21 始まった夏休み
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誤字が多くてすいません…………
7月20日。水樹達の通う高校は終業式が終わり夏休みに突入した。
水樹は大きな荷物を手に持ち、約一か月ぶりの我が家に足を踏み入れる。
「あ~帰ってきた~」
水樹の家は一軒家。と言っても両親はほとんど家に帰ってこない。故に実質この家はほとんど水樹しか使っていないのだ。
「お、お邪魔します…………」
そして水樹の後に玄関に入ってきた、私服姿の水面楓。まさにこれから南国にでも行くのかといった、キャリーバッグに白のワンピース姿。
(何でそんなに服装にこだわってるの?)
水樹は内心疑問を呟いた。
だがしかし、一か月もいて外出用の楓の姿は一度も見たことがなく、普段は制服か寝間着、あるいはラフな部屋着だったため、どこかぐっとくるものがある。
「ああ、そんなに気を張らなくてもいいぞ?どうせ俺しかいないし」
「そうはいっても…………緊張します。あと…………これを」
そう言って楓は封筒を水樹に手渡す。
「ん?これは?」
「お金です。これから夏休みの期間お世話になるので」
その言葉に水樹はため息を付く。
「あのさ、水面って友達が相談に乗ってくれるたびにお金を渡すのか?」
「い、いえ」
「じゃあそう言うことだ。これは受け取れない。前にも言ったけどこれは単に友達として手伝ってるだけだからな?」
そう言って水樹は封筒を押し返した。
「あ、ありがとうございます」
「感謝されるようなことは何も。それよりもさっさと部屋に荷物入れようぜ。暑くて気がめいりそうだ」
「そうですね。これからお願いします」
「おう。部屋は二階の俺の向かい側の部屋を使ってくれ。ベッドとか机とか置いてあるけど全部自由に使っていいから」
「えっと、この部屋を使っていいんですか?というか兄弟でもいるんですか?」
「ん?ああ言ってなかったっけ。俺実は5つ上に姉がいるんだけど、もう結婚もして家庭持ってるから家にはいないんだよ」
随分唐突な話だが水樹には5つ年の離れた姉がいる。既に結婚して所帯を持っているためめったに帰ってくることはない。姓も変わっていることから関わりはより一層少なくなっていると言える。
「そうだったんですね。あまり峰崎くんの家の事情は知りませんでした」
「そりゃ、聞かれない限り話す機会は無いからな」
それを言うなら水樹も楓の家庭のことは何一つ知らない。つまりお互いの家庭の事情はあまり深くは知らない。それで一緒に暮らしているともいえる状況なのだから不思議な話である。
「あとは、風呂は一回の玄関から廊下をまっすぐ進んだ左手。トイレは二か所で風呂場の向かい側と、二回の廊下の突き当り。また分からないところあったら言ってくれ」
「ありがとうございます」
その後二人は各自部屋に行き、各々が服をしまったり洗濯物をしたりと家事に時間を費やした。
そして一時間後、時刻も夕食時になったころ、水樹は姉の部屋(現在では楓の部屋)をノックした。
「水面、そろそろ夕食だから手伝ってくれるか」
しかし返事はなかった。
水樹は一応もう一度扉をノックした後『失礼しま~す』と小声でつぶやきながら部屋に踏み込んだ。
「おお、相変わらずだな」
まぁ予想通り部屋は散乱した服で足の踏み場が無かった。どうやらキャリーバッグから荷物を取り出してこうなったのだろう。どうやらどこに行っても楓の生活破綻ぶりは変わらないらしい。
そして肝心の楓はというと、ワンピース姿のままベッドの上に横になりすやすやと眠っていた。
「人の家に上がってこうもすやすや寝れるところは何つーか肝が据わってるっていうか、警戒心がないっていうか…………」
初日から調子を狂わされる水樹だった。
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