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ダンジョンで借金を返済することになった男の物語  作者: 光晴さん
ダンジョン探索

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24/201

第24話 第二階層へ




翌日、俺たちは装備を整えると探索者ギルドの裏手にある大きな倉庫のような建物に来ていた。

この建物の中に、ダンジョンの第二階層への入り口がある。


「すごい行列っスね……」

「この町の、外から来ている人たちもいるらしいからな」


ダンジョンの第二階層への道は、階段状になっているのではなく坂道になっていた。ここをパーティーごとに降りて行っている。

そのため、この行列となっているのだろう。


「最初のパーティーが潜って、しばらくしてから次が潜るようにギルド職員に誘導されているからな。

これは少し時間がかかるだろう……」


長谷川大輝が、探索者たちの行列の長さに驚き、伊藤拓也が探索者ギルドでもらった『ダンジョン入門』とかいう冊子を見ながら解説している。


「そうそう、本田さんが言っていたスキル、でしたか?

私たちにもありましたよ」

「せや、俺も表示しとった。これのおかげやったんやな、ここの人らと話せとったのは」


俺のすぐ後ろに並んでいた中川明日香に、俺の前にいた高橋健太がうれしそうに話してくる。


今朝、宿の食堂でみんなにステータスデバイスに表示されたスキルのことを話したのだ。その時は携帯してなくて後で確認するといっていたが、自分の部屋に戻って確認してわかったのだろう。


これから先、他のスキルを習得できるといいのだが……。



みんなで雑談をしていれば、順番はすぐにやってくる。

この列に並んで十分程か、ようやく俺たちの順番となった。


「ほんならいくでぇー」

「「おう!」」


高橋健太の合図に返事をしたのは俺と伊藤拓也だけだったが、みんな緊張から声が出せなかっただけみたいだ。

とにかく、俺たち八人はギルド職員の女性にステータスデバイスを見せて坂道を降りていく……。




▽   ▽    ▽




クレスバールのダンジョン、第二階層。


俺たちが坂道を降りてきて、最初に見たのは大きな石の柱だった。

高さ五メートルはあるだろうか?それがいくつも並んでいて、柱と柱の間にレンガの壁が造られている。


さらに天井や地面も煉瓦でできているみたいで、頑丈にできているのは分かった。


「これ、すごい頑丈やな……」

「でも、壁と柱の境目に、こんな隠れる場所があったら見つけにくいんじゃない?」

「ん~、せやな……。これは気ぃつけて探索するしかあらへんな……」


高橋健太と中川明日香が、ダンジョンの壁と柱を観察しながら戦い方を検討している。

確かに、隠れやすいように壁が柱から少し奥まって造られている。

これは、俺たちが隠れやすいと同時に敵も隠れての待ち伏せができるということになる。


とにかく慎重に進むことになった。



入り口から十メートルほどまっすぐ進むと、丁字路に出た。

右に行くか左に行くかで迷うが、どちらへ進んでも変わらないということで右へ進むことに。


「………」

「どうしたんだ?長谷川くん」


丁字路を右に曲がり、五メートルほど進んだところで長谷川大輝が耳に手を当てて音を拾う仕草をした。

その急な行動に、俺は少し驚いて聞いてみた。


「……こっちの道に入ってすぐ、悲鳴が聞こえたっス」

「悲鳴?……俺には聞こえなかったけど」

「いや、間違いないっス。確かに、この先から聞こえたっス」


そう指さす方向は、俺たちがこれから向かう方向だ。

何かいるのかもしれないと、高橋健太を見ると、頷き魔導銃を構えて進み始める。


「警戒しながら進むぞ」


伊藤拓也が、俺たちに注意を促して高橋健太に続く。

通路の左右の端に、四人ずつ寄り慎重に進むと前方から女の子が一人走ってくるのが見えた。


「はぁ?こんなところに何で?」

「わ、罠?」

「いや、ダンジョンの罠はもっと下層からって冊子にあったから罠の可能性はないよ」


田辺美咲と小西葵は、女の子の存在が信じられず罠ではないかと疑うが、伊藤拓也が読んでいた冊子の話をすると罠の可能性は消える。

では、今走ってきている女の子は何者なのか?


「アホ、ごちゃごちゃ言うとらんと助けんかい!」

「そうでした!」


高橋健太に怒られ、俺たちは通路に姿を現し走ってきた女の子に接触した。


「た、助けて!」

「だ、大丈夫。私たち探索者だから。もう大丈夫だよ」

「ち、違うの!みんなが、みんなが!」


女の子は、焦った様子でしきりに通路の先を指さし、小西葵の手を引っ張っている。俺たちは、もしかしてと女の子の誘導に従い通路の先へ急いだ。



女の子のスピードに合わせて百メートルぐらい走っていくと、だんだんと声が聞こえてくる。

それは、誰かが戦っていると分かる声。

さらに進み丁字路に出ると、左から金属音などの戦闘音も聞こえてきた。


「アルス!通路に出すなよ!」

「分かっているが、数が多すぎる!」

「ニナが人を呼びに行ってるから、それまで持ちこたえるんだ!」


「だが、俺の盾にも耐久力が」

「援護はする。ローリー、まだか!」

「急かさないでよ、詠唱難しいんだから……」


大きな盾を構え、金属の鎧を着た戦士。

その後ろで、戦士の男を支える剣士らしき男。

さらにその後ろで、杖を構えて魔法を撃つべく詠唱をする魔法使いの女性がいる。


その三人の元へ走っていく女の子。

どうやら、彼らが女の子の仲間のようだ。


さらに変な鳴き声も聞こえる。それもかなりの数の鳴き声が……。



「あんたら手伝ってくれ!モンスターハウスを開けてしまった!!」







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