14話
「…グスッ」
走ってあの場所を去ったそれが私の精一杯の勇気
近くの壁にもたれてしゃがみこんだ…
堪えられない涙を流しながら
行き場を無くした拓人への気持ちを噛み締めていた
いつもどこかで理解してた
拓人が終わりといえば終わってしまう
偽りでもデートして、特別だと言えてた事に
どこかで優越感を感じていた
本当はこんな空っぽな事早くやめなきゃダメだったのに
ズサッ と砂を噛む音に顔をあげた
「如月先生?」
「紺野さん…」
一番会いたくない子に会ってしまった
涙を拭い立ち上がった
「今日はごめんね
ほっぺた腫れてない?」
「全然大丈夫です。私の方こそごめんなさい」
そういう紺野さんに首をふり横を通り抜けようとした
「待って如月先生」
紺野さんは私を呼び止め視線を重ねた
「いろいろごめんなさい」
私の服を優しく握る紺野さんは震えていた
「…よく考えたら私が邪魔したんだよね
如月先生と拓人さんの仲」
「紺野さん?」
「拓人さんは優しいからきっと私を振れないんだと思う。
無碍にできないし、傷つけたらいろいろとうるさいし。
あの…本当は私の事なんか好きじゃないから」
涙をためてそう言う紺野さんの手を握った
「それは違う」
何故か庇う台詞をかけていた
こんなに悔しくて、私がその場所に居たいのに
「…もう充分だよ
充分伝わったから」
クッと顔をあげた紺野さんは涙を流しながら微笑んだ
「拓人さんをよろしくお願いします」
「ちょっと…」
そう言って帰っていった紺野さんが何を考えてるのか解らなかった




