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第18話 初めて会う先輩




結局、俺たちが魔導銃専門店で購入できたのは、予備の弾倉五個だけだった。

しかも初心者特価で、五個ずつのまとめ売りで銀貨一枚の投げ売りだ。


「就寝前に、魔力充填を忘れずに」


と、支払いをするとき店員さんに注意された。

初心者の間では、よくあるそうだ。予備の弾倉を購入したはいいが、魔力充填を忘れていざというとき使えなかったとか。




魔導銃専門店を出ると、キャロルさんが次を案内してくれる。


「次は、ダンジョン探査で便利な魔道具を見に行きましょうか」


装備通りの端、探索者ギルド近くに目的の魔道具屋がある。

ここは、客からの注文やダンジョンの外から仕入れた魔道具などを売っていた。品ぞろえはかなりあり、○○・〇ホーテのような店内になっている。


「キャロルさん、この箱って何ですか?」

「ああ、これは冷蔵箱ですよ。中に食料を入れておけば冷やして保存できるっていう魔道具です。

ダンジョン探索では、便利な魔道具ですよ。

私も持っていますし、クランでも貸し出しをしていますね」


冷蔵庫か。

確かに、飲み物をこの中に入れておけば休憩中とか冷やしたものが飲めるな。

無限鞄の中は、時間が止まっているわけじゃないようだから便利かもしれない。


「この懐中電灯見たなものは?」

「……懐中電灯が何かは分かりませんが、それは治療灯ですね。

ケガや骨折なんかを治療してくれる魔道具です」


治療用魔道具か。

これしか治療手段がないなら便利かもしれないが……。


「でも、治療魔法も回復魔術もポーションもあるから、人気ないんですよね。この魔道具……」

「そうか、魔法が使えれば治療魔法や回復魔術。

魔法が使えなくとも、ポーションで大体のものは治ってしまうのか……」


「ええ、毒や麻痺などの状態異常もそれ専用の治療魔法やポーションがありますので……」


確かにキャロルさんの言う通りならば、俺たちはポーションなどをそろえておけば事足りるわけだ。

それに、金貨十枚という値段も人気の無さの原因かもしれない。

しかし、毎回ポーション類を購入する金額を考えたら、この治療灯の方が……。



その後も、店内をウロウロ見て回ると様々なものが陳列されていた。

姿を隠したり擬態したりできる布とか、快適な寝心地の寝袋とか。

いろいろな大きさの、無限鞄も売られていたな。


でも、俺が欲しいなと思ったのは、気配ゴーグルだろうか。

かけるだけで、近づいてくる魔物とかが表示されるってゴーグルだ。

金貨一枚と、今の俺には高い買い物だがお金を貯め購入しようと思う。




「そろそろお腹もすいてきましたし、ギルド周辺の料理屋にでも行きませんか?」


『ステータスデバイス』を出して時間を確認すると、すでにお昼を過ぎている。

みんなお腹が空いているのか、キャロルさんの提案に賛成し探索ギルドへ向かった。


探索ギルド周辺には、色々な料理屋が並んでいる。

食堂に、野菜を売る商店に肉を売る商店。

スイーツを扱うカフェや商店も並んでいた。


もちろん、お酒を売る商店や酒場も隣接している。

でもキャロルさんに言わせると、食事に関してこんなに充実している場所はこの世界では珍しいらしい。


やはり、地球と関係を持っているからなのだろうか?



「キャロルさん、あそこのお店って……」

「ええ、あれは、お弁当屋さんです。

ダンジョンに潜る前に、あそこで食事を購入する人も珍しくありません。

一番人気は、歩きながら食べられる『サンドイッチ』ですね」


いろんな具を挟めるサンドイッチが一番人気で、次がハンバーガー。

米を使ったものなら、おにぎりで中の具は昆布が人気なのだとか。


ダンジョンの中で食事をするというのも、魔物の死体が残らないダンジョンならではなのかもしれない。




▽   ▽    ▽




ダンジョン町を案内してもらった次の日、装備を整えて、俺たちは町の外にある外壁の門の前に集合していた。


高橋健太をはじめとする俺たち七人と、キャロルさんとミラさん、さらに俺たち地球人と同じような魔導銃を装備した人たちが二人と、三人の獣人にエルフと思われる美人な女性が一人集まっている。


もちろん、ここには探索ギルドのギルドマスターと職員と思われる男性が二人ついてきていた。

今回の緊急招集の事情説明のためだろう。


「ほ、本田さん!ケモミミですよケモミミ!

それに、エルフ!初めて見ました!」

「わ、分かったから長谷川君。とにかく落ち着け」


俺の隣で長谷川大輝が騒いでいるが、肝心の獣人三人とエルフの女性は先ほどからギルドマスターと何やら話し込んでいた。

たぶん、今回のゴブリンの集落のことで確認をしているのだろう。


獣人の三人は、それぞれ狼人族の男女二人と猫人族の女性一人だ。

そして、俺たちと同じ魔導銃を装備していたのは同郷の地球人だった。


「初めまして、同郷の日本人でいいのかな?

俺は、大宮剛」

「九条聡です」


そう自己紹介をしながら、俺たち七人と握手をしていく。

この二人、普段は下の階層にあるダンジョン町を拠点として活動しているそうで、今回はパーティーメンバーの獣人三人とこっちに応援に来たそうだ。


俺たちより先にこのダンジョンで戦う先輩といったところか。

パッと見て、装備している魔導銃も服装も違うし今後の参考にさせてもらおうかな。







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