表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンで借金を返済することになった男の物語  作者: 光晴さん
ダンジョン探索

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/201

第33話 怪しい話声




大量の金貨を手に入れた俺たちは、探索者ギルドに報告しに行く間に中川明日香の治療の様子を聞いた。

それは、俺が噴水から現れたコボルトと対峙したいたとき……。




「何してんねん!ポーションを使うんや!早よう、鞄から出し!」

「は、はいっス!」


高橋健太から叱責され、長谷川大輝は自分の無限鞄からポーションの入っている小瓶を取り出した。

ポーションの入った小瓶を取り出したはいいが、どう使っていいのか分からない。


小瓶を持ったままオロオロしていると、噴水の方から大きな叫び声が聞こえた。

魔物だ!魔物の叫び声に、伊藤拓也と田辺美咲、それと小西葵が反応する。


「ヒッ!」

「魔物!」

「クソ、今襲われたら!」


魔物を確認した高橋健太は、長谷川大輝の手に持っていたポーションの小瓶を強引に引っ手繰った。


「ポーションの使い方くらい分かるやろ!」

「あ……」


高橋健太は、引っ手繰った小瓶のふたを開けポーションを中川明日香の頭部にかけた。すると、熱くなったフライパンに水を入れたときのように、泡立ったのだ。

そして、泡が消えると傷も消えていた。


高橋健太の声で、中川明日香の治療を目撃した伊藤拓也は驚いた。

地球の医療では、考えられないポーションの治癒能力に。


「長谷川君、ポーションをもう一本!」

「は、はいっス!」


そう返事をし、無限鞄からもう一本ポーションの小瓶を取り出し、高橋健太に渡す。

高橋健太は、受け取った小瓶のふたを開けると、今度は中川明日香の口に付けポーションを飲ませた。


弱いながらも、コクコクとポーションを飲む中川明日香。


「……もう大丈夫や、中川はんは助かったでぇ」


そう言って、周りで心配していた長谷川大輝や伊藤拓也を見る。

さらに、二人で涙目になりながら祈るように見ていた田辺美咲と小西葵にも視線を向けると、二人抱き合って泣きだした。


その時、ドカンという大きな音が聞こえ、音のした方を振り向くと大きな土壁ができていた。

そして、すぐに赤い光が何回も見えた後、土壁が崩れるように消えた。




「で、その後は俺の知っている展開というわけか……」

「せや、でも、本田はんが魔物と戦ってるとは思わなんだな」


確かに、みんな一度はコボルトの存在を認識したみたいだったけど、すぐに中川明日香の治療に夢中だったようだし。

俺も、コボルトをみんなの元へ行かせないように必死だったしな……。


「それにしても、ポーションてすごいな」

「地球じゃあ、考えられない治癒能力っスよね」

「確かに、現代医学の常識が変わるよな……」


俺が、ポーションの治癒能力に感心していると、長谷川大輝が同意し伊藤拓也が俺たちの常識にてらして驚いていた。



「待った!」


ダンジョンの第二階層を、ダンジョン町へ引き返していると急に伊藤拓也が俺たちに声をかけその場に止める。

どうやら何かを見つけたらしい。


ゆっくりと進み、曲がり角に差し掛かると伊藤拓也は『しゃべるな』の合図を出し、柱と壁の間にあるくぼみに俺たちは隠れた。

耳を澄ますと、声が聞こえる。



「おい、そっちはどうだ?」

「いや、こっちには来てねぇ」

「そうか。……クソッ!このダンジョンは階層ごとに広いからな。

人ひとり探すのも一苦労だ!」


ガチャガチャと金属音が聞こえる。おそらく、喋っている連中が来て居る鎧がこすれる音なのだろう。

声が聞こえるたびに、金属音が聞こえる。


「それにしても、探索者に出会わねぇな」

「低階層とはいえ、広いからな。それに、ここに潜る連中はガンナーが多いそうだからすぐにレベルを上げて下へ行っちまうのさ」


……ガンナーって、レベルが上がりやすかったのか?


「それよりどうする?このまま、この階層を探し回るのか?」

「……とりあえず、姐さんに事情説明が必要だ。

金貨一千枚、みすみす取られましたじゃ目も当てられねぇ」

「それしかねぇか……」


再びガチャガチャと大きな音が二つ、遠ざかっていった。

……なるほど、あの金貨は今話していた連中から盗み出したお金の一部ってことなのか?



「……聞いたか?」

「聞いたというより、聞こえたが、今の連中が言っていたのは金貨一千枚だろ?

俺たちが見つけたのは、約金貨五百枚だ。

連中の探しているお金じゃないと思うけど……」


伊藤拓也の質問に答える俺は、お金の数が合わないと言って否定する。

もしかすると、連中の盗み出されたお金かもしれないが違うかもしれない。


「う~ん、判断がつかないな……」

「美咲ちゃんはどう思う?」

「分からないわね。何か、あいつらの物っていう印でもあれば……」


女性陣も話に加わってくるが、何も分からないままだ。

田辺美咲の意見の印が袋にないか確認しようと、伊藤拓也が無限鞄から金貨の入った袋を取り出そうとすると、高橋健太がそれを止める。


「こんな所で、あーだこーだ言うたって埒があかん。

ここは、ギルドに任せてしまうんが正解や」

「そうっスよ、ギルドなら調べてくれっスよ」


……確かに、俺たちに調べられる伝もないし、ここは探索ギルドにお任せしよう。

もしかしたら、困っている人がいるかもしれないし。


もしかしたら、俺たちのものになるかもしれないし……。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 普通の人達が協力して物事にあたる姿は良い‼️ [気になる点] このチームの人数、7人じゃなかったですか? 男性4名女性3名の。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ