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ダンジョンで借金を返済することになった男の物語  作者: 光晴さん
ダンジョン探索

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第31話 近接戦闘




それは、まったくの油断だった。

噴水がある水場で、俺たちは休憩をするはずだったのに地面に座りたくなかった俺は、噴水のふちに座ることにした。


ここがダンジョンの中であることは分かっていたが、まさかこの噴水に罠が仕掛けられているとは夢にも思わなかったのだ。


中川明日香と田辺美咲、それに小西葵は、この休憩時間で少し食事をする予定だったみたいだ。

そのため、装備していた自動集住型の魔導銃を無限鞄にしまい、噴水に近づき順番に手を洗っていた。

最後、中川明日香の番で噴水に仕掛けられたダンジョンの罠が発動した形だ。



「ハッ!長谷川君!!すぐに手当てを!」

「わ、分かったっス!で、でも、何をすれば……」


中川明日香が後方へ飛ばされ、地面に仰向けで倒れると一瞬何が起こったのかわからなかった。

しかし、すぐに俺が近くにいた長谷川大輝へ中川明日香の手当を指示するが、何をすればいいのかわからず長谷川大輝は右往左往してしまう。


そこへ的確に行動したのが、俺たち八人の年長者でリーダーの高橋健太だ。


「何してんねん!ポーションを使うんや!早よ、カバンから出し!!」

「は、はいっス!」


そう返事をすると、長谷川大輝は自分の無限鞄からポーションを取り出す。

取り出したのは下級ポーションだったが、今の中川明日香なら十分助かるだろう。

レベルも上がって体力もあるはずだし……。



その間に、俺は何が中川明日香を飛ばしたのか噴水に目をやると、そこには頭を押さえて蹲る魔物がいた。


『グゥルルルル……』


どうやら噴水の水の中から飛び出して襲うとしたところ、手を洗っていた中川明日香にぶつかったらしい。

しかも、頭の所がちょうど中川明日香の顔面、もしくは顎の所に。


だから、中川明日香は後ろへ飛ばされ仰向けに倒れたのか。

そのせいで、後頭部を打ち血まみれの状態だ。


「狼?」


その頭は狼そのものだが、抑えている手は人の手のような形だった。

反対側の手には、槍のような武器を持っているようだが、こいつは確か……。


『ガァアアッ!!』


魔物が今まで我慢していた怒りを開放するかのように、大声で吠えた!

そしてその大声は、中川明日香の周りにいた仲間にも聞こえたらしく、一斉にこちらを向く。


「ヒッ!」

「魔物!」

「クソ、今襲われたら!」


田辺美咲と小西葵が怯え、伊藤拓也が今の状況を知って嘆く。

高橋健太と長谷川大輝は、中川明日香の治療のため動けない。それに一刻も早く、ポーションの飲ませるなりしないと中川明日香の容態が心配なのだ。


「犬頭……コボルトか!」


俺は、この噴水から出てきたコボルトに一番近かったため、すぐに狙いをつけられ襲いかかられた。

だが、俺は少し焦りながらも、右側の後ろの腰にある自動拳銃型の魔導銃に手をやりホルスターから抜き出すと、襲いかかってくるコボルトへ素早く構え引き金を引く。


——————パパッ!


素早く二回引き金を引くものの、コボルトは素早く左側へよけた。

そのため、噴水の水面に魔導銃から発射された『ファイアーアロー』が当たり、ジュッジュッという音とともに消えた。


「素早い!」


よけてもさらに向かってくるコボルトに、魔導銃を向けて引き金を引く。

何としても、俺に襲いかかってくるうちに倒しておきたい。


俺の焦りは照準へ影響を及ぼし、コボルトに命中することはなかった。

それどころか、するするとよけ俺に襲いかかってきた。


――――――パッ!パッ!


地球の銃のように音が鳴るわけではないが、それでも魔導銃から魔法が飛び出すときの赤い光が何度も辺りを照らす。

だが、その魔法が当たることはなくコボルトの槍の切っ先が俺の肩をかすめたとき、魔導銃の弾が切れた。


「くッ!」

『ガアアッ!』


俺はとっさに足を延ばし、巴投げの要領でコボルトを俺の後方へ投げ飛ばした。

だが、コボルトは地面に叩きつけられることなく、着地し中川明日香の治療をしている仲間たちを発見。標的を俺から仲間に切り替えた。


俺はコボルトが、みんなの元へ動き出す前にとっさに左の腰の後ろにあるホルスターから、もう一つの自動拳銃型の魔導銃を抜いて構えた。


ダンジョン町の魔導銃専門の武器屋で購入した、『壁魔法』の魔法陣が刻まれた魔導銃だ。


——————パパッ!


俺が引き金を引くと同時に、コボルトが襲いかかった。

だが、みんなとコボルトとの間にある地面に打ち込んだ壁魔法は、撃ち込まれると同時に発動し二枚の大きな土の壁を形成し、コボルトの進路を妨害した。


『グギャッ!』


ドカンと大きな音とともに、コボルトの叫びが聞こえる。

俺の目の前で、コボルトが壁に激突したようで壁の足元で苦悶の表情をして蹲っている。俺はそれをチャンスととらえ、すぐに弾切れとなった魔導銃の弾倉を交換。


苦しむコボルトへ向けて、何回も引き金を引いた。

すると、呆気ないほどにコボルトに命中し、魔石へと姿を変えた。


コボルトを討ち取った安堵からか、俺はその場にしゃがみ込み大きく息を吐いた。







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