍器で腰を殴られ、その場に転ばされてしまう。それを見て、ゴブリンが襲いかかってくるが、みんなにハチの巣にされ魔石へとその姿を変える。



「クゥ~」


痛みを我慢し、自分の無限鞄からポーションを取り出し一口飲んだ。

すると、痛みはすぐになくなり痣も消えていた。


ポーションは便利だけど、ゴブリンから攻撃をもらうたびに使っていたのではもったいない。

そう思いながら、俺はポーションの空瓶を見ていた。


「しゃあなしや、本田はん。

今回のことはいい勉強になったと思って、次に生かすんや」

「……ですね。ほんと、いい勉強になりましたよ」


魔道具の特性を忘れ、魔力切れまでみんなで使ったことは反省するところだ。

次からは、メンバーの誰かに気配察知役をしてもらうようにしないとな。


後、お金に余裕のある今のうちに予備のゴーグルの購入も検討しておこう。


第一階層へ続く坂道が、ようやく見えてきた。

本当に、今回はいい勉強になったよ。

使い方も、戦い方も……。







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