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ダンジョンで借金を返済することになった男の物語  作者: 光晴さん
ダンジョン探索

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25/201

第25話 モンスターハウス




モンスターハウス。

ダンジョンに時々存在する、罠の一つである。

何かのきっかけでたくさんの魔物が詰まった部屋を開けてしまい、数で押されて大変な目に合うのだ。


なかには、その魔物の数に押されパーティー全滅ということもあり得る恐ろしい罠である。



俺たちを案内したニナという女の子は、モンスターハウスを開けてしまったパーティーの一員で助けをダンジョンの上の階へ求めるつもりだったようだ。


「高橋さん、とにかくあの盾を持った人の間から攻撃をして助けましょう!」

「せ、せやな、このままやと部屋の魔物が溢れてしまうな!」


中川明日香の協力をしようという提案に、高橋健太が賛同する。

俺たちは、戦闘準備を整え盾を構えて魔物を部屋から出さないようにしている戦士の後ろに着き、盾に襲い掛かってきて外に出ようとしているゴブリンたちに攻撃を開始した。


「盾の向こうにいるゴブリンを一斉射だ!」


戦士の構えている盾は、人ひとりが隠れるほどの大型でモンスターハウスの入り口の大半をふさいでいた。

だが、縦に長いわけではない。


そのため、戦士の盾の上からよじ登って抜けようとするゴブリンもいたのだが、これは魔法使いの女性が次々と撃ち落としていく。


俺たちは魔法というものをはじめてみたわけだが、詠唱が少し煩わしそうではあったが、なるべく連射のできる魔法を放っていた。


「盾の左右から攻撃しろ!とにかくゴブリンの数を減らすんだ!」


伊藤拓也が再び叫び、俺たちは左右に分かれて自動小銃型の魔導銃を連射する。


――――パパパパパパパパパッ!パパパパパパパパッ!


引き金を引けば、魔導銃の先から『ファイアーアロー』が連続で射出され、盾の向こうで騒ぎ襲いかかってきているゴブリンを打ち倒していく。


『ギャギッ!ギャアギャア!』

『ギャガァァ!』


次々に光の粒子に変わるゴブリンだが、モンスターハウスの中のゴブリンはなかなか減らない。

さらに、消えたゴブリンの場所を塞ぐように、さらにゴブリンが襲いかかってくる。


「まったく!後から後から!」

「クソ、切れた!弾倉を交換しないと」

「本田さん、弾倉残ってないっスか?!」


ゴブリンの数に、俺たちの弾切れならぬ魔力切れの方が早くなる。

現に、長谷川大輝の自動小銃型の魔導銃の弾倉は切れていた。予備もすべてだ。


「長谷川君、魔導銃を変えろ。

自動拳銃の魔導銃ならまだ弾があるだろう」

「わ、分かったっス!」


長谷川大輝は、慌てて無限鞄から自動拳銃型の魔導銃と予備弾倉を取り出し、再びゴブリンに向けて撃ち始める。


「俺、これ苦手なんっスよ……」


そう言いながらも、何回も撃ち続ける。

時間にして十分ほどの戦いだったが、俺たちにしたら一時間ぐらいの体感時間だった。

ようやく、ゴブリンの数も減りあと三匹ほどというところで、部屋の中央に宝箱が出現する。しかも、黄金色の宝箱が……。


「金の宝箱が出てきたぞ!」


黄金色の宝箱出現に喜んだのは、戦士が後ろに押し出されないように支えていた剣士だけだった。


「ヘンリー、喜んでいる場合?明らかに怪しすぎるでしょ!」

「そうだよ、ヘンリーさん。あれ、絶対罠だよ……」


魔法使いの女性、確か名前はローリーさんだったか。そのローリーさんと、女の子のニナちゃんが剣士のヘンリーさんを注意している。

盾を構えている戦士のアルスさんは、まだゴブリンがいるためその場を動くことなく構えたまま。


「……とりあえず、ゴブリンを始末してしまおう」


伊藤拓也の提案に、俺たちは頷き、モンスターハウスに残るゴブリン三匹を打ち倒した。




「……ようやく終わったか」

「まだだよ、盾の戦士さん。魔石を回収しないと」

「ああ、そうだな。ニナ、ローリー、ヘンリー、手分けして集めよう」


その場にいた全員で、黄金色の宝箱とゴブリンの魔石が転がるモンスターハウスの中へ入り、魔石回収を始める。

とくに入ってきた入り口付近が一番魔石の数が多かった。


「高橋さん、どうするっスか?ここに来て、もう弾切れっスよ……」

「なら引き返さなしょうがないな」

「ダンジョンの二階層に来て、一時間もせずに引き返すことになるとはな……」


長谷川大輝と、高橋健太と俺はダンジョン探索がすぐに終わったことに不満だった。

もう少し、色々見て回りたかったのだがな……。



全員で魔石を回収し終わると、魔石の分配について話し合おうとしたとき、ヘンリーが黄金色の宝箱を開けてしまう。


「さて、何が入って……ん?これは何だ?」

「あ、ヘンリーさん!」


宝箱を開けたヘンリーを注意しようとニナが近づくと、中を覗いていたヘンリーが俺たちを手招きで呼んだ。


「罠は無いから来いよ。いい物が入っているぞ」


そう言った後、宝箱の中から取り出したのは、俺たちのショルダーバックと同じくらいの布の袋と三本のガラスの小瓶に入った液体だ。


全員がそばに来ると、ヘンリーは布の袋の口を縛っていた紐をほどいた。

すると、袋の中身が俺たちの前にあらわになる。


「これ、全部銀貨か?かなりの数があるが……」

「ギルドで数えてもらってから、分配を考えるか?

それとも、ここで決めてしまうか?」


ヘンリーは袋の中身を見せながら、俺たち全員を見渡す。

これは、平等に分ければ文句は出ないと思いたいが……。








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