50 後半戦突入
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楓の荷物大移動後半戦。
次の作業はトラックの荷台から荷物を下ろし、現在楓が使用している元春香の部屋に移動させることだ。
一応事前に水樹が春香に正式に部屋の使用許可を貰っておりある程度部屋は整理されている。
水樹達は早速荷物の移動に取り掛かった。
タンス類の配置は全て水樹プレゼンツである。
勉強机やベッドは既存のもの、春香が使っていたものをそのまま使うため実際のところ移動させるのは大きなタンスと丸テーブル、衣類だけだ。
ゆえに後半戦はものの二時間程度で終了した。
「終わった〜」
春馬はそのまま水樹宅のリビングに寝そべった。
未来も千歳もどちらもお疲れの様子で皆リビングで寛ぐ。
「今日はありがとうございました」
そんな三人を前に楓は礼儀正しくお辞儀までして感謝を述べた。
その楓の様子を見て三人は、
「気にしなくていいって」
「そうそう、俺も未来もどうせ暇だったんだし」
「私もだよ」
そんな様子に水樹は少し頬を緩ませる。
「皆昼食べてくだろ?」
そして水樹は皆に昼食を食べていかないかと提案した。
「え?いいの?」
真っ先に口にしたのは千歳。
「まぁ、これくらいはするよ。感謝的な意味合いでな」
「水樹君の手料理か〜。私食べたいかも!」
千歳は乗り気だった。
そしてその流れに乗るように春馬も未来もご馳走になるという結論に至った。
「じゃあちょっと準備するから待っててくれ」
「あ、私手伝うよ?」
「ん?冴枝さんって料理できるの?」
「失敬な!私も女の子だよ?」
つまりはできるということなのだろう。
「じゃあ頼む」
「おっけー」
そして水樹と楓はキッチンへ向かった。
「で、何作るの?」
「ん〜人数も多いし時間もかけたくない.....無難にスパゲティとサラダかな」
「じゃあ私野菜切るよ」
そう言って手際よく動く千歳に水樹は少々驚きの眼差しを向ける。
「ん?どうしたの?」
「いや、本当に手際いいなと」
「なに?私が料理できないと思った?」
「いや(基本楓は料理できないから先入観で....)」
「私、こう見えて結構得意なんだよ?」
確かに言うだけのことはあった。
千歳は野菜を洗うところから、切って盛りつけまで全てが慣れている感じだった。
「それよりも本当に水樹君って水面ちゃんと一緒に生活してたんだね」
「あー冗談だと思った?」
「流石に最初は。でも今日ので本当なんだって思った」
「まぁ、苦労はするけどな」
「何か羨ましい.....」
「はい?」
「だって一緒に生活するってことは四六時中水樹君と一緒なんでしょ?」
「まぁそうだけど....」
「ちょっと嫉妬しちゃったかも」
その発言に水樹も少し顔が赤くなる。
告白は撤回されたものの気持ちは本当だと改めて実感させられた。
「それに変なことしてないよね?」
「変なこことは?」
「いや、だって一応は男の子と女の子でしょ?その気になれば.....その、なんだってできるわけで....」
そこから先は千歳も恥ずかしかったようで口に出されることは無かった。
「あ〜その心配はないんじゃない?」
「どうして?」
「少なくとも俺にそんな勇気はないし、水面だって興味ないと思う」
「どうだか」
千歳は最後だけ発言を濁らせた。
「何だよ?」
「なんでもなーい。水樹君がそう思ってるんならそれでいい」
「なんだそれ」
話はそこで終わった。というか料理が完成したのだ。
「さ、料理もできたし運ぼ」
「お、おう」
それから五人は一つのテーブルに座り、少し遅れた昼食を楽しんだのだった。




