表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ある夜の話~

作者: 空蝉 明

今は深夜2時30分くらい。

祝日なのに仕事をしている僕^^;


こんな仕事やりたくね~ そう思いながらもう15年以上してるw

これしか、稼ぐ術がない・・・

ん~ こう言うと、『世の中一杯働ける事あるから自分の好きだな~って思う仕事やればいいだろ!』って

人には言われそうだw


けれど 僕はそうはいかないのだ。

自分の問題に気付いたのは、娘が小6の時だった。

内容は、詳しく言えないけれど、自分がいつどこで廃人のようになってしまうかわからない身体だって事がわかった。

けれど、運が良ければ死ぬまで廃人にならなくて済むかもしれないそうだ。


僕の家は、娘と二人暮らし。 母は別の所に住んでいて、僕が仕事で出張する時とかに、うちに来てくれる。

娘は、高校2年生。

まったりとした娘だが、最近は大学受験のモードに入ったのか、少しだけピリピリしてるように見える。


僕は、母子家庭で育った。

母子家庭だと言うと、世間は大抵 『お母さんご苦労されたんですね~』と言う。

めんどいから 『そうですね~』と僕は言う。

けれど、うちの母と僕はそんなんじゃない。


母が経済的に、子供を育てるのが難しかった事もあったのだが、父を交通事故で亡くした後、しばらくして母の素行が悪くなった。

祖父は、それを心配して僕を引き取る事にした。

祖父は、元々は宮大工の棟梁までした男で、厳格な人だった。

自分も、老いていていつまで僕の面倒が見られるかわからなかったので、僕には何でもやらせたし、父がいない子は駄目だと世間から言わせたくなかったので、行儀作法や勉強も幼い時からすごく厳しくやらされた。

祖父のおかげで素行の良くない母と生活しても最低限の生きるって事はなんとかできた。


祖父のありがたさを、わかったのは祖父が亡くなってからで、一緒に生活をしてる時は、なんで自分だけ他の友達のように自由に遊べないんだろう?という不満が大きくて、祖父に対して感謝どころか、憎いとさえ思った事もある。 ほんのたま~に釣りに連れて行ってくれたり、琵琶湖を周遊する船に乗せてもらったり。 その時だけはほんの少しの幸せを感じた。


今では、祖父にとても感謝しているし、祖父の愛情がこういう形だったのかとよくわかる。

しかし、世間様が普通と言うか、一般的に考えるたりイメージするような事とはかけ離れている。


話は戻るが、そんな人生を送ってきた僕は、人様にくらべて恐らく先の希望よりも、先のリスクをいつも考えて生きてきた。

廃人になるかもとわかったとき、家を買った。 社宅の方が気楽だったけれど、僕が廃人になれば娘の安心して暮らせる場所がなくなる。

母の家も僕が家賃を払ってる借家なのだから、母の事もあるし。


そうして5年が過ぎた。とりあえずまだ僕は、少しだけ廃人に近づく兆候を感じながらも、まだ人から見たら恐らくそれがわからない程度の状況でいる。


だから僕は、今稼がなくてはならないのだ。 最近、自分の服もとんと購入していない。

必要なお金は使うが、今あるものでできるだけ賄うようにしてる。

娘のものは買うけどねww


ほんの少しの息抜きはネットゲーム。金かからないやつw

そこで、知り合った一回り近い上の女性からのメールを読んだ。


彼女は、いつも僕が、言葉で自分を追い込んでいるように思っているらしい。

彼女がそう感じるのであればそれは、事実なんだろう。

けれど、僕は思ってる。 いつも追い込まれてるのは僕の方だとw

追い込まれれれば、そこから抜け出そうと誰もが思う。


結局、彼女も僕もそのループに嵌ってしまって、お互いがそう思うのだろう。


彼女から、来たメールは結構楽しい部分も多い。

大抵、どこかで 『私がこうなるのは、あなたのせいよ!』みたいな感情が垣間見れるのだが、それだけではない。 

自分とは、視点が違う角度から物を見てる所も多いので、結構勉強になったりしている。

そこが面白い。


彼女からのメール(と言っても日記のように書かれているものを読ませてもらっているのだが)には、年長者への敬意について書かれてあった。

僕が彼女に、年長者について話した事があったから。


僕が話した内容は、年長者に敬意を持てとは言われるが、敬意を持つに値しない人もいる。しかし、世の中で生きて行くためにはそう言う ふり も必要だ。 みたいな事だ。


彼女は、自分が若い時はそんな風に思ったが、今ではそういう人達が病気や怪我 災難 リストラ 倒産 出産 育児 介護 老後 そういう沢山の問題を乗り越えて年月が過ぎているのだから、そこが尊敬に値する。と書かれてあった。

まぁ 確かに、そういう部分はあるかな~ と僕は思った。


子供を育ててみてわかったことは確かに多かった。

恐らく、子育てを経験したことがない人には中々わからないだろう。

祖父の話の中でも書いたが、祖父の厳しさは、今になって愛情だと感じられるようになった。

それも僕が、年を重ねて知った事だ。

そういう 事は確かに多い。


しかし、それを知った上でも僕の考えは変わらない。

彼女の考え方を否定するつもりなんて毛頭ない。

彼女の言う事は正しいと思う。

けれど正しさは一つではないと僕は思う。

僕は、その時自分が尊敬に値すると素直に感じた人だけを尊敬する。

それが自然だし正しいと思ってる。

もし、祖父の事のように後で尊敬の念が浮かべばそれはその時尊敬すればよい。


僕は自分がその時に、心から尊敬できないような人を年長者と言うだけで尊敬はやはりできない。

それでも、彼女のいうように、長く生きてれば色々な苦労を乗り越えて生きてるのも事実だし、後で自分が恥をかかないためにも、そして少しでも円滑に人生が送れるように、尊敬をしてるふりはしていくつもりw


彼女のメールの中には、同じ小説を読み返した事があるか? それをすると例えば20代で読んだ感想と、50代で読んだ感想が違うだろう。

それは自分の人生経験から来る価値観や考え方が変わってくるから同じものを読んでも視点がかわるからだという内容だった。 そして筆者の小説の中に隠された想いも、また違ってくるのだろうと。


それもその通りだ。

僕も高校時代 読んだ小説や、エッセイを30代になって読み返すと、やや違った見方になる。

もちろん変わらない部分もあるけどねw


筆者が、本当は何を感じて欲しいのか?それが完璧にわかることなんて絶対にない。

ただ 恐らくこんな事を思っていたのではないか? という読者の共通点が多ければ、そう思って書いたのではないかと批評されるだけだ。


そもそも文章なんて、そんなもので よほど真っ直ぐな文章でない限り色んな捉え方があるものだ。

書き手がいくら批判をしたつもりでなくても読み手が批判されたと捉えてしまう文章を僕は山のように見てきた。 僕の文章もそれは同じ。

誰も、相手の年齢や考え方まで完全にわかって文章を書くわけでもないし、書けるわけもない。


その時に書いた文章は、書き手も読み手もその時だけのものだ。

その時に相手に届かなければ後で届いたとしてもそんなに意味はないと思う。

誰かに、何かを説明しようとする時、今の相手に理解できないような説明では意味がない。

小説や、物語のように後々まで残るようなものは、それでもいい。

けれど その時に必要な意図を伝える文章は、例えばラブレターにしても手紙にしても、その時にちゃんと気持ちが伝わらないとほぼ意味はない。

ほぼと言ったのは、稀に読み手の側が、文章が残っていれば後で推敲できるからだ。

そうすると、また違ったものに見えたりもする。

だから、まるで意味がないわけではない。

けれど、やっぱり書き手の思いは、その時にちゃんと伝わる事は大切だと僕は思う。

それが書き手の目的である場合が多いのだから。


人とのコミュニューケーションを文章だけで取るというのは、僕にとってはとても難しいことだ。

その人に直接会って、話してみたほうが余程相手の気持ちを理解しやすい。

同じ言葉でも、相手の表情や所作によってなんとなくその言葉の真意に近づける気がする。


文章の方が良く考えてから冷静に伝えられるという利点もある。

けれど中々、僕の文章では相手に自分の気持ちが上手くは伝えられない気がする。


だから彼女からはいつも、僕が攻めてるように言われるのだw

攻めてるつもりはないのにな~

あなたとは考え方がこう違うんですよ~

それをわかって欲しいな~


そんな気持ちだけなのに。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ