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ダンジョンで借金を返済することになった男の物語  作者: 光晴さん
最初のダンジョン町で

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22/201

第22話 越えられない壁




銀行の待合場所のような探索者ギルドの中で、ゴブリンの集落討伐を成した全員で待っていると換金室へ入っていった職員の男が出てきた。


その手には大きめのトレイを持ち、その上に人数分の袋が用意されている。

たぶん、袋の中身は今回の報酬だろう。


「お待たせしました、ギルドマスターと私を除いた他の皆様で分けた報酬です。

どうぞお受け取りください」


そう言われて、俺たちはそれぞれ受け取っていく。

俺も、トレイの上に載っていた袋の一つを取ると、中身をすぐに確認した。


……確かに、銀貨四十二枚と銅貨九十九枚がある。



「あなたたち!下には潜らないの?!」

「こっちで買い物を済ませたら、私たちダンジョンの外に出るのよ」


ギルドマスターの声に、袋の中身を数えていた手を止め顔をあげる。

それで分かったが、ギルドマスターの問いかけに答えていたのは獣人の中の女性だ。


「外に?何か用事でも?」

「ちょっと私たちのクランにね。

二十九階層のダンジョン町で面白いものを、手に入れたの」


このダンジョンのダンジョン町は、この第一階層。

さらに下の第十二階層。さらに下に潜って第二十九階層にある。


探索者ギルドにある貼り紙によれば、さらに下にもダンジョン町はあるようだが今の俺たちには関係ない話だ。


「ルース、何を手に入れたの?」

「これはクランのものだから、内緒~」


そう言うと、獣人たち三人は、探索者ギルドを出ていった。

教えてもらえなくて残念そうなギルドマスターを残して……。




▽   ▽    ▽




あの後、俺たちは残念そうなギルドマスターに解散を告げられ各々探索者ギルドを後にし、俺たちは祝勝会ならぬ食事会をすることにした。


伊藤拓也が、祝勝会をしようといったところ大宮さんが食事に誘ってくれたのだ。

何でも、日本の話が聞きたいのだとか。


「日本を離れて三年だからな、色々聞かせてほしいんだよ」


とのことなので、俺たちと大宮さんで食事会へ行くことに。

九条さんは、また下のダンジョン町に戻らないといけないので準備のために別行動、エルフのシャロンさんも寄る所があると別行動となった。




探索者ギルドから、徒歩五分の所にあった食事処。

食堂というよりレストランと呼べるほどの、しっかりしたお店だ。


「いらっしゃいませ」


店の中に入ると、すぐに女性の人が迎えてくれる。

そして、そのまま席に案内してくれた。


「ご注文がお決まりになりましたら、そちらのベルでお呼びください。

失礼いたします……」


そう言うと、一礼して俺たちを案内した席から離れた。


「……すごく礼儀正しいお店ですね」

「そうだろ?ここは日本のレストランみたいだから、気に入っているんだ。

だから、この一階層の町に来た時は必ず寄るようにしているんだ」


俺たちが感心していると、メニューを見ながら大宮さんはどれにする?と聞いてくる。このお店なら、何を食べてもおいしそうだ……。




「へぇ、あの首相変わらずか~。日本の総理大臣にしては珍しい」


食事をしながら、日本の話を聞いてくる大宮さん。

俺たちは、大宮さんの質問に答える形で会話をしていた。


「ええ~、あのドラマそんな最終回だったの?」


政治、経済、芸能、時事ネタと多岐にわたって質問が来る。

本当に、日本を離れて異世界のダンジョンに潜っていたんだな……。


「おいおい、あの芸能人結婚できたのかよ……」


この大宮さんの質問に、一番回答していたのが田辺美咲と小西葵だ。

大学生の彼女たちが、一番日本の情報を持っていた。


「あの国は相変わらずだな……」


世界情勢になると、どこかしんみりとした空気が漂っていた。

何か、思うところか知り合いが海外にいるのかな?


「あの、私たちからも、質問良いですか?」


田辺美咲と小西葵は、お互いの顔を見た後、意を決して質問をする。


「ああ、俺ばっかり聞いていたからな。わかる範囲でいいなら、質問どうぞ?」

「じゃあ、大宮さんと九条さんは今何階層まで進んでいるんですか?」


そういえば、俺たち大宮さんと九条さんの活動階層を知らなかったな。

ここまで強いし、強力な武器もあるんだから、相当し他の階層まで言っていると思うが……。


「俺と九条は、二十九階層のダンジョン町を拠点にして二十八階層で活躍しているよ」

「……え?二十九階層を拠点にしてるなら、三十階層じゃないんか?」


大宮さんの答えに、高橋健太が問いかける。

普通はそうだよな、三十階層を探索だよな……。


「あ~、実はな……う~ん、これ言っていいのかな……」

「何やあるんやったら言うてくれ、先輩である自分らの注意事項は聞き逃しとうないんや……」


少し渋ったが、大宮さんは話してくれた。

俺たち地球人には、越えられないダンジョンの壁があることを。


「実はな、ダンジョンの三十階層からは罠が凶悪になってくるんだ。

その凶悪になってくる罠を、地球人は抜けることができないんだよ」


地球人が抜けられない罠?

いったい、どんな罠が仕掛けられているんだ?


「それって……」

「それは、『身体強化』という魔法が使えないと乗り越えられない罠なんだよ。

こう言うと酷になるが、俺たち地球人は魔法が使えない。魔力はあるがな?」


それは知っている。だから俺たちの武器はその魔法に使えない魔力を活かした魔導銃なのだ。

……でも、レベルがこの世界のシステムとしてあるから、そのうち魔法が使えるかもしれないと期待していたのにやっぱりダメなのか……。







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